あらすじ
「日本資本主義の父」、渋沢栄一。武蔵国血洗島村の農家に生まれた栄一は、明治維新政府で大蔵省の骨格を作り上げた後、実業界に移り、日本資本主義経済の偉大なる確立者、指導者となる。日本初の株式会社、日本初の銀行、第一国立銀行(現在のみずほ銀行)、東京商法会議所(現在の東京商工会議所)の設立など、その業績は枚挙にいとまがない。数々の業績を残して日本の資本主義を築いた渋沢栄一が、どのようにして偉人になりえたか、それを彼の前半生にさがして描き出す。
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Posted by ブクログ
大河ドラマ青天を衝けでは、企業人としての渋沢栄一は描かかないらしい。それはどうやら、晩年の記録があまり残っておらず、描けないのだということ。この本を読んで合点がいった。
彼の転機は3つ。
・尊皇攘夷派の彼が縁あって一橋徳川家の幕臣として働くようになったこと。
・徳川昭武のフランス留学に随行して士農工商のワク組みに囚われない近代を見たこと。
・大隈重信に誘われ大蔵官僚として働くも、前衛的すぎる改革が周りの反感を買って辞めたこと。
そして凄さも3つ。
・時勢の本流を見極める洞察力
・粘り強い論理的な弁術
・理財(財務のセンスと経営力)
大河ドラマというより、TBS日曜劇場のような脚本で見てみたい気もする。