【感想・ネタバレ】50代からの人生戦略のレビュー

あらすじ

50代をどうすごすかで、今後の人生は大きく変わる! 一度立ち止まって働き方、人間関係、家族、お金について整理することで、残り時間で最大限の成果を上げるための“自分らしい生き方”が見えてきます。知の巨人が教える、まだまだ頑張り続けたい人への実践的アドバイス。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2021年6月23日記述

50代からの人生戦略 いまある武器をどう生かすか
佐藤優氏による著作。
2020年1月15日初刷
1960年(昭和35年)生まれの佐藤優氏の同世代は60歳、還暦、つまり定年を迎える時期に入ったとのことだ。(2019年度)
そしてもし外務省で勤務し続けていたらどのような行動を取ったかを想像しながら本書は書かれた。
30代40代とは異なる時間の使い方、定年後を見据えた行動が必要になってくる。
まえがきにちょっとした紹介として国家公務員法によると禁錮刑以上の刑(執行猶予も含む)が確定したものは自動的に国家公務員の身分を失うという規定があるそうだ。(ただし退職金は出ない)

時間を作っていくという所が大きいポイントだと思う。
ただ50代に限らず仕事を振る、IT化、パート化など仕事を下に振っていくことは若くてもどんどんするべきだ(正社員でしか出来ない仕事に時間を使うが大事)

印象に残った部分を紹介していくと

50代になると、(中略)自分の能力や適性、組織や会社の限界がわかってきます。
すると、むやみにがんばる必要もなくなってくる。
仕事に投入していたエネルギーや時間を、家族や友人などとのプライベートな人間関係、個人的に妙味のある分野へと次第にシフトしていく

いくつになっても学び続けようとする姿勢は大切です。
ただし、50歳を過ぎたら学ぶことも絞り込まなければなりません。

ついやってしまいがちな「時間の無駄遣い」が、明確な目的もなく始める語学学習です。

50代から学ぶといいのは自分の地元の歴史や文化です。

面白いと思うのは最近各地で活躍している地域観光ガイドなどの仕事。
地元の歴史や文化、地理などを勉強し、今度はその知識で観光客の人達をガイドする。
それがいくばくかの収入にでもなれば、
趣味と実益ということで一挙両得です。

50代をすぎてからの時間の使い方には、第二の人生の収入源を確保するための時間という視点も必要になります。
これからの時代、退職金や年金だけで悠々自適という生活は望めませんから多くの人は、体が元気なうちは何らかの仕事をして稼ぎ続けなければなりません。

定年を迎えてから新たな収入源確保を考えるのでは遅すぎます。
できれば退職する10年前の50代から準備しておくべきです。
そのための時間を確保しましょう。
新たな収入源はそれまでやってきた仕事の延長線上で考えること。

50代からの時間の使い方として意外に大事になってくるのが、将来自分が厄介になるであろう有料老人ホームやデイサービスについて調べる時間。

無駄な時間を省いて効率化するのと同時に、何もしないで過ごす時間を大切にするというのも同じくらい重要なことです。
矛盾しているようですが、余裕の時間、つまりバッファ時間がある程度ないといざという時に集中することができません。

時間を管理するのと同時に「時間は完全にはコントロールできない」と認識しておくことも大切です。
どんなに繊密に将来のプランを立てても、計画通りに進むことはまずありません。
不測の事態で予定の変更を迫られる、想定外の時間をとられるのが常です。

クロノス・・流れる時間のこと
カイロス・・意味のある時間、ある出来事によって時代認識や人々の価値観が
大きく変わる。そんな裂け目のような時間がカイロスというわけです。

一般的に「未来は変えられるが過去は変えられない」と考えています。
これはクロノス的な解釈ですが、カイロス的な解釈なら
「過去は変えられる」ということになります。

人生の選択は人それぞれなので一概にはいえませんが、今のような時代、50代のビジネスパーソンであれば、早期退職ではなく定年まで会社に居続けることを優先すべきだと考えます。
50歳なら定年まであと10年。55歳ならあと5年。
ここを辞めずに我慢することのメリットはとても大きいはずです。

