【感想・ネタバレ】銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ずっと夜が続けば話は終わらないだろうか」と思うほどに読み続けたいと思わされた科学のお話。

天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編と5つのカテゴリの22作品。難しい内容のはずなのにスルッと入り込める。数理社会編が特に生活に密着しているのもあって興味深く読みました。

装丁も挿絵も素晴らしい。引用されている吉田 一穂(よしだ いっすい)の作品にも触れてみたい。

(どのエッセイも素晴らしかったけど)個人的に印象に残ったもの

第1夜 海辺の永遠
9億年前の1日は20時間ほどだった、と推定されているらしい。な、なんだってー!こういうの!学校の授業でやってほしかった!!

第5夜 真空の探求
10mの水柱のポンプ…なんとなく覚えているけど、ああそうだったんだとこの歳になってさくっと理解できた。

第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
X線からウラニウム放射線発見、放射能と原子核物理学の探求という歴史の流れ

第9夜 確率と錯誤
実感と確率ってかけ離れてるときがありますよね、というお話。

「福沢諭吉がLiberteにあてはめる日本語の「自由」を考えたとき、別の有力候補は「天下御免」であった。(P76)

「自由」に決まって良かったなぁと感じました。哲学書などで「天下御免とはなにか」とか書かれてたらムズムズしそう…(笑

第10夜 ペイジランク─多数決と世評
Google検索アルゴリズムのひとつペイジランクについて。昔はライコスなどを使ってた。懐かしい。

第13夜 多数決の秘められた力
民主主義選挙とガラム理論。

「固定型の人が17%以上混ざっていると、彼らは無敵である。」(P109)

この17%が良貨であることを願うばかり。

第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
「生まれ変わるならアリもいいかも」と思ったけれど奴隷アリの存在を知り「やっぱり無理」となった。

*****************************************
〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル

〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙

〔数理社会編〕
第9夜 確率と錯誤
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力

〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族

〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて

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2023年05月05日

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