あらすじ
長城の向こうに広がる愛。匈奴(きょうど)の王に嫁した伝説の美女が、苛酷な運命に挑んだ生涯を描く傑作。数奇な美女の運命は? ――長城の向こうには、どんな世界がひらけているのだろう? 前漢の末、たった1枚の似顔絵ゆえに、匈奴の王へと嫁した王昭君。薄幸の佳人として描かれてきた人物は、数奇な運命に立ちむかった女性だった。遊牧民と農耕民の架け橋となり、西域の地に愛と夢を育んだ一生を、清新な解釈で描きだした中国歴史ロマン。
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Posted by ブクログ
古書購入
歴史小説。三国志よりだいぶ前。
画家に賄賂を贈らなかったため、醜くかかれ、時の皇帝はその絵を見て薄幸の美姫、王昭君を匈奴の王に嫁がせることにする。が、嫁ぐ日に、皇帝は彼女の姿を見て、その美しさを知って惜しむ、というのが本来の物語。
この王昭君。狭いところが大嫌い。田舎が嫌い。なぜなら、みんな知りあいで、狭い世界だから。弟を言いくるめて、叔父(都在住)の元勉強に行きたいと言わせ、自分もちゃっかりついていく。そして都会にもすぐにあきる。だって、狭いんだもの。で、広さを求めて、後宮へ。(行動選択がめっちゃ間違ってる) 当然、後宮にもあきる。だって、狭いんだもの。(当たり前だ)
匈奴に嫁に行けと言われた彼女は喜ぶ。
「いったことがないところ!」
そう、彼女にとってだだっ広い砂漠の大地、そして遊牧生活はまさしく、「彼女のためのような生活」であったのだった。(笑)
後年、故郷への愛惜にかられるが、その姿は美しい。故郷を懐かしんでも自分のしてきたことを後悔しない彼女。
漢と匈奴の掛け橋となって、その地で没する。
三国志とかの絡みで読んでおくかなーと思って読みました。
藤さんのは、女強いです♪ 男、良い男多いです。
Posted by ブクログ
王昭君という女性にはなんだかはかない弱弱しいイメージがあったのだが、本作はそれを覆してくれる。
でも、よく考えれば、当時の宮廷から匈奴へわたって生活し、汗の妻として過ごしたのだからそう弱弱しくもなかろう。
あまり史実に伝わってこない人物に関する想像はかくも楽しいから
歴史小説はやめられない。
Posted by ブクログ
歴史や民話に伝わる王昭君とは違う作者独自の解釈の王昭君が描かれています。派手な戦闘や権謀術数はありません。ただ一人の女性が異国へ嫁ぎ、子をうみ、生きたお話。個人的には二番目の旦那さん、若鞮単于とのどこかとぼけた夫婦の会話が好きです。彼女は宮廷で見つけられなかったものを、草原で見つけたのでしょうか……。
Posted by ブクログ
世界史ででてきた王昭君。
気になって読んでみた。
ありえないって思う展開が多いけど
でも、結構好きだったなぁ。
ちょっとスニーカー文庫っぽいかも。