あらすじ
「わび・さび」「数寄」「まねび」……この国の<深い魅力>を解読する!
独自の方法論で日本文化の本質を見通す「松岡日本論」の集大成!
お米のこと、客神、仮名の役割、神仏習合の秘密、「すさび」や「粋」の感覚のこと、「まねび」と日本の教育……断言しますが、日本文化は廃コンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があるのです。(「はじめに」より)
<本書のおもな内容>
・なぜ日本はヤマトと呼ばれるのか
・神さまをカミと呼ぶようになった理由
・日本人のコメ信仰にひそむ背景
・日本人が「都落ち」にダンディズムを感じる理由
・日本人が七五調の拍子を好むわけ
・世阿弥が必要と考えた「物学」の心
・今の時代に求められる「バサラ」と「かぶき者」
・「伊達」「粋」「通」はなぜ生まれたのか ほか
<本書の構成>
第一講:柱を立てる
第二講:和漢の境をまたぐ
第三講:イノリとミノリ
第四講:神と仏の習合
第五講:和する/荒ぶる
第六講:漂泊と辺境
第七講:型・間・拍子
第八講:小さきもの
第九講:まねび/まなび
第一〇講:或るおおもと
第一一講:かぶいて候
第一二講:市と庭
第一三講:ナリフリかまう
第一四講:ニュースとお笑い
第一五講:経世済民
第一六講:面影を編集する
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Posted by ブクログ
日本文化
ハイコンテキスト(以心伝心)で
一見わかりにくいと見える文脈や表現に真骨頂
柱=神々 :客神
産霊(ムス ビ)
「稲・鉄・漢字」の伝来 →漢和リミックス
紀貫之 土佐日記
仮想トランスジェンダー 仮名
→枕草子、源氏物語へ
しつらい・もてなし・ふるまい
多神多仏
七福神
恵比寿:日本の漁業の神
大黒天:ヒンドゥー教のシヴァ神
福禄寿:道教の神
毘沙門天:仏教の四天王 ・・・
侘び≒詫び
寂び≒荒び(すさび)≒遊び:夢中な状態→数寄=好き
小さきもの
ポケモン、かぐや姫、一寸法師、桃太郎、根付、
コギャル
メディアとしての器、器用と器量
貨幣
弊=神への捧げもの →賽銭 銭を洗う
日本の情報文化 ニュースと笑い
わかりやすさ 編集力の低下
(情報=編集されたもの)
日本=システムなきシステム
「権力中枢の不在を補うシステム」
おもかげとうつろい
記憶の中の面影を編集し情報化し編集を加えていった
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 柱を立てる~古代日本の共同体の原点「柱の文化」から話を始めよう。
第2章 和漢の境をまたぐ~「中国語のリミックス」で日本文化が花開いた。
第3章 イノリとミノリ~日本人にとって大切な「コメ信仰」をめぐる。
第4章 神と仏の習合~寛容なのか、無宗教なのか。「多神多仏」の不思議な国。
第5章 和する/荒ぶる~アマテラスとスサノオに始まる「和」の起源。
第6章 漂白と辺境~日本人はどうして「都落ち」に哀愁を感じるのか。
第7章 型・間・拍子~間と「五七」の拍子にひそむ謎。
第8章 小さきもの~一寸法師からポケモンまで。「日本的ミニマリズム」の秘密。
第9章 まねび/まなび~世阿弥が説く学びの本質。現在日本の教育に足りないこと。
第10章 或るおおもと~公家・武家・家元。ブランドとしての「家」について。
第11章 かぶいて候~いまの日本社会に足りない「バサラ」の心意気。
第12章 市と庭~「庭」「お金」「支払い」に込められた日本社会の意外性。
第13章 ナリフリかまう~「粋」と「いなせ」に見るコードとモードの文化。
第14講 ニュースとお笑い~「いいね」文化の摩滅。情報の編集力を再考する。
第15講 経世済民~日本を語るために、「経済」と「景気」のルーツをたどる。
第16講 面影を編集する~一途で多様な日本。「微妙で截然とした日本」へ。
<内容>
日本とは何か?この辺境にある国が、世界の他の地域とは少し違った生き方をしてきた、そしてそれ故に今の地位を築いてきたのはなぜか?「日本文化」を常に考えている著者の、ある意味集大成な本。章立てを見ればわかるように、「キーワード」が並ぶ。そこから意外な展開を見せつつ、ちゃんと着地する。溢れるような知識が適所にちりばめられ、読めば納得する論を展開する。
授業で、単純に文化史を語るのではなく、現代の日本人につながる視点を意識したいと思った。
Posted by ブクログ
たたら
もののけ姫など
最初の黒船=中国
「稲・鉄・漢字」
林屋辰三郎『日本の古代文化』
「日本の古代働きながら柱の文化であり、中世は間の文化であった」
神さま→「御柱」
伊勢神宮や出雲大社その他の神社では、真柱そのものが神々です。
…山車だしや山鉾やまぼこでも、その中心を柱が担う
…「どんど焼き」や「ぼんてんさま」も高い柱になっている。
…日本家屋では(特に農家では)、必ず大黒柱が中心にありました。
[中世以降に出現する床の間にも床柱]
立てる文化
村立て国立て 身を立て志を立て
=「結界を立てる」
日本の神は「客神」
日本神話の冒頭は「結び」が重視
「地鎮祭」
産土うぶすな 産屋
神主による魂振り
マザーカントリー
漢字を大和言葉に当てはめる革命
賀茂真淵・本居宣長による「中国離れ」
この後の文明開花
アジアの稲ジャポニカかインディカ
祭りの文法「神迎え・神送り」
ハレ=晴れ ケ=褻
柳田国男 ハレ=殊 ケ=常
宗教社会学 ハレ=聖 ケ=俗
餅と白鳥伝説
数奇 好き 梳るくしけずる
東下り 路線バスの旅のルーツ
かぐや姫 一寸法師
ポケモン たまごっち
柳田国男『桃太郎の誕生』
小さ子という伝承形態
石田英一郎『桃太郎の母』
スクナヒコナ
lesser art minimalism
芥川龍之介の卒論はモリス
レフ・ヴィゴツキー
バサラっぽい 歌舞伎っぽい
P.242〜
小松和彦『経済の誕生』『神々の精神史』