あらすじ
死刑判決を免れた殺人犯の家族が次々と殺されていく――。
驚愕の結末待ち受ける社会派ミステリ!
死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が犠牲となる連続殺人事件が発生。
殺害現場に残されていたのは、ギリシャ神話に登場する「義憤」の女神“ネメシス”の血文字。
『テミスの剣』の渡瀬刑事が謎を追う。
事件は遺族による加害者への復讐か、はたまた司法制度への挑戦か?
“ネメシス”の真の狙いとは!?
〈ドンデン返しの帝王〉が司法システムと死刑制度の矛盾に正面から挑む傑作社会派ミステリ!
解説・宇田川拓也
※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
死刑とは何か?判決が出るとどうなるのか?無期懲役との違いは?どちらが厳しい罰なのか。なぜ死刑は執行されないのか?
被害者の親族はどうなるのか?
加害者の親族はどうなるのか?
どんでん返しはさすがでした。ネメシスの使者ではないなんて、唖然。
ぜひ刑法を学ぶ学生に読んでほしい。決して死刑制度について偏った内容にはなっていないので。
条文、判例、通説、有力説だけ機械的に勉強して、多くの法曹や国家公務員が誕生する恐ろしさが背景にあるのではないかと考えてしまいました。
死刑を考えるためには、無期を含む懲役刑の現実を知ることも必要なのでしょう。再犯をする人もいれば、そうでない人もいる。割合で語るのもむずかしそうです。
Posted by ブクログ
残虐な殺人をしたが、
死刑判決を免れた者たちの家族が次々と殺される。
犯人は「ネメシス」(義憤)を名乗り、人々の不安を煽る。
渡瀬警部と古手川巡査長が事件解決に挑む。
犯人は検察庁の次席検事の事務官「横山潤一郎」
若干20代の将来有望な人材は
学生時代に付き合っていた彼女を無惨にも殺され、
捕まった犯人の判決も無期懲役になったことに憤慨する。
「司法で裁けないなら自身が裁く」と復讐を決意。
それまでの勉強実績を捨て、検察庁に入庁し,
どうやったら死刑を回避しつつ無期懲役判決を出せるか?
さらに憎む相手とどうやったら同じ刑務所に収容されるか?
憎っくき殺人鬼を自らの手で断罪する為、
綿密な計画を実行する。
伏線だらけのワクワク感満載。
Posted by ブクログ
中山七里作品
死刑制度をテーマに渡瀬や岬検事が活躍する。
どうオチをもってくるかと思っていたが、さすがのどんでん返し、岬検事は少し可哀想だったが、犯人の気持ちもわからなくはない
Posted by ブクログ
犯罪者とその家族、
被害者と被害者家族
被害者家族が罪を犯した者へ真に望むことは。
言葉をかえれば、どうしたら少しでも救われるのか。
深く深く考えるが、答えは出ない。
横山のような考えもあるだろうし、渋沢裁判官のような考えももちろんあるだろう。
両者に共通すること、人を憎んで憎んで憎んで希望や喜びを失って生きるのは死ぬより辛いことであろう。
この本は、以前の渡瀬刑事の冤罪事件の「テミスの剣」と対照的な内容。
両方とも深く考えさせられる。
Posted by ブクログ
初中山七里作品。
社会派ミステリーはその題材を上手く扱えていないものが多い気がするけど、しっかりと死刑制度について考えさせられる内容だった。
被害者遺族の怒りや悲しみは読んでいて苦しくなった。
法曹界の描写も細かくて全く違う世界を垣間見れて良かった。
最後の展開にはもっと前の段階で気付く人が多いのかも知れないけど、渡瀬警部の前振りで本当の目的に気付いた時はゾクっと出来た。
しかし温情判事は嫌な人間だし、共感できなかった。「法廷は復讐の場ではない」とするなら、手前勝手な思想で「牢屋で生き続ける方が苦しむ」と考えて死刑判決を出さないのは矛盾では?
懲役の苦しみに関する話はあったけど、実際に死刑を逃れた懲役囚達が苦しんでいるようには見えなかったし….
警部や検事の人物像は良かった。
他作品もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
負はこうやって連鎖していくのかと複雑な感情になった。憎しみが突き動かす力は、誰かの人生を簡単に壊してしまうほど絶大で脆い。
死刑と無期懲役の捉え方、日本の司法制度の加害者への甘さ、被害者と加害者家族への必要以上の負の影響、被害者や関係者のやり切れない感情の吐き所など、考えさせられることが多かった。
Posted by ブクログ
日本人というのは少し極端な気がする。右が駄目だと言われれば左、左が駄目だと言われれば右。極端から極端に動く。感情ばかりが先に立って、冷静な判断ができないからだろう。
日本人ととしては分からないけど、思い当たる節が多い
Posted by ブクログ
友人からもらった小説です。
普段はあまり手に取らないテーマのお話なので、もしかしたら友人からプレゼントされなければ読まなかったかもしれないと思うと、出逢いに感謝。また、プレゼントしてもらったからこそ、記憶に残る本になりました。
正直な感想…
あっさり犯人が捕まってしまったのと渡瀬が納得いかないという描写から、何かしらはあるのだろうと思っていたので、なんとなくどんでん返しを喰らった感じはしませんでした。
しかし、あまり司法制度に目を向けることがないので、初めて司法について考えさせられました。被害者遺族への不憫さ、加害者遺族への同情に翻弄され、法治国家に対する違和感を少し感じながらも、最後の渋沢判事の言葉に納得したような…答えが出ないから答えを先延ばしするような、目を逸らすような気持ちです。
凛とした人間である渡瀬がとても素敵だと思いました。
Posted by ブクログ
死刑制度について考えさせる作品。
最後に温情判決で死刑を避けていた渋沢裁判官「死刑ごときが極刑だと考えるのは幼稚な倫理観だ」とその理由を吐露、懲役とは内側から人間性殺していく刑罰と言う。
何か釈然としない終わり方。
Posted by ブクログ
死刑制度に対する種々の課題を生々しく表し続け、捕らえどころのない犯人をどう捕まえるかという話で80%読んだ時点まではすごく良かったが最後の2割が駆け足で消化不良
犯人の主張、方法については納得感があるものの、素性の分からない犯人をどう見つけるかの部分があっさり解決したこと、
渋沢判事の主張が感情論に偏っていて納得感が薄かったこと(更生や抑止などの理由からは遠いことや、房内でのうのうと生きて、なんならイジメを行うような懲役囚に対して主張してる仕打ちができていないため)
岬検事が立ち位置の割にあまり機能していなかったことなどが微妙