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色々なジャンルの科学の話を、分かりやすく面白く教えてくれる。超文系の自分でも理解できたし、もっと詳しく知りたくなった。巻末のおすすめ参考文献も親切で、読んでみようと思った。
堅苦しい感じは一切なく、寝る前の読み聞かせのように、少しずつ読み進めていった。タイトルの「夜話」とは上手いタイトルだ。
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一話4〜5ページで、語り口は叙情的で難しい専門用語も使われていないので読みやすく、挿絵も中世美術を思わせるイラストで、錬金術書っぽい雰囲気で素敵。
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先に「渡り鳥たちが語る科学夜話」を読んだので後追いになったのだが、とにかく興奮する話と知見が多くて、時には涙も出てくる。章でいう16夜にあたるトロッコ問題の言説。メジャーになり過ぎたこの思考実験は、時折我々の玩具として消費されている場合があるが、「自動運転AIに対するプログラミング」という観点で、この問題は非常に現実味を帯び、背筋を凍らせる。我々はAIに対してどのように倫理を教えなければならないのか。
そもそも、倫理に答えはあるのか。
様々な知的好奇心を刺激してくれる、ある意味自己啓発的科学読本である。
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「ずっと夜が続けば話は終わらないだろうか」と思うほどに読み続けたいと思わされた科学のお話。
天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編と5つのカテゴリの22作品。難しい内容のはずなのにスルッと入り込める。数理社会編が特に生活に密着しているのもあって興味深く読みました。
装丁も挿絵も素晴らしい。引用されている吉田 一穂(よしだ いっすい)の作品にも触れてみたい。
(どのエッセイも素晴らしかったけど)個人的に印象に残ったもの
第1夜 海辺の永遠
9億年前の1日は20時間ほどだった、と推定されているらしい。な、なんだってー!こういうの!学校の授業でやってほしかった!!
第5夜 真空の探求
10mの水柱のポンプ…なんとなく覚えているけど、ああそうだったんだとこの歳になってさくっと理解できた。
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
X線からウラニウム放射線発見、放射能と原子核物理学の探求という歴史の流れ
第9夜 確率と錯誤
実感と確率ってかけ離れてるときがありますよね、というお話。
「福沢諭吉がLiberteにあてはめる日本語の「自由」を考えたとき、別の有力候補は「天下御免」であった。(P76)
「自由」に決まって良かったなぁと感じました。哲学書などで「天下御免とはなにか」とか書かれてたらムズムズしそう…(笑
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
Google検索アルゴリズムのひとつペイジランクについて。昔はライコスなどを使ってた。懐かしい。
第13夜 多数決の秘められた力
民主主義選挙とガラム理論。
「固定型の人が17%以上混ざっていると、彼らは無敵である。」(P109)
この17%が良貨であることを願うばかり。
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
「生まれ変わるならアリもいいかも」と思ったけれど奴隷アリの存在を知り「やっぱり無理」となった。
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〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル
〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙
〔数理社会編〕
第9夜 確率と錯誤
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力
〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族
〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて
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宇宙のみならず、自然科学、いやそれを超える膨大な領域を、平易な語り口で解説する老若男女にお勧めできる1冊。
全22項目を天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編に分類し、各項目には6P〜10P割かれている。
それぞれの分量は少ないので、日頃ブルーバックスを読むような方には少し薄味かもしれない。しかし、興味のある分野を見つけるのには最適な1冊ではないか。
また、「夜話」とあるだけあって、就寝前の読書にぴったりだ。寝る前に5分を本書に割くだけで、晴れやかな朝を迎えられるだろう。
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夜寝る前に読むのにぴったりの一冊。興味深い科学の話を根幹に持ちながらも、ロマンを掻き立てるような切り口と美しい言葉選びで、非常に読みやすい。遠い銀河に思いを馳せました。
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科学エッセイ、、、ではあるのだが、
著者が博学で且つセンスが良すぎて文系な本を読んだ読後感。
最初の章は天文学を中心とした話なので本のタイトルから予測した期待の範囲内なのだけれども、
中盤以降は倫理学や経済学、集団心理学的な話が、科学的な統計や計算を元に語られて、期待を優に超えるおもしろさ!
