あらすじ
東京の地下鉄廃線跡に、潜む集団の目的とは? 著者が初めて挑む「鉄道」ミステリー。鉄道マニアの公務員、小日向はある日、趣味が高じて、廃駅となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで思いがけず出会ったのは、地下空間で暮らす謎の集団。身柄を拘束された小日向に、彼らは政府の「ある事情」により、地下で生活していると明かす。その地下空間で起こる殺人事件。彼らを互いにマークする捜査一課と公安の対立も絡み、小日向は事件に巻き込まれていく。著者デビュー10周年記念、12ヶ月連続刊行企画第2弾。
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Posted by ブクログ
廃駅オタクの主人公が、銀座線の廃駅のさらに奥深くへと足を踏み入れると、そこには約100人の人間がひっそりと暮らす巨大な地下コミュニティが存在していた。彼らは過去に福井県の原子力発電所で起きた事故によって被曝し、その後遺症により「色素性乾皮症」という難病を発症した被害者たちだった。極端に紫外線に弱く、日の光を浴びることができなくなった彼らは地上を追われ、闇の中でしか生きられなくなっていた。
物語は、この閉ざされた地下世界で住人の一人が殺害されるところから大きく動き出す。しかも、殺された男の正体は身分を偽って潜入していた「公安警察の刑事」だった。国策である原発推進の妨げとなり、国家の隠蔽工作の生き証人でもある彼らを、公安は「反政府的な危険分子」と見なし、抹殺のための刺客として刑事を送り込んでいたのだ。そして皮肉なことにその刑事が殺害されたことが大義名分となり、警察が地下コミュニティへ本格的に介入・弾圧を行う絶好の口実を与えてしまう展開だった。
国家の隠蔽工作と地下空間での殺人事件が絡み合うストーリー自体は、非常に面白く引き込まれた。ただ、個人的には東京の土地勘に乏しいため、作中で描写される駅の位置関係や地下の繋がりについて、直感的にピンとこない部分があったのは少し惜しかった。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
鉄オタの中でも廃駅オタクの主人公が偶然見つけた廃駅に住む人達。なぜそこに住んでいるのか、そしてそこで起きた殺人事件。
今回もミステリー性というよりは、ストーリーとして面白かった。
主人公の鉄オタの知識が総動員された逃亡劇と、同僚せおさんの活躍が熱かった!
Posted by ブクログ
★4.5
被爆により皮膚疾患を持つ100人が住む廃駅。
自由と生どちらを手に入れるか。
毎日満員電車に乗って通勤する、仕事して帰る、朝が来てまた通勤する。
当たり前の生活をしているだけでは気づけないことを教えて貰った気がする。
Posted by ブクログ
発想が突飛すぎると酷評もされる本作だが、「地下の住民」たちの生活が、原発事故の被害者であり、政府の隠蔽工作を無理強いさせられたことに端を発していることで国や政治の勝手さを実感させる内容となっていて、主人公の地上での「生活保護受給者の申請の審査」という仕事の無慈悲さとの類似性も相まっておもしろい。ただ、主人公のみならず同僚や地下住民たちが損得勘定抜きで全員が正義感ありの自己犠牲の精神を持っていたり、たまたま鉄道マニアの集まりの中に味方になってくれる警察がいたりなど都合が良過ぎる部分がちらほらあった。しかしそういうところの助けもあってか後半からのスピード感は読んでいて心地よかった。
Posted by ブクログ
サスペンスかホラーかメルヘンか。
登場人物もストーリー展開も総じて薄っぺらい。地下鉄廃駅に人が住んでいるという都市伝説的設定を活かすことが出来なかった。