【感想・ネタバレ】大雪物語のレビュー

あらすじ

ある冬、N県K町が観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。町民をはじめ観光客、仕事のため車でK町に訪れた人々は、駅や車中など長時間足止めを余儀なくされた。町、県、国レベルの除雪作業も追いつかず、町の深刻な状況から災害救助法が適用され、自衛隊の派遣も要請される。そんな非日常のさなか、紡がれる6つのストーリー。、避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など、雪は冷たいからこそ、より一層心の温もりを感じられる短編作品集。

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非日常で紡がれる物語

人は非日常に遭遇した時、本音が出るというか、自分を見つめ直して正直になれるのだろうか。雪で閉じ込められた時をコロナ禍で閉じ込められた時と重ねて読んでいた。どうなるか分からない日常だからこそ、素直に生きれたら素晴らしいと思った。物語の中では、雨だれのプレリュードが好きです。

#癒やされる #切ない #共感する

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2024年01月15日

Posted by ブクログ

避暑地K町の大雪が見舞われた時の人々の物語。巻末の解説が分かりやすい。短編それぞれに繋がりがある箇所もあり面白い。実際にあった話のようでもある。第一話の『転落』ではちょっと嫌な気持ちになったけれど老婆の優しさが伝わってホッとした。その他の話もしみじみといい話だった。

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

藤田宜永『大雪物語』講談社文庫。

記録的な豪雪に見舞われた長野県のK町を舞台に繰り広げられる様々な人間模様を描いた同時進行短編集。『転落』『墓掘り』『雪男』『雪の華』『わだかまり』『雨だれのプレリュード』の6編を収録。

事情を抱えた人びとが豪雪という非日常的な状況下で体験する奇跡のような時間……なかなか読ませてくれる。

派遣切りで行き場を失った挙げ句ひったくり強盗を犯し、K町に逃げ込んだ若者、遺族と共に遺体をK町に運ぶ途中に豪雪に見舞われた男、豪雪でバイバスで身動きが取れなくなった人びとに店を開放した花屋の店主、豪雪対応でK町に派遣される自衛官……

本体価格660円
★★★★★

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2020年01月19日

Posted by ブクログ

一つの町で様々な人の立場から、大雪に見舞われた人々が織りなす様々なストーリー
一つ一つの話が長くなく読みやすかったです。
大掛かりなどんでん返しがあったり何か特別な出来事があるわけではないのですが、日常の中での災害に対して色々な人の思い、考え、行動が示されている本だと感じました。

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2024年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今年の冬は大雪のニュースをよく耳にするので、本作を読んだ。

藤田宣永さんというと、冒険小説の大家のイメージが強いが本作はその流れでなく、大雪で町に閉じこめられる特殊な状況の中でのちょっとした人間ドラマを描いたもの。

6篇からなる短編集だが、作者はミステリーも書いているので、最後に仕掛があるかと思いながら読み進めた。大雪とk町が舞台という他は共通点もなく普通の短編集であったのには肩透かしを喰らった。もっとも勝手に期待してた自分が悪いのだが・・

好みは「雪男」。主人公の男性は中々素敵なおじさんだと思います。

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2023年02月03日

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