【感想・ネタバレ】ちいさな国でのレビュー

あらすじ

アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。
しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。
フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作!
高校生が選ぶゴンクール賞、Fnac小説賞、第24回日仏翻訳文学受賞作。解説/くぼたのぞみ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ガエル・ファイユの自伝的小説のようであり、デビュー作のようである。
「ぼくは、ぼくの子ども時代を追われたのだ」この言葉がこの話の本質を得ているのではないかと思う。
主人公は子どもから大人に変わる時期をはく奪され、両親も友達も近所の仲間も多くを失った。またその失った原因は外的要因である民族間の問題である。
父が政治に興味を抱かせなかったのも、政治に関わることで民族というフィルターが貼られることを想ってであり、そのフィルターがなかったために、主人公はある意味では自然的に、ある意味では周囲の状況を理解できなかったのだと思う。
また、主人公は何度も恐怖と怒りの天秤に関わるところは、民族間の争いが起こったことを間接的に伝えているのだと思う。
幸せとは生まれながらにして決まるのか。そうではないと信じたいが、ちいさな国では重い現実があるのだろう。

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2025年02月21日

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