【感想・ネタバレ】意識のリボンのレビュー

あらすじ

母親を亡くした二十代の「私」は、「絶対に長生きするからね」と父に誓ったのに、交通事故に遭ってしまう。激痛の嵐の中、目を開けると二メートルほど下に自分の身体を見下ろしていて……。表題作ほか、姉妹、妻、母親――様々な女たちの視線から世界を切り取り、人生を肯定するあたたかさを感じさせる。著者新境地の全八編の短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

綿矢りさの短編小説集、私小説と言えばいいのか?中には主人公を男性にしてフィクション感を出している掌編もあるが、限りなくエッセイに近いと思える作品が多い。

例えば冒頭作の「岩盤浴にて」なんて、掘り下げる深さと位置が面白くて一線を画しているが、一つ間違えたら日常系コミックとかに出てきそうな話。
表題作にして収録最後の作品である「意識のリボン」は、死後の世界観があるので小説風味は高いが、エッセイに寄せた表現で書かれていて、それが独特の雰囲気を出している。

意識があって外界があるという順番なんだろうな。勿論現実が内面に作用する事実はあるにせよ、主観的には自分の意識が、外の世界に対する感じ方を変えていく感触はすごく良く分かる。

「俺はそうじゃないなぁ」と感じる描写もちょいちょいあったけど、そこは個性差。それも含めて結構考えさせられる1冊だった。薄さの割に読後感は結構ボリューミーである。

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2024年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

例えが秀逸で、エッジの効いた文章を書く人。短編集は初めて読んだ。短いながらもそれぞれの人生が切り取られていて続きが読みたくなってしまう。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エッセイかと思うほど、リアルで感情移入してしまう。
短編集ではあるが、女性の不安に思う感情に寄り添ってくれる優しい小説だった。
最後の短編「意識のリボン」では、生死を彷徨う事故により心の余裕を得た主人公がいた。私もせかせかせず、広い心を持って人に接したい。のにそれができていない‥

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2022年06月24日

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