【感想・ネタバレ】色にや恋ひむ ひひらぎ草紙のレビュー

あらすじ

後宮で複雑に絡み合う恋を描いた平安恋草紙。

同じ屋敷に暮らす妹に婚約者を奪われてしまった淑子。公卿である父親が勝手に決めた相手だったとはいえ、妹は恋の勝者と勝ち誇り、女房たちは腫れ物に触るような態度をとってくる。厄介な状況に疲れ果てた淑子は、家を出て、典侍として後宮で働こうと決めた。
そして月日がたち――生真面目な淑子は、愛嬌がなくて刺々しい『柊の典侍』だと煙たがられながらも、いまや後宮を仕切る立派な典侍に成長。女同士の争いが日常茶飯事な後宮で、揉め事解決になくてはならない存在になっていた。
ある日、典侍として仕事上のやりとりが多い五位の蔵人に、二人の新任者がやってくる。そのうちの一人が妹の夫となった元婚約者だと知り、憂鬱になる淑子。彼と顔を合わせないようにと願いながら、蔵人所に向かった淑子は、もう一人の新しい蔵人、源誠明と対面する。誠明は、東宮の嫡子でありながら臣籍降下した人物。宮中では難しい立場の誠明だが、なぜか淑子のことをよく知っている様子。そのうえ、誠明は唐突な言葉を淑子に告げた。私と、結婚してください――。
後宮を舞台に複雑に絡みあう恋を描く、深山くのえの平安恋草紙!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

良かった。
主人公の素直さや気に入らないことがあっても受け入れて頑張ろうとするところにとても好感が持てた。
やっぱり一筋縄ではいかずに波乱がありますがそれが関係を進める後押しとなって、にやにやしました。

0
2021年11月21日

pon

ネタバレ 購入済み

職場では汚れ役になることもありながら、また、元婚約者にひどい目にあわされながら、結婚とは無縁にも思われていた主人公が、誠実な人に一途に想われ、結婚し、幸せになる話。素敵なお話でした。

0
2021年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これはよき平安恋物語だった。
淑子も誠明様も種類は違えどややこしい立場の人たち。
淑子は結婚はこりごりと思っているし、誠明様もお立場がお立場だから心休まる場も少なく、結婚に対しても慎重さを求められるという。
そんな二人の本気の恋。
特に誠明様が「この恋が成就しなければ世捨て人になっても構わない」という思いがたまらなかった。
早く報われてくれと願うほど。
普段堅物な人の本気の恋愛に自分はとことん弱い。

誠明様が急かさないこともあって(内心はさておき)話は非常に丁寧にゆったり進んでいく。
前半は特に問題もなかったので、このまま終わるのでは?と思った矢先にピンチが。
そりゃそうなるよなという。
事件の伏線が非常にさり気ない日常描写にあったので、後になって非常に驚いた。
慌てて読み返すほど。
あの描写は本当に見事。

ありのままの自分を受け止めて、それでも愛してくれる人と出会えた柊の典侍こと淑子は幸せ者だ。
あんな嫁がいるのに今でも元婚約者の尻を追いかけてくるような奴は放っておいて、誠明様と幸せになってくれ。
なお、この元婚約者、クライマックスで非常に情けない姿をさらす羽目に。
ざまあである。

平安時代に純愛を貫き通した話で心洗われる話。
ささくれだった時こそ読んで癒されて欲しい。
働く女性には嬉しい話ではなかろうかと思う。
(汚れ役にまで徹して働く女性が幸せな結婚相手を見つける話のため)
本当によき平安恋物語だった。

0
2020年09月20日

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