あらすじ
『怖い絵』の中野京子が、名画の奥に潜む画家の息吹と人間ドラマに迫る!
命懸けの闘い、とめられぬ恋、英雄達の葛藤、そして、流転の始まり……。ルノワールやムンク、モローなど名だたる画家による“運命”の絵。それは、世紀の瞬間を捉えた名画であり、描いた者の人生を一変させた作品である。絵画エッセイの名手による新シリーズ。絵画は36点をすべてカラー掲載。
【本書の掲載絵画】
ルノワール『シャルパンティエ婦人と子どもたち』
ムンク『叫び』
ジェローム『差し下ろされた親指』
ベッリーニ『好機』
ダヴィッド『書斎のナポレオン一世』
モロー『オイディプスとスフィンクス』
アングル『パオロとフランチェスカ』
ブリューロフ『ポンペイ最後の日』
など
解説・竹下美佐
※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本を改題した文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
運命的な一瞬を切り取っていたり、運命そのものを描いていたり、その後の展開を知っていれば、まさしくその絵は「運命」だったのだなと思わせてくれるものなど、様々な切り口から運命と絵画について堪能できるいい本でした。
絵は勿論、フルカラー。
前述通り切り口がそれぞれ異なるので、どの話も印象深くて、読み進めるたび衝撃がありました。
予言したかのような自画像の通りに目を失う話とか怖すぎるし。
没落の過程を絵にしているのも興味深い。
ポンペイの絵はもう見ているだけで手に汗握る。
しかも収録点数が多いのも満足度が高い。
読み手を全く飽きさせない、流石の構成である。
ある意味「怖い絵」が多数出てきますぞ。