嫌な上司がいるとか、仕事がつまらないとか、会社から評価されていないとか、そのくらいの理由なら決して自分から辞めないこと。まして、退職金の割増金額に誘惑されて衝動的に辞めるのは非常に危険です。

転職に関しても、特殊な技能でもない限り、50代を雇ってくれる会社はほとんどないと考えて下さい。
もしあるとしたら、それは残念ながら、
劣悪な労働環境と安い賃金で働かされる企業である確率がかなり高い。
雇用保険にも年金などの社会保障にも入っていない会社であることもザラです

では50代では、どのように人間関係を絞り込んでいけばよいのでしょうか?
身も蓋もない答えかもしれませんが、「仕事に有益な人」に絞り込んでいくということでいいと思います。
シビアではありますが、仕事で役に立つ、立たないかで割り切る。
これは、私生活の人間関係とはまた別の話です。
(中略)
ただし、いきなりバッサリ切るのは避けます。
次第にフェードアウト

同窓会で人脈を再構築すること。
新たに人脈をつくることは難しくても、かつて一緒に学んだ人達との付き合いを復活させることは比較的容易です。

出世ラインから外れてしまった後
やるべきことだけはそつなくこなし、下手に目立って叩かれるような余計な動きはしません。
要領はいいので、与えられた仕事は完璧にこなし
それ以上はできる限りやらない。

ラインから外れた人は、余計なことをして目立つことなく、与えられた仕事をこなし、あとは定時になったらそそくさと帰る。

2:6:2の法則(働きアリの法則)
組織にも遊びが必要です。全員がやる気満々でギラギラしていると、組織はギスギスしてしまいかえってうまく回らなくなる。
また、全員が100%の力を出し切って余力がない状態だと、いざ緊急事態があったときに対応できません。
(中略)
ただし、そうやって会社に居続けるにはいくつかの絶対条件があります。
まず、セクハラ、パワハラは絶対しない。
そして、やる気のある社員の邪魔をしない。

職場のムードを明るくして「なんだか、会社にあの人がいるだけで安心できる」と思われるのが理想的です。
一番やってはいけないのは、プライドが捨てきれずにやたら虚勢を張ったり自分の力を誇示しようと偉そうにしたりすること。

今の管理職はチームをぐいぐい引っ張っていくワンマン型ではなく、一緒になって問題解決に取り組む「仲間型のリーダー」がもてはやされます。
成熟した大人の組織の場合、下手に引っ張るよりメンバーの自主性と個性を尊重し、ある程度それぞれの裁量に任せるほうがうまくいくことが多いのです。
ですから、自分には貫禄がないからとリーダーやトップになることを敬遠する必要はありません。
むしろ、ソフトで話しやすい雰囲気をもっているほうが、上司として必要な資質を備えているともいえるのです。

若い社員に対しては、とにかく「ほめる」。
ほめて動かすの一点のみです。
その上で「普通にほめる」「すごくほめる」「極端にほめる」と
ほめる度合いに差をつける。

「褒める」を段階的に使い分けることで、部下のモチベーションを高めていくようにしましょう。

上司はつい仕事の成果にばかり目を向けがちですが、まずは部下達が
”快”の状態で働けているかどうかをケアすること。
遠回りのようですが、最終的にはこれが職場全体のパワーアップにつながるのです。

強者の立場に立つと、人はえてして相手を思うように動かせると錯覚してしまう。
全てのセクハラ、パワハラはそこに源がある。
強者の、弱者に対する一種の「甘え」の構図があるのです。
自分は強い立場だからこれくらいは許される。
追求されることはない。そんな甘さが相手に対する暴言や暴挙となって表れる。
そのような思い上がりや上から目線は、下の人間や弱者を傷つけます。

