【感想・ネタバレ】愛の宿のレビュー

あらすじ

もし、あの夜、あのホテルに泊まらなければ――。
ある夜、ラブホテルに偶然泊まり合わせた男女の性愛の営みを、官能と情念の名手が描き出す短編集。

京都の繁華街にひっそりとたたずむラブホテル。土曜日の夜、逢瀬を楽しんだカップルたちは、翌朝、思わぬ理由でホテルに足止めされる。
不倫、初体験、出会い系、元恋人との再会……、それぞれの理由で身体を重ねた女と男だが、予期せぬ展開に本音と嘘が露わに……。

解説・逢根あまみ

※この電子書籍は2016年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 もし、あの夜、あのホテルに泊まらなければーーの冒頭からはじまる短編六つ。
 ここでいう、「あのホテル」はラブホテルのことを指している。本編において舞台となるのは、京都の繁華街にあるとあるラブホテル。セックスという、おおっぴらには外でできない行為を、ほかにする場所がないという事情、つまり不倫、援交、未成年といった、さまざまな理由を抱えた人が、それでもセックスをするために利用する場所である。
 そこで、ある夜、女が死んでいた。その事情聴取のため、ホテル利用者は全員、翌日夕方までホテルからでられない。
 みんな、後ろめたい理由があって、ラブホテルを利用している。配偶者に嘘をついているもの、親に嘘をついているもの、関係を偽っているもの、身分を偽っているもの。その嘘が、「現実にかえれない、ホテルからでられない」ことで強制的に剥がされていく様子がみえました。セックスという行為の意味は何だろう、と考えさせられた作品でした。

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2020年05月17日

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