あらすじ
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第2巻には「闘技場」「ノックの音が」など傑作15編を収録。【収録作】「不まじめな星」/「ユーディの原理」/「闘技場」/「ウェイヴァリー」/「やさしい殺人講座全十回」/「夜空は大混乱」/「狂った惑星プラセット」/「ノックの音が」/「すべての善きベムが」/「ねずみ」/「さあ、気ちがいになりなさい」/「一九九九年の危機」/「不死鳥への手紙」/「報復の艦隊」/「最終列車」/収録作品解題=牧眞司/解説=大森望
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Posted by ブクログ
目次
・不まじめな星
・ユーディの原理
・闘技場
・ウェイヴァリー
・やさしい殺人講座全十回
・夜空は大混乱
・狂った惑星プラセット
・ノックの音が
・すべての善きベムが
・ねずみ
・さあ、気ちがいになりなさい
・一九九九年の危機
・不死鳥への手紙
・報復の艦隊
・最終列車
訳文にそれほど違和感を抱かないのに、タイトルの変更がとにかく気になってしまう。
「不まじめな星」は「シリウス・ゼロは真面目にあらず」だし、「夜空は大混乱」ではなくて「狂った星座」でなくては。
「狂った惑星プラセット」は別に旧タイトルの「気違い惑星プラセット」にはこだわらないけれど、「狂った」だと、最初から狂っていたとも途中で狂ってしまったようにも取れるので、「イカれた惑星プラセット」でもいいと思うのだが。
そして、「ウェイヴァリー」はダメよ。
確かにWaveriesを発音通りに書くとそうなるのかもしれないけれど、ここは「ウァヴェリ地球を征服す」よりもっと古い「電獣ヴァヴェリ」が断然良い。
若い頃にはピンと来なかったけど、今の時代にこそ読まれてほしい作品。
新しいタイトルがよかったのは「報復の艦隊」。
「報復宇宙船隊」だといまいち重量感に欠ける気がするので。
でもって、これこそSFのとある分野の金字塔と言ってもいい作品だと思っていますが、それしか書きようがないのがもどかしい。
解題でも”テンポの良い語り、閃光のようなアイデア、皮肉な結末。ショートショートの見本のような作品である。ネタをわってしまうので、うっかり内容紹介ができない。”と書いてある通り。
多分私が初めてブラウンの短編を読んだのはこの辺りの作品。
作品としては長編の「発狂した宇宙」が最初だけど、短編がめっぽう面白かったので、手当たり次第に短篇集を買ったのでした。
特に「狂った星座」とか「ノックの音が」が好き。
「さあ、気ちがいになりなさい」は、タイトルのインパクトもさることながら、結構内容も衝撃的で、読後しばらく放心しました。
そして、その中に出てくる「明るく輝くもの」は、「明るく輝けるもの」でお願いします。
何十年もそれで刷り込まれているので。