あらすじ
――俺からあなたを取り上げないでくれ……
家族を惨殺され、復讐の鬼と化した亡国の王子ルシアノ。
悪の限りを尽くし、ついには敵国の女王アラナのもとにたどり着く。
だが彼女は命乞いをするどころか、自身の死を願っていた。
興を削がれたルシアノは、強引にアラナを抱き、苦しませようとする。
しかし、ともに過ごすうち、憎しみは執着へと変わり、彼女との未来を望むようになり……。
彼女を生かすのは復讐のため。
そう言い訳をしつつアラナに溺れるルシアノだが、彼女は依然として死を望んでいて……。
復讐に狂う王子×死にたがりの女王、凄惨な過去に囚われたふたりの行く末は――!?
【目次】
序章
一章
二章
三章
四章
五章
六章
七章
八章
九章
十章
終章
あとがき
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悪人の恋
すごく良かったです。
ルシアノもアラナも境遇が不幸すぎて震えましたが、その分少しずつお互いがかけがえない存在になっていく過程がとても感動的でした。
世話焼きお兄ちゃんなルシアノ素敵だったし、アラナはこれから彼に愛されること愛することを教えてもらうんだろうなと思わせてくれるラストがとても良かったです。
読み応えめちゃくちゃあって大満足。
また読みたい一冊でした。
はぁぁぁー 満足。
いやぁ、死にたがりの真相は深かった。
王子の長年の恨みの根深さ、ヒロインのとことん死に急ぐ行動、食事面、徹底してる。深い。
王配たちを助けただけでも成り立つ過去だったのに、終盤の薬師の裏話はクル!!泣くわ。もーね、そりゃ後悔するし泣くって王配様。追い打ち感最高。焦燥感ハンパなく伝わった。女王様もブレなくて最高。他のTLは途中ヒロインのグラグラ感が漏れるけど、コレは堪えて貫き通したのが最高。
個人的にはヒロインが直ぐグラつくストーリーが多いTLが嫌いなので、めっちゃ良かった。王配の復讐の裁きにグロさが目立つと嫌なんだけどそっち方面には最低限で、でも要所で腹立つ事(ヒロインの親と兄ね)にはやっちゃうってヤツ。スッキリもした。(最後の方ね)
もう一声、ほんとに満足したかったのは、最後のストーリー。もう少し幸せになってよかったね!身体が丈夫になった話なり、さらにはおめでたなり、欲しかった!!
悲劇の主人公のハッピーエンド
ヒーローとヒロインが結構残酷な目に合っていて、個人的にはそれがちょっと受け付けない感がありましたが、悲劇の分、愛を見つけた二人のハッピーエンドに救いがあって、好きでした。
王女の幼馴染が、あまりにあっさり王女をあきらめてしまうのに、肩透かしを食らった感はあるけれど、ヒーローが手をかけて、ゆっくりヒロインの生きる意志を取り戻していく描写に、心がときめきました。
内容には大満足
もともと荷鴣さんの作品にすごく興味を持っており、ちょうどいいタイミングだったので、購入しました。
ソーニャ文庫のカラーに合った"歪んだ愛"がメインですが、そこに至るまでのプロセス、スタート時点からの心情変化が丁寧に描かれているので、すごくヒロイン・ヒーローそれぞれの立場に感情移入でき、すごく読み応えがありました。
それはそうと最初、ミレイアがあったという『黒髪の子』はお菓子を持っていた彼のほうかと思いましたが、彼女だったのですね。
残念だったなと思ったのは会話の記法がわかりにくく、回想シーンがとても多いことです。
前者は「二カ国語を話せる」ということが肝になってるので仕方ないですが、いきなり〈〉で括られた部分が出てきて脳内が少しパニックになりました。
後者は女性向けノベルとしては大満足ですが、単巻の大人向け作品としてはもっと濡れ場があってもよかったかなと思いました。欲を言うと二人の後日談が読みたいです。せっかくなので、カリスト君にも幸せな恋を見つけてほしいです。