あらすじ
自宅で寛いでいた警察署長フェローズへ、事件の報がもたらされる。成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが行方不明になっていると、母親が電話をかけてきたというのだ。彼女が姿を消した前の晩、バーバラは生まれて初めてのダンスパーティに出掛けていた。だがパートナーの少年や学校関係者を調べても、有力な手がかりはつかめない。家出か事故か、それとも誘拐されたのか? 地道で真っ当な捜査の果てに姿を見せる、誰もが息を呑む衝撃のラスト――。本格推理の妙味溢れる警察小説の名手として名高い巨匠の、鮮烈な傑作を新訳で贈る。/解説=大矢博子
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Posted by ブクログ
最近ハマっているヒラリー・ウォー。
捜査小説の傑作「失踪当時の服装は」と同じく、失踪した少女の行方を追う物語だが、本作は単なる二番煎じではなく、「失踪当時〜」のその先にある結末(悲劇)を描いた作品。
捜査小説としてのおもしろさと、フェローズ署長の熱さは健在。地道な捜査が淡々と繰り返されるなかで、フェローズの事件に対する怒りや焦り、必死さがむき出しに描かれており、警察ドラマを見ているよう。
「愛するものを死よりも恐ろしいものから守ってやりたいから、殺すことができる」という犯人の言葉が、とても印象的だった。次々に怪しい人物が現れるため、てっきりフーダニットに焦点を当てたミステリだと思っていたのだが、作者が描きたかったのはホワイダニットのほうだったんだな。
Posted by ブクログ
やっぱり確固たる評価を得ている古典ミステリはおもしろいなあ(評価を得てるんだから,あたりまえか).
犯人は最初から目星が付いているのだが,終盤で一気に謎が明らかになる.あとは動機だが....確かにこれは刑事たちには想像が付かないし,現代の我々にも想像が付きにくい.