下記が特に好き。
・音楽のサブスクでヒット曲が出る仕組みの考察
・ある集団において「固定票タイプ」と、他人の意見を参考にする「浮動票タイプ」それぞれの比率がどのくらいになると世論の意見がどっちになるかの計算
・有名なトロッコ問題を全世界の100万を超える被験者から集めた統計データ
地域で倫理的性向の違いが興味深い。AI自動運転車の設計に応用される可能性について
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短い章立てでテーマごとにまとめている科学エッセイ。
著者の文学的な教養や才能が光っている文章は、その落ち着いた文体とテーマの深遠さも相まって意識がふわーっと抜き取られていく感覚に陥ります。夜話というタイトルにふさわしい仕上がりでございます。
宇宙のように遥か彼方を羨望することもそうだし、逆に私とはという一個人の意識にフォーカスすることもどちらも未知なる問題への不確かさによるスリルが惹起されます。そこには人間の無力さや無常観といったものも浮かび上がり、何とも言えない浮遊感。科学の奥深さと魅力と、知らなくても日常は何となく過ごせるけど、本書冒頭にあるように「科学を知らないことは豊饒な海に面した港町を旅して、魚を食べずに帰る」ことのようにもったいない。人生の豊かさって、知識量と環境に対する気づきが与えてくれるんだろうな、なんて物思いに耽るにはぴったりの、いい意味でライトな作品です。
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何度読んでも面白いし、その度ごとに発見がある。
総選挙も近い。数理社会編だけでもじっくり読むとよいと感じた。分断を防ぐために科学的思考が必要か考えるヒントになる。
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とても好き。
数学と物理学の美しくて不思議な世界、その積み重ねられた歴史を、無限の宇宙を、そして小さなひとつの命を味わうひと時が得られます。静かな夜に味わうのが最も良いでしょう。お供にホットミルクのご用意をおすすめします。
以下は私が特に気に入ったお話。
第1夜。月と永遠と一瞬のロマンチックなお話
第4夜。星新一のショートショートの舞台になっていそうなお話
第7夜。人類にとって恐らく最も悲しい発明のお話
第8夜。多世界解釈とボルヘスの「枝分かれする小径の庭園」
第9夜。声の大きい人と隠れたドンが作る多数派のお話
第14夜。思い出せない夢の倫理学
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数理社会編(確率の話中心)のところだけでも多くの人に読んでほしい、直感に反するが社会を動かす確率の不思議が平易に説かれている。時々坂本龍馬や中江兆民、板垣退助といった歴史の話も登場し(本筋には関係ないが)歴史好きとして読んでいて楽しかった。著者の教養の深さが伺えた。
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太陽の未発見の伴星「ネメシス」にまつわる仮説、真空発見の瞬間、じゃんけん必勝法と民主主義の数理、反乱を起こす奴隷アリ…。物理学者が、天文学から数理社会、生物まで、この世界にひそむ数々の小さくな驚異について詩的な文章でつづる。コンパクトな本なので、毎晩寝る前に少しずつ読んでこの世の不思議に思いをはせるのにぴったり。レトロ調の挿画もおしゃれな科学エッセイ。
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みんなの感想、から飛んできました。
大変面白く読みましたが、読んだつもりの読み飛ばしが多発している事は自覚しています。
似非理系なもので。
自由、の対立候補語が天下御免だったというのが衝撃的でした。自由民主党じゃなくて天下御免民主党だったかもしれない?言論の自由じゃなくて言論の天下御免だったかもしれない?
天下御免の方が昨今の状況によく合っている気がするのは気のせいか。
トロッコ問題、蟻や蝶のお話、確率のマジック、ラグランジュ点、どれも興味深い。
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たまたま新聞の本の紹介記事で見つけた物理学者・全卓樹さんのこの本。
理系は苦手な私だけど、「銀河の片隅で科学夜話」というステキなタイトルにも惹かれ、自分の興味以外の世界も広げたいという思いもあり読んでみました。
タイトル通りのステキな本!
著者とコーヒーでも飲みながらゆっくりお話を聞いているかのようにリラックスして、楽しめました。
天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編、22話の物語。
宇宙のこと、真空や放射線のこと、確率や多数決のこと、言語のこと、アリや渡り鳥のこと。
普段何気なく周りにあることを、科学的にみていくと全然違った視点でとらえられるのがとても新鮮でした。
頭の中がすっきり整理される感覚!
