あらすじ
消えた修道女をさがしてほしい――マロリーのもとに一件の訴えが持ちこまれる。驚いたことに、同じころ、彼女の甥と思われる盲目の少年が姿を消していた。そして数日後、修道女は意外なところで発見される。元投資ブローカーである市長の官邸の正面階段下に置かれた四体の死体、その中に彼女もいたのだ。四人の被害者につながりは見つからない。市長に恨みをもつ者の仕業か? 一方、消えた少年は一人の男に囚われていた。盲目の少年に脱出の機会はあるのか。初期の名作を彷彿とさせる、心を打つラストが印象的な、マロリー・シリーズ最新作登場。
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Posted by ブクログ
「キャシー・マロリー」シリーズ。
おかえり、マロリー。
感情移入が出来ないと思いながら読み続けてきたこのシリーズだが、
冷徹で頑固で愛を受け入れないマロリーを、
とうとう懐かしく思うまでになってきた。
修道女とその甥である盲目の少年が姿を消す。
少女時代のマロリーを知る神父が修道女の消息を探すよう、
マロリーに頼みに来る。
だが、残念ながら彼女の遺体は、市長の官邸の庭で発見される。
他の三体の遺体と一緒に。
マロリーの独善的な捜査は相変わらずで、
枢機卿が来ていると嘘をついて、
告解室で修道院長の事情聴取(?)をしたりしていた。
それゆえ、少女の頃、相棒のライカ―を脅した後に、
仲直りの贈り物としてデスクにピーナッツの袋を置いた、
という話がかわいらしく思えたくらいだ。
一人息子を亡くした母親が、
犯人に囚われている少年を助けるために、
自分の息子の墓を暴かないといけないと判っていながら、
少年を助けるよう、マロリーに叫ぶ場面は印象的だった。
ようやく、なじんできたと思ったのに、
この後の作品は現在のところ書かれていないらしい。
残念。