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西洋音楽史の常識を覆す、衝撃の真実! モーツァルトは二度「殺された」。今日、「アマデウス」と言えば、多くの音楽ファンが、夭逝した18世紀の天才作曲家・モーツァルトのことを思い浮かべるだろう。しかし当の本人は、生前「アマデウス」と呼ばれたことも、名乗ったことも、まして署名などしたこともなかった。嘘だと思うなら、本書をご一読いただきたい。モーツァルトは、ある時期から自筆の楽譜に「アマデーオ」と、書簡の類には「アマデ」とサインし、その名を死ぬまで大切に使い続けた。それはなぜか。なぜなら、それはモーツァルトにとって唯一の宝であり、自身を支える矜持だったからだ。にもかかわらず、生涯大切にした最愛の名前を、死後、誰が何のためにモーツァルトから引き剥がし、似て非なる「アマデウス」に改竄してしまったのか……。著者は、不遇のうちに35年の短い生涯を終えた天才の渇望と苦悩に寄り添いながら、その謎を解き明かし、さらに西洋音楽史の欺瞞にも切り込んでいく。
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Posted by ブクログ
モーツァルトは生前「アマデウス」と名乗ったことも署名したこともないということは、著者が2004年に出版した「反音楽史」に既に書いていたが、今回はそれをメインテーマとして、新たなモーツァルト像を描くことを試みた本と言える。
著者が本書を書いたのは89歳の時で、高齢にも関わらずこれだけの文章を書くのは立派である。また、文章の面白さはさすがで、数十年前の頃の文体と変わることなく面白く読めた。
だが、モーツァルトはアマデウスと署名したことも、名乗ったことはないということが何度も出てきて、重複・交錯するため、構成がごちゃごちゃしている感もあった。
サリエリによる毒殺説は、近年では大多数が否定的立場を取っているが、本書では肯定するような書き方をしている。それが、面白さを優先させるためにそうしたのか、あるいは本心からそう思うようになったのか(かつては石井氏も否定していた)が気になる所である。
新書なので、門外漢も手に取ることがあるかもしれないが、これはモーツァルト入門書では決してない。モーツァルトの評伝を何冊か読んでいないと、偏ったモーツァルト像を形成しそうである。モーツァルト・ファンにはお勧めである。
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