あらすじ
第一声は「ただいま」なんだろうと考えた──ゲイの夫(仮)と、恋愛でも友情でもない二人の生活をつくるまでのつれづれ。能町流「結婚への道」。「ウェブ平凡」連載の単行本化。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ウェブ連載時のタイトルが『結婚の追求と私的追求』なので、やや客観的すぎるし頑なさがあるなあという印象。
えーやん人生はもっとニュートラルで、なんてシミズなど思いますが、もちろんの能町さんのマイノリティーとしての人生観の影響も多分にあると思われ、こうあるべき!いやその考え方は押しつけなのだから!という狭間でガッチガチになってるところをサムソンさんがふんわり寄り添…わないけど横にただいてる感じが良いバランスと思いました。
一方雨宮まみさんへの想いが書き綴られる『グリーンホール』『ニューオータニ』の章は彼女の客観的にもはやできないくらいの底なしの愛情が感じられ、そこに涙を禁じ得なかった。
特に深夜のマックにたどり着くまでの描写『墨汁をどっぷり含ませた大筆で顔面に何度も塗りたくるかのように信じ、また信じ、信じながら一歩一歩進み』、こうは書けない。しかしまさにこうとしか言いようがない状況なのが目に浮かぶ凄味。
能町さんが雨宮さんとした約束、幸せになってダメになろう、は正しく美しい表現ですね。
Posted by ブクログ
あまりに赤裸々に書かれていて、
読んでいて気持ち悪くなるところがありました。
偽装結婚の話は久保みねヒャダでもしていたので興味がありました。
そうしようと思うに至った思考の道筋はよく分かりました。
あと雨宮まみさんに対する気持ちが読めたのは良かった。
気になっていたので。
Posted by ブクログ
共感する要素が少なかったので、⭐︎は少なめだが、とても面白いエピソードが短く並べてある。
もともと久保みねヒャダを見て知った存在だったので、よく話していた「結婚」を実現したんだ、って思いながら読み進めた。夫(仮)とどう出会い、「結婚」へどのようなプロセスを踏んでいたのか興味深かった。恋愛の感情はないものの、客観的に見てすごく夫婦生活に似ているところがあるように思えた。
そして雨宮さんが突然亡くなったときの感情がわぁーっとなっているところが何ともリアルだった。近い人で亡くなった方はいないから今は分からないが、いずれやってくるのだろうと感じる。
あと個人的に四ツ谷にある喫茶店ロンは今まで外見が暗いためスルーしていたが、立派な喫茶店だったことにびっくり。