弱者の目線、少数者の目線を自分の中に持ち続ける。
その公平さ、公正さは必ず相手にも伝わります。

いくら時代が進歩しても、セクハラやパワハラといった組織内の「悪」は完全にはなくなりません。
表立って見えなくなるだけです。
(これは学校のいじめが無くならないのと似ている)

こうした人間の悪を根絶しようとしても無理なのです。
人間は悪であるということを前提に、それが起きにくいような仕組みづくりをしていくしかありません。

組織の矛盾や悪と正面から戦うことはおすすめしません。
個人は組織の力には絶対にかなわない。
それが、これまでの人生から得られた結論です。

組織で生き延びるにはある種の諦念が必要であり、物事を常に一歩引いて見ることが不可欠です。

組織がある程度の規模になれば、そこには必ず派閥が生まれます。

50代のビジネスパーソンで、どの派閥や集団にも属さず、「オレは一匹狼だ」とうそぶいている人がいたら、その人こそ少し怪しい。
おそらくその人物は偏屈な嫌われ者か、誰からも相手にされないくらい能力のない人間のどちからでしょう。

社内で応援団になってくれるのは別の部署に異動した昔の上司という場合がほとんどです。
ですから、同僚と酒の席で上司の悪口やグチばかりいっている人はまず斜め上の応援団を作れません。
上司も自分に批判的だった昔の部下を
応援しようと思うでしょうか。
また、新しくやってきた上司に取り入ろうと
以前の上司のグチや悪口を言うような人もいますが、これは全くの逆効果。
新しい上司は「部署が変わったら、オレの悪口もいいふらすような人間だ」と考えます。

聖書から読み解くいいリーダー像と条件として、「自分を愛することができる人」ということが挙げられます。(中略)
これはいわゆる「自己愛」とは少し違います。
どちらかというと「自己肯定感」「自己重要感」に近いかもしれません。
自己愛型人間は他人からの評価を気にし、他者からの賞賛や評価を強く求めます。
しかし「自己肯定感」や「自己重要感」の強い人は、むしろ他者の評価や他者との比較を必要としません。深い所で自己に対する信頼や自信があるため
欠点や弱点を含めたありのままの自分を受け入れられるので、自分に対しても他者に対しても自然体で向き合うことができる。

周囲にいるのは決して善人や味方ばかりではありません。
中にはあなたを陥れ、傷つけようとしている人がいる。
それはイエスの時代も現代も変わりません。
相手をよく見て、それぞれにふさわしく柔軟に対応する。
蛇のように賢く、同時に鳩のように素直であるという2つの相反する力が世間を渡っていくには必要だということです。

人間は誘惑に弱く、条件と環境さえそろえばつい不正を犯してしまうもの。
基本的には部下を信用しながら、一方で性悪説にもとづいて不正が出ない
ようにしっかり予防もしておく。
性善説と性悪説、2つのバランスを取りながら対応するのが賢いリーダーです。

50代で貯蓄ゼロという世帯は31.8%(2017年)に上ります。

マルクスは「労働によってお金を得ることが、資本主義の本来の姿」だと考えました。

郵便局で日本国債を購入した理由↓
わざとそういう「引き出すのも面倒な場所」にお金を押し込めてあえて使いにくくしているのです。
流動性を低くすることで、つい手をつけてしまうことを避けられます。
50代の人が資産を増やす一番簡単な方法は「使わないこと」。
増やすためではなく、使わないために投資するのです。

投資先としては国債がもっとも堅実ですが、多少のリスクを許容できるのであれば「つみたてNISA」のような非課税になる制度を利用するのがいいでしょう。

ときには家族や夫婦で外食をしたり、旅行やレジャーに出かけたりする。
これらは決して無駄使いではありません。
家族の絆を強め、将来お互いに助け合う関係を作るための立派な投資なのです。

