【感想・ネタバレ】兄の終いのレビュー

あらすじ

一刻もはやく、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう。

憎かった兄が死んだ。
残された元妻、息子、私(いもうと)
――怒り、泣き、ちょっと笑った5日間。

「わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。実は、お兄様のご遺体が本日午後、多賀城市内にて発見されました」――寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた1本の電話。それは、唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報だった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子・良一君。いまは児童相談所に保護されているという。いつかこんな日が来る予感はあった。金銭的にも精神的にも、迷惑ばかりかける人だった。二度目の離婚をし、体を壊し、仕事を失い、困窮した兄は、底から這いがることなく、一人で死んだのだ。急なことに呆然としている私に刑事は言った。「ご遺体を引き取りに塩釜署にお越しいただきたいのです」

兄は確かに優しいところもある人だった。
わかり合えなくても、嫌いきることはできない。
どこにでもいる、そんな肉親の人生を終う意味を問う。

遺体を引き取り、火葬し、ゴミ屋敷と化している兄のアパートを整理し、引き払う。そして、何より、良一君の今後のことがある。兄の人生を終うため、私(いもうと)、元妻(加奈子ちゃん)、そして息子(良一君)の5日間の修羅場が幕を開ける。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

孤独死した父の後始末を全て1人でやった私には共感ばかりの内容でした。お二人の奮闘ドタバタ劇がおもしろかった!

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて村井理子氏の本を
職場の方に
勧められて読んだのがこの本
それから大ファンになった!

2020年夏頃に読んだかな?
感想は書いていなかった(T ^ T)

嬉しい映画化の大ニュースを聞いて
久しぶりにまた無性に読みたくなった

どうしたら
こんな心情になるのだろうか

憎んでも受け入れる

肉親に良い感情がないワタシには
こんな気持ちになる日が来るかな( ; ; )

P166 エピローグより

五十四歳のオオカミおじさんは、
本当に助けが必要なとき、
この世でたった一人の
妹に手を差し伸べられることなく、
誰にも看取られないまま死んでいった。

オオカミが来た!と
いう精いっぱいの声は、
妹の耳には最後まで届かなかった。

誰よりもさみしがり屋の
オオカミおじさんは
たくさんの荷物と
わずかな思い出を残して、
駆け足の人生を終えた。

オダギリジョーさんが兄♪( ´▽`)
柴咲コウさんが村井理子氏(^-^ )
満島ひかりさんが加奈子さん(^^)v

素敵!
豪華すぎる╰(*´︶`*)╯♡
原作がどんな映画になるのか?
楽しみ!早く観たい!

何度読んでも良き╰(*´︶`*)╯♡

0
2025年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

村井さんは泣かない。
叔母さん、息子良一くん、娘まりなちゃん、元妻加奈子ちゃん、みんなお兄さんとの別れの場でそれぞれ涙していたような描写があるけど、村井さんだけは涙をこぼさない。その代わり村井さんは記録している。乾いた眼で。それが村井さんの弔いだ。

私の親戚にも、お兄さんみたいな人がいた。結婚して子どももいたけどアルコールに溺れて天涯孤独になり、汚れたアパートを残して、50代の若さで急死した。周りの人たちは悲しんでいたけれど、同時に「事故を起こして誰かを巻き込むのではなく、ひとりで逝ってよかったのかもしれない」という声も上がった。そんな親戚を見ていたので、村井さんの気持ちも少しわかる。お兄さんの死につきまとう、やるせなさと悲しみと、怒りと、そして途方もない安堵。
お兄さんの人生を肯定する誰かに自分がなろうと村井さんが決意する結末には痺れる。こんなに深い許しが、他にあるだろうか。

0
2025年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絶縁してた兄が突然死し、その後始末についてまとめた本。

時系列順になっており読みやすい。

急病で亡くなってしまった兄についてだけど…
乱暴で嘘つきで人間関係のトラブルが多く身内に借金をして、妹に絶縁されるような男性が2度も結婚して(うち少なくとも2度目の奥さんはかなりの美人)計4人も子供がいるという事実に打ちのめされた。笑

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実家を離れ各地を放浪した著者の兄が、なぜか遠く離れた宮城県のアパートでゴミ屋敷状態で急死した。不仲であった妹(著者)と元妻らと、兄の小学生の息子の手続きや片付けなどに取り組むが……

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2025年08月18日

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