夜空を見上げる目も変わります。
言語と認知についてのお話の中の
「白色に相当する何十もの言葉をもつイヌイットたちには、単色の北極圏世界がずっと多彩に感じられるのだろうか。」
「異なった言語を知ることは、異なった世界の見え方を会得することである。」
が印象的でした。
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難しくてわからないお話もあってけれど、
天体の話や生命の話などは興味深く、とても勉強になった。
とにかく短く構成された章がいい。
はじめに書かれているが、わかりやすく、楽しめるよう伝えようという意思が成功している。
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帯通り、「明晰でわかりやすく、おもしろくて叙情的」
広い科学の世界を
誰でもわかるように書いていて
くすっと笑えたり
言葉と科学の世界の美しさにほうっとなったり
とても良い本でした
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一気に読むのが向かない本というと語弊があるからもしれませんが、少しずつゆっくり時間をかけて読みたい本。
一つのお話が数ページと短いけれど、その内容の奥深さや広がる自分の想像力や思考・感想を楽しんでいると、この本は時間をかけてしまう本でした。
物理に縁遠い私にとって難しいお話もありましたが、「そうなんだー」「知らなかった」と勉強になりました。
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これまで気付くこともなかった事象を、身近なこととして科学的に語ってくれる。
天文編は、何だかワクワクキラキラしながら読み、
原子編で量子力学に触ってみたら何て面白い概念なんだと気付く。
確率って数理物理学なんだとか、それぞれがどういう学問分野なのかも知れて、世界が広まった気がする。
定性的だと思ってたものが、定量的に示されたことにショックを覚えた内容もあり。
いつも使ってない思考を伸ばすような、頭のラジオ体操のような本。
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アリの中には巣の中に死んだ仲間を埋葬するお墓のような空間をつくる話が強烈に残っている。弔いの感情があるのか本能なのか、本能だとしてもなぜそんな行動をとるんだろう。
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物理学者による科学エッセイとの事だが、物理学の枠を超えた博物学。気難しい科学の専門用語が、ポエムのような雰囲気を持ち、文学となっている。こんな感じの本を読むのは初めてかも知れない。勉強になる、同時に、詩的な気分になる。宇宙を想起し、時の長さを感じ、小さな自分を見つめる事になるからだろうか。
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忙しい時期に読んだせいで内容うろ覚えだからまた読み直したい。ちょっと専門的な話があったりして私には難しかったけど他の人のレビュー見てると理系の人には物足りないっぽい。ロマンチックというか不思議で美しい話が多い。割と1つの話が短めなのも良い。思い出せない夢の倫理学の話が好き。人は起床直後に直近30秒ほどに見た夢を覚えているのが常で、それまで見てた夢は溶けるように去ってしまう。でも近い将来、科学の進歩で本人が忘れた夢をディープラーニングによって他人が掘り起こし、存在へと転ずることが可能になるかもしれない。面白そうだけど確かに倫理的にどうなのかって領域に入っている。章ごとに写真や挿絵、吉田一穂さんの詩が載っている。『自我系の暗礁めぐる銀河の魚。コペルニクス以前の泥の拡がり…睡眠の内側で泥炭層が燃え始める。』お洒落な詩だな〜って調べたら大正から昭和の詩人でだいぶ前に亡くなられててビックリした。この人の詩ちゃんと読んでみたいな。2巻目も出たらしいから見つけたら買おうと思う。
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久しぶりにこんな科学的な本を読みました。
これはいったい何の話だろう?って用語を調べることから始まってしまったので少し読むのに時間がかかりましたが『夜話』と書かれているのでなんとなく夜に読むと世の不思議にひっそり耽ることができます。じゃんけんは試してみようかな?
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◯ 一日の長さは一年に0.000017秒ずつ伸びている。(中略)その反作用で月は角運動量を得て、一年に3.8cmずつ地球から遠ざかることになる。(11p)
◯太陽に伴侶の星がいるのかもしれない。その暗い伴星が数千万年に一度、昼空までをおおう彗星の嵐、めくるめく流星の雨を地球にもたらすのだ!(24p)
◯異なった言語を知ることは、異なった世界の見え方を会得することである。(129p)
◯翅を生んだ遺伝子プログラムの論理的帰結が、韃靼海峡を渡る蝶だとすれば、知性を生んだ遺伝子プログラムの論理的帰結が、銀河を渡る人間なのかもしれない。(177p)
★科学者の書く文章が、文学的なのなんでだろう。
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1日の長さは一年に0.000017秒ずつ伸びている
オールトの雲
ネメシス仮説
ペイジランク
ガラム世論力学
神谷之廉
ブレインレコーディング
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理論物理学者、全卓樹氏が綴る22話からなる科学エッセイ。もう学校で勉強していた学生時代から離れ年数もたっており、かつ生粋の文系である私にとっては久々科学に触れた本であった。
好きな作家、高野秀行氏がお勧めしていたこともありチャレンジしてみた。
個人的に宇宙の話や原子の話は少しとっつきにくかった。おそらく易しく書かれているのではあると思うが私にとっては理解が難しかったのと、話が広大すぎてイメージがわかやかった。
しかし、数理社会編や倫理編は身近なテーマと理数が結びつき興味深かった。ただし今すぐ考え方が応用できるかと言われれば難しいが。
1話10ページ以下が書かれており隙間時間に読み進められる点も初心者には嬉しい。
こういう分野も今後読んでいきたいというきっかけとなった。
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物理学者が語る、この世界と宇宙の不思議。
宇宙トリビアを期待して読んだらそれは最初のほうだけだったけど、「数理社会編」で取り上げられている確率論と直感の関係は『夜中に犬に起こった奇妙な事件』で最近知ったばかりだったので興味深かった。造本が美しく、挿画の二色刷りなどセンスの良い本。