下手に中学受験なんかして中学、高校、大学と私立に入れることになったら自分たちの老後資金をつくる余裕が無くなってしまいます。

文部科学省の調査によれば、大学の年間授業料は国立大学で53万5800円。
私立大学の平均で87万7735円となっています(2016年)
1975年の授業料に比べると私立大学は5倍近く、国立大学は何と約15倍にもなっているのです。
この現実に加えて、サラリーマンの給与は上がらない、終身雇用制度は崩れている、退職金も年金も心もとない。

全て私立という負担に耐えられる親は、今の日本ではなかなかいないでしょう。
ですから私立に進むのであれば大学から、それまでは公立でがんばるという
選択が、家計の無駄を省く一番賢い方法です。

学習の仕方を工夫すれば、公立からでも有名私立大学に進む学力をつけることは可能です。

そもそも財布にお金が入っていなければ衝動買いもできません。
結局は、この衝動買いをいかにコントロールするかが重要なのです。
ネットショッピングでの衝動買いをどうするか?

欲しい物があってもすぐには買わないで、その欲しいものの名前を紙に書いて見える所に貼っておく
不思議なことに3ヶ月も経つと別にいらないなと思えるものが殆どです。

便利な時代だからこそ衝動買いを抑える仕組みづくりがより重要になります。

親が元気な内にどれくらいの資産があるのか確認しておくこと。
その上で遺産をどのように分配するか、親が生きている間にきょうだい同士で
しっかり話し合いをしておくこと。
口約束では意味がないので、遺言書を
親につくっておいてもらうのがいいでしょう。
その際、公正証書遺言をつくっておくことがトラブル回避のポイントです。

家族とは、とにかく一緒に過ごす時間を長くすること。
一緒にテレビを見る、犬や猫がいるなら一緒に遊ぶ、園芸などに一緒に没頭する、極端な話、何もしないでボーっとしているだけでも一緒に時間をすごせていればそれでいいのです。

妻への家事負担軽減のために
家事のアウトソーシングの利用、食洗機や乾燥機つき洗濯機、ルンバのような自動掃除機など、使えるテクノロジーは最大限に利用すべきです。
夕飯は妻の家事の負担が減るようにときどき外食に行くようにする。
これも広い意味でのアウトソーシングといえるでしょう。

共働きが前提の時代に、家事を奥さんだけに任せるのはあまりにも不平等。
共働きで一生懸命稼いだ分、家事をアウトソーシングして時間的、精神的な余裕を作る。
50代男性が持つ家事の能力を考えたら、家事のアウトソーシングは現実的だと思います。
女性の負担も減り、時間的なゆとり、精神的なゆとりができれば、妻からの苦情は少なくなるはず。
そう考えれば、多少お金がかかっても安いものだと思いませんか?
今は時代の分岐点。
古い夫婦の形、家庭の形にとらわれるのではなく、
時代の流れに応じて一番いいやり方を模索すべきです。

不倫に対する風当たりが強くなってきた原因の一つは、昔の日本に比べて経済的な余裕が無くなってきた事も大きいと思います。

学生達には「社会に出たら、仕事を教えてくれる人物はつい全能に見えてしまうから気をつけたほうがいい。10年も仕事をすれば、そういう先輩もたいしたことは無かったと分かる」とアドバイスしています

人から祝福されない恋愛はしない
不倫に対する認識は時代によって変わっても基本はそこにあると私は考えます。

男女間でいい関係を続けるための大切なルールとしては、お互いの知り得た情報を他人には漏らさないということがあります。
お互いの会話の中でやり取りされた情報を他者に話したい時は相手の了承を得てから話すというサードパーティルールに則りましょう。

これは男女間に限らず同性間でもいえること。
親密な関係の中で話したことはみだりに他言しない。他の人に話す時は必ず相手の確認を取るようにしましょう。

子供の頃に無理やり英才教育を押し付けられると、この非認知能力を育む時間が無くなってしまうのです。
非認知能力・・共感やコミュニケーションに関する能力
ペーパーテストで測ることはできません。

