あらすじ
「ぼくは真実を語ることにした」今世紀最大の英雄か、それとも国家を破壊しようとした叛逆者か―アメリカ政府による秘密の“大量監視システム”の存在を暴露したことで、最強の諜報組織NSAとCIAを敵に回した男、エドワード・スノーデン。全世界ベストセラーの自伝、ついに日本上陸!
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Posted by ブクログ
内部告発者として有名となったスノーデンについて、一人の人間としてのストーリーを伝えている本。いかに自分たちと共通する部分があるか、そしていかに強い信念と勇気、頭脳と愛情を持った人間であるか、ということを印象付ける。
国家が永久に私たちのプライベートな情報までも記録として収集し保管している、この事実への危機感や疑念を、あらためて抱く。本で書かれているように、2013年から法律や人々の意識の点でもよい変化がもたらされている一方で、より専門性を高め複雑化する政治と技術の関係性に、一般市民はどこまで何を知らされて、また何を知る必要があるのか、と不安にもなる。
社会の中でシステムの不全はいたるところで表面化しているけれども、システム全体を見て徹底的にその欠陥を見抜き、改善を求めることは、時間もかかるし、一貫性のある考えと行動がいる。そのシステムなるものが世界でも強大な権力である中で、スノーデンの取った行動とそれを可能とした明晰な知性は、現代に生きる民主主義国の市民としてのモデルでありリーダーであると思った。
★★★★★★★★★★★