【感想・ネタバレ】巡礼(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

男はなぜ、ゴミ屋敷の主になり果てたのか? いまはひとりゴミ屋敷に暮らし、周囲の住人達の非難の視線に晒される男・下山忠市。戦時中に少年時代を過ごし、昭和期日本をただまっとうに生きてきたはずの忠市は、どうして、家族も道も、見失ったのか――。誰もが顔を背けるような現在のありさまと、そこにいたるまでの遍歴を、鎮魂の光のなかに描きだす。橋本治、初の純文学長篇。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく良かった。

人間は物語(意味)の中で初めて生きることができる。

兄と弟が再会するシーン。「兄ちゃん!」。忠市の世界を理解し、共有している者による呼びかけによって、忠市が再びこの世に生きる者となっていく展開には感動で震えた。

締めくくりでの忠市の死。死も生の延長なんやな。

生きるってこういうことなんやろな。その過程を見事に描ききったのではないか。

0
2014年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゴミ屋敷に暮らす心理に興味を持ち読んだ。
生真面目に生きてきたのに歯車が狂ってゴミ屋敷が出来上がる心理。
男自体は主体的にしたいことがなく、流されて生きた人生で、無意識のうちにSOSを出していたのだと感じた。最後の急展開はハッピーエンドだったのではないかと思う。
芥川龍之介の六の宮の姫君の話が読後に浮かんだ。

0
2013年09月10日

「小説」ランキング