親が子を愛するのは無償のものでなければなりません。
具体的には子供には介護を頼まない。
老後は夫婦が自分達の力で介護サービスを受けられるよう金銭的な余裕を作り、計画を立てる。
そのために子供の教育費に全てをかけるのではなく、大学は何とか国立に入れて、子供にアルバイトなどで学費や生活費を稼いでもらう。
そうすれば子供に金銭的な自立心がつきます。
子供を親の私物化しない。親も子供も自立した人生を生きるための教育育て方をすることが大事だと思います。

親の面倒(介護)は、決して1人で抱え込まないことが鉄則。
きょうだいや近隣の知り合いなどの助けが無ければ、すぐにでも行政サービスを頼るべきです。

親の介護のためとはいえ、安易に仕事を辞めてしまうと取り返しがつきません。
公的扶助、公的サービスを活用するなど、1人で抱え込まずに介護をアウトソーシングして、仕事は何としてでも続けるべきです。

養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターなど

どこの老人ホームがベストなのか、できるだけ口コミ情報を集めることが重要
施設の近くに住んでいる同級生、地域の事をよく知っている市区町村議会の議員

親にインタビュー(若かった頃の話を聞いてみる)
親の自分史をかいてもらう、プロのライターにお願いする

一番の親孝行は自分の生活がきちんと出来ていて、健康で幸せな日々を送っていること。
その様子を、まめに親に伝えること。

ソクラテスは「無知の知」ということを言いましたが、教養のある人物ほど自分の知識の足り無さを知っている。
「自分はまだまだ何も知らない」と
常に謙虚さを持ち、周囲の話を聞くことがコレクティブ・インテリジェンス(集合知)の基本です。

自分は善である、自分こそ正しいなどと思った瞬間、人間は傲慢の罪に陥る。

自己に内在する悪や罪を認識している人は、他者にも寛容になれるはずです。

日本のWikipediaや5ちゃんねる掲示板、You Tubeのコメント欄など
誹謗中傷が多い理由・・
日本の場合、欧米のように日頃からディベート(議論)をする習慣が無いというのが大きいのかもしれません。
本来のディベートは相手を侮辱するための
ものではなく、批判し合う中でお互いの「論理的な弱点」を見つけ出し、物事への理解をより深めていくための手法。
建設的な意味でのやり合い
ところが日本では少し批判的なことを書くとすぐ感情的になり、侮辱の応酬が始まる。
健全な批判精神が未熟なのです。

私達人間の罪は、事実を捻じ曲げ、責任を逃れようとするという所にあるのです。

人間は善を志向しながらも悪を行ってしまう、弱く悲しい存在なのです。

まず自分の罪を自覚する所から始めなければなりません。
罪を自覚することで人は傲慢にならず、頭を垂れることができるようになります。
そして他人の悪に対しても寛容になれるのです。

自ら罪深き存在である自覚を持ちつつ、自分の利益ばかり求めることなく、
人に与える、譲る。
ささやかな利他の行為を、少しずつ積み上げていく。
それがその人の人柄に、一種の美しさと厚みをもたせることになるのです。

振り返ってみれば、納得できないことや理不尽なことは、現代の私達の日常生活、仕事のなかでも広く見られます。そのとき、人生や社会自体がそもそも理不尽で説明不可能なものだという諦観があれば、困難に耐えることが可能になるかもしれません。

人生の逆境はいつ何時、私達を襲うか分かりません。ただし、どのような苦難であっても時の流れを見定めることが出来れば必ず状況は変わり、乗り越えていける。

0
2021年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そうか、この方はクリスチャンであったか。それは強いわ。私生活は別として仕事に有益な人間関係以外はそろそろと間を置く。公の不条理は逃げる、かわす。やばいことから逃げる力。待つ力。はいわかりましたとやばいことを表面上受け手、のらりくらりと先延ばし。本当にやばい時は組織の利益を前面に出して反対。子どもに介護を頼らない。介護で仕事を辞めない。スタディサプリで学びなおし。新約聖書から旧約へ、聖書協会共同訳。いい死に方と遺書。

