井手上獏さんの存在を知り、写真集として欲しくて買った。
本当に普通のお嬢さんとしか感じられない、とても苦悩された様には見えないのだ。
そして今の日本にしては親御さん、教員、学校、学友が出来過ぎている。
「エッセイコンポーザー」の氏名がクレジットされている。コンポーザーとは作る人。
この語で検
...続きを読む索をかけると「ゴーストライター」がヒットする。まぁそういう事だろうと思っていたが、氏名が正々堂々と記されているので「ゴースト」では無い。
このエッセイコンポーザー氏は素晴らしいお仕事をされている。井手上さんから聞き書きもしたのだろうが、彼女の言い分をリアルに伝えている様に私には感じられるし、担任等への取材も、当たり前と言えば当たり前だが、丹念にやっていると思う。そして、決して氏の創作では無い様に感じられる、そのさりげないリアリティ、正にプロの仕事と感じる。
井手上獏さんの本当の苦しみは当事者性の無い私には分からないのだが、その苦しみを大仰に誇張するのでもなく、またその苦しみばかりでなく、前向きな生き方と周囲のこれまた良く出来た人々の存在が明らかにされる点は抜かりない。
井手上さんはモデルであるし、こうした女性にはそれを売りにして芸能活動をされる方もおられる。
私はそうした才能の発揮も否定する立場には無いが、ご自身の生活史や個性を公開せず、静かに一般の社会人として暮らしたい方々も多いのではないだろうか。
そうした方々が平穏無事に暮らせる様に世の中を変えていけば私達シスジェンダーにも生きやすくなるだろう。