【感想・ネタバレ】翼がなくてものレビュー

あらすじ

陸上200m走でオリンピックを狙う沙良を悲劇が襲った。交通事故に巻きこまれ、左足を切断、しかも加害者は幼馴染みの泰輔だった。アスリート生命を絶たれた沙良は恨みを募らせる。そんな泰輔が殺害され、高額な保険金が支払われた。犯人は誰なのか? また、絶望の底から再起を図る沙良の運命は? どんでん返しの先に感涙のラストが待つ傑作長編ミステリー!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

オーディブルにて。

陸上選手としてオリンピックも期待されていた主人公が事故で義足に。しかも加害者はかつての幼馴染。

途中からはミステリーの真相が読めたけれど、それでもスポーツの話として面白く読めて、最後には感動でうるうるっときた(出先だったので我慢)。

御子柴弁護士と犬養刑事も出てきて、中山七里さん読者なら胸熱…!

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中山七里さんの本は個人的に最近ちょっとハズレが多かったので、「犬養刑事と御子柴弁護士の夢の競演(!)」と評判の本書を読んでみることにした。<犬養+御子柴>とくれば、中山さんが生み出した二大キャラクターだし、ファンにはもうそれだけで垂涎ものまちがいなし、だから。

ただこの二人、メインではない。あくまで「友情出演」的な。それでもこの二人が出てくると私の安心感はやばかった。(→語彙力!)

表紙でなんとなくわかるが、テーマは陸上競技。それも障碍者スポーツとしてのもの。
パラリンピックなどで障碍者競技のことは知っていたけれど、競技を続けるうえでの金銭のことや器具(義足)、サポート仲間のことなどとても深いリサーチがされていて、自分の理解はまったくの不十分だったことがわかった。

感想をみると「陸上競技に興味がないから読んでいてもおもしろくなかった」というものもあったけれど、私はむしろ逆だった。200メートル走なんて高校の体育で走った(走らされた!)ことはあるものの、陸上部でもないしその世界のことはまったくわからない。それが中山七里さんの手にかかると、わずか30秒の200メートル走という世界がこんなに臨場感あふれて感じられるなんて。さすが中山七里、なのでした。

タイトルの「翼がなくても」は後半で御子柴が伏線回収していた。
「たとえ翼がなくても、きっと彼女は無理にでも飛び立とうとしただろう。ときどきそういう諦めの悪い人間を見かける」。

主人公の沙良の性格に感情移入できるかどうかが本書の感想を大きく左右すると思う。私もはじめのうちはやたら強引で、この人、社会人としてどうなの?と疑問のほうが大きかったが、なるほど、最後まで読むと、この強引さの裏の意志の強さ、熱量、情熱の出どころが理解できて納得した。どこかで「壮大な愛の物語だった」という感想を見かけたが、たしかにそういう面もある。

なにより<沙良のその後>を同著者の「総理」の中に見ることができた。コロナが蔓延する中、東京オリンピック、パラリンピックを行うかどうかの交換意見会で、沙良は時の総理に堂々と意見していた。この世界の人たちは、たとえ200メートル全力疾走したのちに果てたとしても、それは本望と言えるのかもしれない。
私事だが、プロのダンサーの知り合いがいる。彼女はいった。「舞台の幕がおりて照明が暗くなると同時に命が尽きて倒れられたらダンサーとしては幸せ」

それにしても「贖罪」という言葉、御子柴が使うと重いなあ。(褒めてる)


====データベース===
陸上200m走でオリンピックを狙う沙良を悲劇が襲った。
交通事故に巻きこまれ、左足を切断、しかも加害者は幼馴染みの泰輔だった。
アスリート生命を絶たれた沙良は恨みを募らせる。
そんな泰輔が殺害され、高額な保険金が支払われた。犯人は誰なのか また、絶望の底から再起を図る沙良の運命は
どんでん返しの先に感涙のラストが待つ傑作長編ミステリー!

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

事故によって足を切断したアスリート紗良がその障害を受容し新たな目標を得るまでの過程がきれい事抜きで表現されていた。
そこに事故の当事者である幼なじみ泰輔が殺害された事件の捜査に犬養、泰輔の弁護士として御子柴が登場するのもこの作家のファンとしては有り難い展開。
紗良がストイックに自分を追い込んで結果を求める姿は無条件に応援できた。
犬養VS御子柴の結果も(本来は良いことではないが・・)清々しいものであった。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

陸上競技のアスリートであった主人公が悲しい事故で片脚を失ってしまったけれど、障がい者として競技を続けていくお話し。加害者である幼馴染が亡くなった事件の真相は切ないものだった。
翼がなくてもひたむきに頑張る姿が良かった。理不尽な事故だったけれど、主人公のお父さんがかけた言葉が素敵だった。昏い感情に負けてはいけない。

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2022年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結果を出すためにこんな無理をするなんて、やはり一流のアスリートは、勝利への執念が人の何倍も何十倍もなければ成功しないんだな、と終始感じながら読書。
ただ目標を見失うことで、足元が崩れ落ちる恐怖は理解できる。とはいえ、五体満足な自分にはその痛みを完全には想像はできないが。
自分だけでなく他の人の想いを背負っていたからこその無茶だったのかと、ラストに泣いた。

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2024年10月04日

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