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2023年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすかった。波乱万丈の官僚人生を歩んだ方の助言。
大手企業の50代サラリーマンを対象にしてる感じで、転職・起業という冒険より定年まで粛々と過ごすことを提案。
老後の生活をリアルに考えたら仰る通りかも。
最後はキリスト教のお話。わかりやすいようだけど日常でそうだよなあと思えるかどうか。

・イヤな上司、仕事がつまらない、会社から評価されていない、そのくらいの理由なら決して自分から辞めない
・「休まず、遅れず、働きすぎず」上手に体をかわし「逃げる」こと
・個人は組織の力には絶対にかなわない

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

佐藤優(さとう・まさる、1960年生まれ)は、元外務省主任分析官で作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、1985年に外務省に入省し、在ロシア日本大使館や国際情報局で勤務。2002年に逮捕され、2009年に有罪が確定。その後、作家として活動し、『国家の罠』『自壊する帝国』などの著書で注目を集めた。

・・・
私の印象ですとインテリジェンス経験に基づく体験談のような書籍が多い印象でしたが、こういう本も出しているのですね。

で、通読してみて一番の感想は、「結構ふつう」です(ごめんなさい)。

まあ、これまで類書を相応に読んできたこともあります。だからもう既に目新しいものもなく、応じて心に響いてくるものもそこまでなかった、というのが率直な感想です。

・・・
その中で、印象深いのは「第二章 50代からの「働き方」」です。

私は、気力・体力は低下傾向ながら、まだまだ自己顕示欲が衰えず、窓際なのにどこかでデキメンになりたいという憧れがあります。どうにかして逆転は無理でも、一回ホームラン打ちたい!そんな気持ち。

そんな私に諭すかのように、この章では頑張るな・張り切るな・転職とか独立とか新しいことはやめておけ・50代は居るだけでパワハラになりかねない(みたいな主旨の話)、等々。

口が悪いので、地位は低いのですがパワハラというかハラスメントには今以上に気を付けないといけないなあと思いましたが、他方、そこまで頑張っちゃいけないのかなあ、とちょっと反発したくなりました。

もちろん、流れとしては上記のように頑張らないことでできた時間について、「第五章 50代からの「家族関係」」や「第六章 50代からの「自分磨き」」で書かれていることを考えてタイム・アロケーションをしましょう、ということになるのでしょう。

なお、第六章では聖書はじめいわゆる宗教書をすすめたり、高校教科書の学びなおしを勧めていらっしゃいます。

私は、ここはもうどっぷりやらせてもらっておりまして、現在旧約聖書をだらだら読む旅の最中であります(なお佐藤氏は新約から読むことを勧められていますが)。

またスタディサプリでの勉強も勧められていますが、これもまた偶然にも私もやらせていただいております。子どもたちの高校受験を切っ掛けに契約しましたが、その時も長年の私大文系の禍根である世界史未履修を埋めるべく、学びなおしを実行(これは旅行好きには特におすすめ)。また、その時月980円という激安費用であったため、子どもたちが高校・大学に進んだ今も契約を続け、今年から高校数学を始めました。

さて、それはそうと、仕事中心で生きてきた我々はそんなに簡単には方向転換はしづらいとは思います。だからこそ先人の考え・体験を知りたいわけですが、ここでは体験(特に後悔とか、やらかしとか)はあまり語られませんでした。そこは残念ですした。

もちろん、逮捕有罪を経ても続く人間関係、みたいなところから、過去の人間関係を大事にしようみたいなのはありましたが。

・・・
ということで佐藤氏の人生指南本でした。

個人的にはそこまでハマりませんでした。

どちらかというと、老後資金が相応に確保できている方で、今も仕事中心に生きていられる方に「あなたこのままでいいの?」と静かに諭すかのように語る本かと思います。

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2025年05月24日

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