あらすじ
漫画家である鈴木旭のもとに、保育士時代の生徒である山本高嶺から手紙が送られてきた。鈴木は、懐かしく想い高嶺と出会い交流を深めていく。高嶺は、母親と離れ、児童養護施設で暮らしていた――。
他人の息子を育てることはできますか? 家族は、血が繋がってなくてもいいですか? 30代独身男と少年の、里親・里子物語。
独身男性は里親になることができるのか…!?
親とは、家族とは!?を考えさせられる物語です。
漫画家の鈴木旭は、元保育士という経歴の持ち主。
彼は保育士当時、雪の日に母親から置き去りにされ、児童相談所に引き取られた山本高嶺くんのことがずっと心残りでした。
そう、その出来事を漫画に描くほどに…。
3年後、そのおかげで漫画を読んだ高嶺くん本人からファンレターが届き、二人は再会を果たすのです!!
母親に捨てられるというショックな出来事があったにも関わらず、高嶺くんは強くしっかりと成長しているように見えましたが、やはり心の奥深くに傷を残していました。
そんなある日、旭は児童福祉士の秋山から「里親制度」の話を聞きます。
旭は「自分が里親になれませんか?」と聞くも、「養育上の親」の条件を満たしていないからムリであると告げられます。
「鈴木さんは山本くんのために生き方を変えられますか?」という秋山の言葉が胸に刺さる旭。
思い悩んでいる旭に担当編集である重松が言った
「誰かのために自分が変わっていくのって案外悪くないよね」
という言葉をキッカケに、旭は高嶺くんのために何ができるかを模索していきます。
自分の周りから人がいなくなることに恐怖をおぼえる高嶺くん。
それでも弱音を吐かずにいる健気さに思わず涙が出ます。
家族じゃないし、友達でもない二人の関係。
全く血の繋がりがないふたりは「家族」になれるのでしょうか…。
いつの日か高嶺くんが救われて欲しい…。その助けに旭がなって欲しい。
そう思わずにはいられません。
感情タグBEST3
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祝完結
第3巻を読んでまた1巻を読み返してみました。改めて色々なことがあって、旭と高嶺くんの関係が深まっていったんだなと思いました。高嶺くんの健気さにはやはり泣けますし、旭の実家に行った時の、彼のお母さんの否定的な態度も印象的でした。この時点では、里親になるのはかなり大変そうでしたが、1巻の最後で、旭が、お母さんが高嶺君を迎えにくるまで一緒に待つ、彼が救われる日まで支え続ける決意をしますが、最終的にそれを実現させたんだなと胸がいっぱいになります。3巻の最後は、駆け足になってしまった感じですが、いい終わり方だったと思います。読んでよかったし、また読み返したい作品です。