あらすじ
人生で最も役に立つのは、達人が明かす極意です。本書は60の極意から成っています。
人は人生において、二つの大きな転換期を迎えます。一つ目は45歳の人生の折り返し地点です。そこで重要なのは「知的再武装」をすることです。「知的再武装」はよりよく生き、よりよく死んでいくための、人生の必須課題です。では、「知的再武装」で、何をどう学ぶべきか。その点について、二人の勉強の達人が、秘中の策を惜しげもなく教えてくれる。時間は有限な財産であるから、そこでやってはいけないこともある。それは何なのかも明言してくれます。もちろん、稀代の読書家の二人なので、厳選した読むべき書籍も推薦してくれます。二人が提案するのは、学び直しに当たって、何を準備すればいいのか、いかにして継続させるのかです。映画・小説は当然のこととして、時代劇ですら、どうすれば勉強の対象になるかを開陳してくれます。
二つ目に重要なのは、60もしくは65歳で定年を迎えてからです。実は、ここに人生の最大の正念場が待ち構えています。それを「60の壁」と二人は呼びます。ここでの対処を間違えると、その後の人生はかなり惨憺たるもにしかなりません。会社の再雇用は受けるべきなのかどうか。二人は受けるべきではないとします。そして最大の関門は、家庭です。ビジネスパーソンが家庭に入り込むのがどうして難しいことなのかを本書は明らかにします。それを乗り越えるには三つの対話術があります。定年から95歳までの長い長い第二の人生を、心の健全さを保ちながら生きていくためにどうすればいいのか、本書はその知恵を授けてくれます。
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Posted by ブクログ
毎回、このお二人の対談は身が引きしまる。勉強しようと思う。佐藤さんの言葉を池上さんが分かりやすく嚙み砕く感じが、今までの本と少し違うところかなと思った。だからより読みやすい。
今後も二人の出版物は出ると思うが、自分の頭で考えることと、本を読んで「わかったつもり」にならないことだ。下の引用もあくまでもメモ程度で。これが瞬時に出るようになるまで、常に勉強だと思う。
・自分がこの一年で何をやってきたか、そういう棚卸しが必要。
・自分の限界を知ることと、何を諦めて、何を伸ばすかを見切ることはすごく大事。
・医療保険、介護保険、特養、税金、年金、高額医療費の補助制度の仕組みを知る。また厚生労働省の「一般教育訓練給付金」や「専門実践教育訓練給付金」も知っておく。
・若い人たちは自分のスペックが上がるかどうかに関しては異常に関心がある。
・愚行権はあるが、他者危害排除の原則で、お喋りは周りの人に危害を加えている。人間として非常にカッコ悪い。学校には先生の話を聞きに来ている。
・90分授業で30分はシンプルメッセージのレポート。集中力の問題。
・5回か6回のコースで十何万円で高かったけど、高いだけのことはあった。
・看板をちゃんとした人がやっているものは、内容も値段に比例する。あと、長く続いているところは大丈夫。
・サイバーカスケードの問題。
・語学の習得は基本的に一対一。大学の語学教育がボロボロだからこそ、こういうところが商売になっている。
・iphoneがないときに、どうするか。
・より危ないのは「れいわ」。マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール」。
・筋を通す。人に何かを被せて生き残ろうとする人間は、結局は信頼を失う。
Posted by ブクログ
特に印象に残ったのは、60あるヒントのうち次の6箇所カ所+α。
01 45歳は重要な折り返し地点。45歳までに自分は何をやったのか。そのリスト作りをする。
02 自分がこの1年で何をやってきたか、蓄積したことは何かの、棚卸しをしてみる。
05 根っこがあるところで勝負する(比較優位の原則)。
07 後半の人生で接するかもしれない分野で、異なる業界常識を知っておくー医療保険制度、介護保険制度、特養、税金の仕組み、年金制度、教育訓練給付金。
22 45歳を回ったら新しいことは頭に入らない。最初から自分の頭はザルなんだと自覚する。
25 誰かに話をすることを前提にして、本を読んだり勉強したりする。
52 伝える前に大事なのは相手のことを「聞く力」。対話には型がある。
○落ち着いて勉強できる場所を確保する(p.70)。
○読書ノートをつけて一冊ずつでも読み終わっていけば、達成感は得られる(p.137)。
○勉強法に関して、「天井がある・なし」を縦軸に、「仕事か遊びか」を横軸に取り、4つのマトリクスを作る(p.137)
私たちが不安に思うには「コントロールを失いかけている」という感覚があるから(p.253)。主体性が脅かされているということが問題(情報過多、価値観不安定)。だから、生活のあちこちに入り込んでくる情報(中には脅迫型の宣伝も)を遮断し、限られた時間を好奇心を持って楽しむ。これが、二人が言う「知的再武装」なのだろうと理解した。