あらすじ
雇用消滅と社会混乱を、日本はどう生き延びるか。
AIが世界中の富と雇用と税収を米中にかき集める一方、両国内ではAI独占企業が誕生し、貧富の格差が激化する。
AI技術を獲得できなかった他国は、隷属の道を歩むーー。
中国IT業界の先駆者が、来たるべき新しい世界秩序を描く。
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Posted by ブクログ
前半は現状および今後のAI開発の潮流について、後半はその影響と対応について記載されている。
米中の価値観とそれがもたらすAI開発競争の予測はある程度想像はつくものの、やはりという印象。
ただ、それ以上に、AIがもたらす失業、分断が印象的だった。自分も『ラッダイトの誤謬』を信じていたのだが、AIは既存の仕事を置き換えるのではなく、仕事そのものをなくしてしまうというのは衝撃的だった。また、UBIについても肯定的に考えていたが、『AIエリートが想像を絶する巨万の富と浮世離れした暮らしを楽しみ、大量の失業者に最低限の施しをしてなだめるような社会』という記載を見て考えを改めた。今は、ただお金を分け与えるのではなく、社会に対する貢献に対して適切な報酬で報いることが必要だと思う。
今後AI開発・活用は大いに進展し、世の中を否応なしに変えていくだろうが、そこに飲み込まれるのではなく、活用しつつ、本当に人間とって価値のあることが認められる世界になってほしいと切に願う。