あらすじ
あなたの知っている坂本龍馬、フィクションではありませんか? 龍馬の名は、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』など伝記小説から広まったため、実像と離れた「伝説」が生まれ、今なおそれが通説となっている。歴史学者が丹念に史料を読み解くことでわかった龍馬の実像とは!? 龍馬は薩摩藩士? 薩長同盟に龍馬は無関係? 亀山社中はあったのか? 大政奉還は龍馬のアイディア? など、新知見が満載。「英雄フィルター」を外してみれば、龍馬の真価が見えてくる。――(本書「プロローグ」より)私は、明治維新史を専門としているが、その主な対象は幕末政治史であり、さらに絞り込めば、薩摩藩を中心に研究を行っている。その他にも、攘夷といった対外認識論(外国に対する考え方、世界観)にもアプローチしている。そうした中で、とくに前者の研究において、龍馬の存在はきわめて重要である。しかし、史料にあたっていくと通説と違った龍馬の動向が散見され、過大評価された部分も少なくないと感じる。一方で、過小評価されていた部分も発見した。これは、龍馬の価値を高めることとなるだろう。こうした新しい龍馬を提示したい。
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Posted by ブクログ
読む前は、過大評価されている坂本龍馬説への非難かと思った。しかし、実際に読んでみると、過大評価や捏造されてたと思われている点、逆に過小評価や触れられていない出来事など、様々な指摘がしてあり、興味深かった。やっぱり、龍馬は、凄かった!
Posted by ブクログ
2018年大河ドラマ「西郷どん」放送の折り、
Twitterで史実に基づいた解説をしてくださっていた町田先生による
坂本龍馬本。
※町田先生ツイートがなかったら脱落していたほど、
あれは酷かった……。
私自身は幕末にくらく、司馬遼太郎作品にも興味がなく、
三十代の頃に「篤姫」でちょこっと興味を持った程度でしたので
「司馬史観」なるものを持っていないのですよ、ありがたいことに。
これまでの史観を覆す、ちゃんと史料から読み解かれた本ですので
実にありがたい。
まだ読んでいる途中ですが、忘れない内にレビュー欄を埋めました。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎「竜馬がゆく」の影響が余りに大きい中、坂本龍馬の実像を探る歴史学者の一冊。
政治家が、尊敬する人物なんかで定番の坂本龍馬。多くは司馬遼太郎のキャラの影響だろう。では歴史学として、坂本龍馬の実像はどうだったのか、龍馬ファンの歴史学者が近年の解釈からその実像を示す。
亀山社中や薩長同盟の存在を疑問視したり、小松帯刀と近藤長次郎の役割を高く評価したり、龍馬暗殺の犯人も明確に示すなど、司馬遼太郎ファンには驚きの内容。
ただし歴史学者の著作なので、文体は単調。歴史学は歴史学、小説は小説と割り切った方が良い。
過去の学問である歴史が時代を経て解釈が進んでいくというのがなんとも面白い。全国数多くの龍馬ファンが読んでみる価値はあるだろう。