【感想・ネタバレ】LOONSHOTS<ルーンショット> クレイジーを最高のイノベーションにするのレビュー

あらすじ

ルーンショットとは、「誰からも相手にされず、クレイジーと思われるが、
実は世の中を変えるような画期的アイデアやプロジェクト」を指します。
斬新なアイデア(ルーンショット)を次々と生み出していた組織が、
ある時期から突然、そうしたアイデアを逆に潰すようになってしまう。
企業ではよくある変化です。その原因は、どこにあるのか。
物理学者でバイオベンチャー起業家でもある著者のサフィ・バーコールは、
熱力学の「相転移(そうてんい)」の考え方を用いてこの集団行動の謎をひも解きます。
水の分子は常温(液体の「相(そう)」)だと活発に動き回りますが、
氷点下になると氷(固体の「相(そう)」)になり、動きを止めて整列します。
つまり、摂氏0度を境に「相」が変わるわけです。そのことを相転移と言います。
相転移の要因は、温度です。相が転移すると分子の振る舞いが一変します。
組織も同じように、いくつかの要因(水の場合の「温度」に相当する)によって、
「ルーンショットの相」から「斬新なアイデアを潰す相」へと「相」が転移し、
組織メンバーの振る舞いが一変します(水分子の振る舞いが一変したように)。
実は、相転移が見られるのは、水などの物質や企業だけでなく、
戦争、テロ、ロックコンサート、渋滞、火災など、様々な現象に現れます。
「相転移の科学」がすばらしいのは、相転移を引き起こす要因がわかれば、
相転移が起きる時期の予測や、転移の防止が可能になることです。
本書では、人の組織の相転移と、その制御方法をわかりやく解説しています。

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Posted by ブクログ

正直言って、ものすごく読みづらい本!(そして、そこそこ分厚い)
話が章ごとに、まったく違うことを語っていく。
・ルーンショットとは誰からも相手にされないバカげたアイディア
・バカげたアイディアを潰されないようにどう守るか
・既存モデルを守るだけでは絶対に衰退する
・水と氷の平衡状態が大事
・アーティストとソルジャーの共存が大切
・イチ組織の人数は150人が最大。それ以上になると官僚的になる。
・ある閾値を超えると、一気に物事が進むことを意識する
それぞれが完結した内容となっている。
どこにどうやって集約されていくのかが読めない本だったが、何と最後の数ページですべての伏線が回収されていくという!
(謎解き映画かよ?という感じ)
一番の腹落ちは巻末の解説でした。(笑)
ここでそれぞれの伏線の意味を解説してくれて、なぜ最後に結論付けているのかを、ものすごく明確に説明してくれるという!
(ただし先に解説だけ読んでも、その思いとか、深い部分までの理解は得られないと思うので、やっぱり我慢して最初から読むしかない)
最後の最後まで読んでみて、ようやく「んんっ!」と唸る本。
ただ、本当に今のこの時代に読んでみる価値はある!
「イノベーションのジレンマ」が有名だが、やはり今現在の成功事例があると、それを否定してまで新しい事に取り組むことは相当に難しい。
その辺が丁寧に描かれている。
成功している企業は規模が大きくなるから、上記で言う「150人の壁」を超えてしまう。
そうすると途端に「仕事をする(ここで言うルーンショットをめざす)」ことよりも、「社内政治(上司や周囲と関係を築く)」ことにインセンティブが働くという。
これは納得感がある。
ある程度の規模以上の会社は、自分一人が頑張っても、サボっても影響力が少ない。
だったら本業を磨くことよりも、如何に同僚を出し抜いて、自分が組織の中で有利なポジションを獲りに行く、という方向を目指す事になる。
これが150人という単位なのだという。
同じ会社としても、支店や工場など、ユニット単位を150人を意識して組織づくりをする旨を説いている。
これと、ルーンショットとどう結びつけるのか。
これが「水と氷の平衡状態」「アーティストとソルジャーの共存」などが関係する。
スティーブ・ジョブスの例が出てくるが、Appleの成功は特殊過ぎる。
むしろ、Next・Pixerといった「まだ芽が出てないルーンショット」の話の方が面白い。
社内で「平衡状態」を保つのは本当に難しい。
しかしある日突然に、ブレイクスルーを起こす日が来る。(これが閾値超えだ)
放たれたルーンショットは、いつかそれが普通のこと(技術)となり、また新しいルーンショットを探す、育てることに向かう。
本当に読んでみて意味がある本と思う!
是非一読を!
(2020/8/26)

0
2020年08月30日

Posted by ブクログ

イカレタアイデアを大事に育てる組織にすることは、思いのほか難しい。予算の構造から見直さなければならないし。予算実現の近道はフランチャイズだから。カギはR&D。

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2020年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アイデアグループと作業グループを分離すること。
2グループの綱引き状態にすること。
意思決定プロセスを反省すること。
インセンティブを最適化すること。

0
2020年05月10日

Posted by ブクログ

間違いなく斬新で面白い本だが、少し表現が冗長すぎて途中で読むのが面倒くさくなる箇所もあり。米倉誠一郎氏の解説が的確で必読。
ただ、今の日本の状況でルーンショットを温かく見守れる度量と器量のある会社は存在しないなあ。あってもトヨタぐらか。所詮サラリーマンが経営する大企業では無理な話か。

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2020年02月22日

Posted by ブクログ

イノベーションに取り組み続けないと死ぬ、というのはかなり衝撃受けた。
Googleの20%ルールはかなり合理的なんだなと思った

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

どのようにすれば、大きな企業がイノベーティブでいられるかを、例を出しながら述べていくスタイル。

ただ日本企業にそのまま当てはめられるかと言われると微妙。

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2022年07月05日

Posted by ブクログ

他の人のレビューや後ろの解説にもある通り、超絶読みにくい。。
とても知的好奇心が満たされる本ではあるのですが、
欧米の本特有のてんこ盛りの事例な上に、
著者が言いたいことが中々分かりずらいという構成。
著者の頭はいいんだが、
読者を想定して書けていない(読者も自分と同じくらい頭がいいと思っている)典型的なパターン。

物理学からヒントを得て、イノベーションについて考察した本なのですが、
内容はとても面白いです。
面白いだけにもったいない本という印象。

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2021年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クレイジーなアイディアがイノベーションに繋がるには、苦難も多いことが、過去の当てはまりの良い事例から、よく分かる。一方で、イノベーションを起こした企業が、未来も安泰かと言えば、そうではないこともよく分かる。現代のイノベーティブな企業にも寿命がつきものであることを示唆してくれる。

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2020年06月12日

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