あらすじ
関ヶ原の決戦を制した徳川家康は征夷大将軍となり、江戸幕府を開いた。その職をわずか二年で秀忠に譲るが、駿府城に移ったのちも実権を掌握。多彩なブレーンを活用して、御三家の創設、諸大名や朝廷の統制、対外関係の再構築など、政権基盤の強化に努めた。他方では最大の脅威である豊臣家を滅亡へと追い込んでいく。大坂の陣終結の翌年に没するまで十一年にわたった大御所政治を辿り、幕藩体制成立の過程を明らかにする。
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Posted by ブクログ
征夷大将軍を譲ったのち大御所として実権を掌握、幕藩体制の基盤強化に努めた11年間をたどる一冊。御三家や外交については次代以降の動向にもやや詳しい。関係する文学作品についての章末コラムも面白い。
Posted by ブクログ
大御所政治の実態を知ろうと思ったけれど、本書
からは徳川家の成立(御三家や幕末の水戸藩まで)
と家康の人生をなぞるだけで、知りたいことが分
からなかった(´・ω・`)
死ぬ寸前に太政大臣に就くことを求めて、朝廷に
願い出て(三日半で着いた)翌日に勅許が下され
任官最短記録を樹立した
2025.6.1再読
歴史的事実を丁寧にまとめ、家康の大御所としての影響力を理解する上では良い本ですが、秀忠との役割分担や両者の連携の細かなダイナミクスを期待すると、少し物足りない
Posted by ブクログ
2023年の大河ドラマに徳川家康が主役の作品が決まったことを受け、改めて家康関連の本をいろいろ読んでみたいと思い、偶然見つけた一冊。
家康の生涯を振り替える際は、関ヶ原の戦いから将軍に征夷大将軍になり、江戸幕府を開くあたりをピークに語られることが多いため、その後2年で将軍職を譲り、亡くなるまでの期間は詳細に語られていない印象です。
本書は、将軍就任から辞職、天下普請による各所での築城、御三家の成立、朝鮮出兵で壊れた外交の再建、大坂の陣、そして亡くなる直前の動きなど、非常に細かい資料を調査し、解説しており、かなり濃い内容となっています。
これまで知られてこなかった晩年の生涯を知ることができ、納得の内容になっています。また、各章の末にコラムとして、その章にまつわる歴史小説を紹介していますので、時間があれば読んでみたいと思います。
<目次>
第1章 大御所政治の前提
第2章 大御所政治の幕開け
第3章 御三家の成立
第4章 水戸藩の立場
第5章 国際環境とキリシタン
第6章 外交関係の再構築
第7章 大坂城包囲網の形成
第8章 豊臣家滅亡への道
第9章 神に祀られた家康
第10章 大御所政治の遺産