【感想・ネタバレ】建国神話の社会史 史実と虚偽の境界のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年05月23日

建国神話という虚構がどのように学校で教えられたか、日本社会に受け入れられていたかについてで、万博やオリンピックなど、日中戦争が泥沼化していく中での日本人の空気感というのもわかって面白かった。
古事記と日本書紀の神話は当時の政治体制を正当化する意味があり、一種の憲法のようなものであった。それが本居宣長...続きを読むの国学、水戸学を経由して尊王攘夷思想に、そして1930年代の国家主義にも影響を与えた。対外的な危機に庶民を動員する思想の根拠として建国神話は事実という建前で教室でも教えられた。建国神話を国民に押し付けざるをえないほど昭和初期の日本は正当性の乏しい行動をとっていたが、この原因は荒唐無稽な虚構が日本人に通用すると考えていた明治期藩閥指導者たちの愚民観に行き着く。

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Posted by ブクログ 2020年04月26日

 明治維新から戦争で壊滅するまでの約80年弱、農業を中心としていた小さな国がそれなりの工業基盤を持つ国へ、この短期間の間に成長していくところで、精神的な支柱として持ち出されたのが神様の子孫である天皇陛下という存在。天孫降臨神話と実在の天皇は、実際に人々の心で結びついたのか、その理解の紆余曲折がなかな...続きを読むか興味深い。
 日本人の精神構造に対して影響を与えてしまったことは間違いない。

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