あらすじ
乙武洋匡が三浦瑠麗に、その生い立ち、家族、孤独を訊ね、三浦が乙武の不倫騒動、さまざまなチャレンジでぶつかった困難に迫る!
いじめ、孤立、セクハラ、同調圧力、ネットでの炎上……。生きづらさに立ち向かうには?両者が聞き手と答え手となり、攻守を入れ替えながら、およそ一年にわたって続けた対話の記録です。
どんな質問にもすべて受け切る。時には政治、社会を論じて、四方八方めった斬り、時には最もプライベートな領域にも踏み込む。話題の二人が包み隠さず語る過激で優しい対話集。
【本書の内容】
○女性として生まれてよかったと思う瞬間
○なぜ、結婚に夢を見ないのか
○どうして男性は自分より頭のいい女性が嫌い!?
○大きな挫折から学んだこと
○世間の作ったイメージを意識して生きてきたことへの思い 他
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Posted by ブクログ
三浦さんと乙武さんによる対談。三浦さんの話を乙武さんが聞いている様子が、とても心地良い。
「弱い存在を守ることと、リアリズムに立つことは、両立します。
私にとって理性で物事を判断するということは、けっして感情を殺すことではなくて、真実を見つめ続ける強さを裡に養うということです。」
強くて美しい、大好きな女性だなと思う。
以下、共感したところ
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「自分を伝え、相手をわかろうとする行為が関係を疲弊させる可能性ってありますね。とりわけ女性にとって、パートナーに自分を理解してもらうということは大事なように思います。
男性の多くが求めているように、単に相手に「受容される」というのではなくてね。でも、たいていの場合その望みは完全に満たされることがない。理解してもらえない気持ちを抱えながら、ぎりぎりのところを生きている女性は多いのではないかな。」(三浦さん)
男性の「受容されたい」と女性の「理解されたい」は似ているようで全く違う。理解してもらえない気持ちを抱えながら、ぎりぎりのところを生きている。読んでいて胸が痛くなる言葉。
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「自分が愛や献身を捧げる男性を、何をくれるかという比較衡量で選んだりはしない。
結局のところ「自分」について考えているだけ、自己中心的にみえる。」(三浦さん)
女性を悲しませて「自分が情けない」と感じる男性に、「そうじゃなくて」と思ってしまう。
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「特定の人との閉ざされた関係性を構築することに、どうしても不安がつきまとってしまう」(乙武さん)
無意識のリスク分散だろうか。閉じ込められる不安みたいな気持ちは凄く分かる。
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「魂に関してですが、人は悲しい経験をして、それをどう受け止めるか、それによって魂を育てることができるのではないかと思います。それにどう向き合ったかで魂にどれだけ敏感になり、どれだけその動きに耐えられるか、感じ続けられるかが決まるのではないかと。その意味では、魂がない、なんて人は当然いなくて、魂を感じるしんどい作業をやるかどうか、常にそれを感じてあげられるかどうかということなんじゃないですか。」(三浦さん)
三浦さんが「魂」という言い方をしているのが凄く素敵だなと思った。聴き慣れた言葉で言えば感受性なのだろうけど、そこに魂があると感じているからこその表現。
茨城のり子の「自分の感受性くらい」を思い出した。