あらすじ
「美しさ」そのものに潜む危険! 芸術作品が政治利用されることの危険についてはあらゆる本で論じられてきましたが、本書は、「美」あるいはそれを感じる感性そのものに潜む危険を解き明かした一冊です。第1部では高村光太郎の詩「必死の時」やジブリ映画「風立ちぬ」を例に、「美」は人を幻惑し、判断をくるわせてしまうことを説き、第2部ではトマス・マンの『魔の山』で描写された結核患者の美や戦時中の「散華」を例に、「美」が負を正に反転させてしまう恐ろしさについて論じます。いわば、「美学」という学問の画期的な実践編です。
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美しさとは
20代女としてどうしても美しさに囚われて生きているので気になって買いました。私達が囚われている美しさについて言及されている訳では無いが、美しさの概念について考えさせられる本でした。知識も増えたし、すごく面白くて読む手は止まりませんでした。
Posted by ブクログ
自分は、何故「悪の美学」を感じてしまうのか。
そんな疑問に端を発して選書したわけだが、実際に読んでみて、その疑問に対する自分なりのアンサーの解像度が上がった。感性の特徴である、陽性の統合反転作用。感性を通じて対象を「味わう」ときの懸念点と併せて記憶しておきたい。