【感想・ネタバレ】ハイパーハードボイルドグルメリポートのレビュー

あらすじ

テレビ東京で不定期放送されるカルト的な人気番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。“ほかじゃありえない”内容が話題の同番組を企画・取材・演出までほぼ一人で手がけたプロデューサー・上出遼平氏の初著書。番組内に収まりきらない世界の現実を「人が食う」姿を通じて描く。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

元々番組を観ていて、好きな番組だったけど本も出たというので読んでみた。とても興味深い内容ではあったし、大変な環境を生きる人々の現状が垣間見えるのはジャーナリズムとしても意義深いことだとは思うけど、なんていうかな。生まれる土地は選べない悲しさというか、そういうことを思ったりもした。特にスカベンジャーの回はかなりつらいものがあった。年端も行かない子供がシンナー吸ってるのとかね。先進国の少子高齢化が進む中で発展途上国ではどんどん子供を産んでいるみたいだけど、この先世界の人口動態はどうなっていくんだろうな、とも思った。

一番印象的だったのは、ロシアのカルト宗教の話。ミッドサマーっぽい風景にぎょっとしたけど、中にいる人はそんなに狂っているようにも見えず、そんなもんなんだなと思った。まあ、元いた住民が追い出されたりとか、色々あったみたいだし、不満を抱えている子どももいそうだったけど。それこそ、「生まれる場所は選べない」の一例だね。
身の回りのことも社会のことも、とにかく色んな事に思いを馳せがちなこの世では、誰か(=教祖)に代わりに悩んでもらうっていうのは確かに肩の荷が降りて楽になりそうだなと思った。次々に降ってくる決断と選択の嵐から自分を守ってくれる存在は心地よいだろう。まあ自分はああいう村社会は向いていないと思うし、お肉も食べたいしお酒も飲みたいので入信はしないけど、合う人には合うんだろうな~と思う。
まあでも、わざわざ宗教に入らなくたって自分の判断を他人に寄託してる人なんかいっぱいいるよな。ネットニュースの意見に引っ張られる人とかさ。あと急病の場合は病院に行くって言ってたけど、急病じゃなくても持病が発生したらどうするのかなと思った。健康なうちはお金がなくても暮らせるだろうけど、力仕事もたくさんあるから、いくら助け合いの文化があったとて、元気なうちしか暮らせない生活モデルじゃないのかな~と思った。

にしても、本にはプロデューサーたる筆者の気持ちやより詳細な話がありありと描かれているだけに、ロケの壮絶さが手に取るようにわかる。コーディネーターもよくついてきてくれるな!って感じ。いつ殺されてもおかしくないし、奥さんはどんな気持ちで家で待ってるんだろう?と思った。
番組を観たのは結構前で、そんなに激しく「このロケ大変だな~」と思った覚えはないんだけど、本では臭気や恐怖や興奮や、筆者の感じた感情がモロに描かれているから、映像で描かれている本編よりもむしろ本の方が見ごたえがある感じがした。でも「この人本編で見たな~」っていう記憶の補完が功を奏した部分も大いにあるから、映像版も併せて観た方が良いとは思う。
あと『食』をテーマに番組を作るくらいだから、上出さんは元々食べるのが好きな人なのかもしれないけど、食レポがとても上手。身体に良さそうなものは全然出てこないけど、野生的なおいしさが想像できる。本編はあんまり味の感想とかはなかったような……(覚えてない)と思うから、そこも読みごたえがあった。500pくらいあるけど読みやすいし、かなりおすすめ。

0
2025年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか面白かった。リベリアとケニアの話が特に好きだ。フィクションみたいな世界がアフリカには転がっていることを再認識した。
カミデさんみたいなは人がいるから僕はこういった知見を得られるわけだけれど、本人はよく行く気になるよな、と感心する。

0
2023年05月25日

「ノンフィクション」ランキング