【感想・ネタバレ】モーツァルトは「アマデウス」ではないのレビュー

あらすじ

西洋音楽史の常識を覆す、衝撃の真実! モーツァルトは二度「殺された」。今日、「アマデウス」と言えば、多くの音楽ファンが、夭逝した18世紀の天才作曲家・モーツァルトのことを思い浮かべるだろう。しかし当の本人は、生前「アマデウス」と呼ばれたことも、名乗ったことも、まして署名などしたこともなかった。嘘だと思うなら、本書をご一読いただきたい。モーツァルトは、ある時期から自筆の楽譜に「アマデーオ」と、書簡の類には「アマデ」とサインし、その名を死ぬまで大切に使い続けた。それはなぜか。なぜなら、それはモーツァルトにとって唯一の宝であり、自身を支える矜持だったからだ。にもかかわらず、生涯大切にした最愛の名前を、死後、誰が何のためにモーツァルトから引き剥がし、似て非なる「アマデウス」に改竄してしまったのか……。著者は、不遇のうちに35年の短い生涯を終えた天才の渇望と苦悩に寄り添いながら、その謎を解き明かし、さらに西洋音楽史の欺瞞にも切り込んでいく。

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Posted by ブクログ

面白い人には,とっても面白い本だと思うけど,興味がない人にはまったくつまらないだろう.文章はくせのない平易な文体で構成もしっかりしていて,よかった.

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2021年10月23日

Posted by ブクログ

あっという間に読み終えた。モーツァルトが不遇であり続けながら、それでもへこたれず名曲を生んだのは、何が彼のモチベーションだったのだろう。アマデウスという言葉からドイツへの嫌悪感、というか人との関わり合いが下手?というか負けん気があの優れた名曲を作り上げたかと思うと不思議な気がする

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2020年03月07日

Posted by ブクログ

モーツァルトは生前「アマデウス」と名乗ったことも署名したこともないということは、著者が2004年に出版した「反音楽史」に既に書いていたが、今回はそれをメインテーマとして、新たなモーツァルト像を描くことを試みた本と言える。

著者が本書を書いたのは89歳の時で、高齢にも関わらずこれだけの文章を書くのは立派である。また、文章の面白さはさすがで、数十年前の頃の文体と変わることなく面白く読めた。
だが、モーツァルトはアマデウスと署名したことも、名乗ったことはないということが何度も出てきて、重複・交錯するため、構成がごちゃごちゃしている感もあった。

サリエリによる毒殺説は、近年では大多数が否定的立場を取っているが、本書では肯定するような書き方をしている。それが、面白さを優先させるためにそうしたのか、あるいは本心からそう思うようになったのか(かつては石井氏も否定していた)が気になる所である。

新書なので、門外漢も手に取ることがあるかもしれないが、これはモーツァルト入門書では決してない。モーツァルトの評伝を何冊か読んでいないと、偏ったモーツァルト像を形成しそうである。モーツァルト・ファンにはお勧めである。

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2024年08月16日

Posted by ブクログ

映画『アマデウス』によって、モーツァルトの名前は“ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト”とぼくの頭にインプットされてしまったので、今更“それは違う”というタイトルの本書を見て目が点になった。種を明かせば、生前モーツァルトはアマデーオ(もしくはアマデ)という名を使っており、アマデウスという名は彼の死後から使われるようになったらしい。なぜそうなったかは、本書を読んで納得できた。映画とは異なる本当のモーツァルトの姿がわかった気がする。

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2020年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

刺激的なタイトルの問いを軸にモーツァルトの生涯を追う。冒頭の謎の提示はたしかに興味がそそられるけれど、中盤以降はちょっと長いなあと感じたのでした。昔も今も人間は変わらなくて、もてはやされればそれを羨む人が出てくるし、才能があるがゆえに孤独を感じてしまう。結局、ドイツという国の対面を守りたいと考えた人たちのせいで「アマデ」ではなく「アマデウス」になった。

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2020年04月18日

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