あらすじ
「スキルのデフレ化とセンスのインフレ化」はあらゆるジャンルで進行している! 『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)の楠木建と『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』(光文社新書)の山口周が「仕事ができる」の正体を求めて新時代の仕事論を語り尽くす。仕事ができる人――本書でこの言葉の定義は「この人ならなんとかしれくれる」、もっと言えば「この人じゃないとダメだ」「余人をもって代えがたい人」である。プログラミングができる、英語が話せる、財務分析ができる――「あれができる・これができる」と言っているうちは半人前。スキルを超えたセンスにこそ「仕事ができる」の正体がある。スキルを伝授しようとする本は無数にある。しかし、センスの問題に正面から向き合った本は稀少だ。ほぼすべての人がセンスの重要性について薄々は気づいているにもかかわらず、である。本書はスキルとセンスの相克をテーマに、日本のビジネスシーンで「スキル優先、センス劣後」の状況が起きる理由から、「何がセンスを殺すのか」「センスを磨くとはどういうことか」まで、「仕事におけるセンス」の問題について2人が縦横に論じる。
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Posted by ブクログ
・仕事ができる。は顧客に価値を与えられる。人に頼りにされる。これはスキルの延長線上にはない。マイナスからゼロへ。ゼロからプラスはセンス。平均点にお金を払う人はいない。
・スキルとセンス。「明らかにプレゼンテーションのスキルがあるにもかかわらず、話がものすごくつまらない人」がいる。「プレゼンテーションの構成や方法は出鱈目なのに話に大いに引き込まれる人」もいる。
・スキルは安心感がある、センスというと人々は不安になる。ただ役に立つ(便利)ことから意味があることにすでに世の中は移行している。
・解決がスキル、問題設定がセンス。環境変化では問題設定が。
・「私は直観派」「私は論理派」っていう分類自体が眉唾物です。どちらもある人とどちらもない人、あっさり言えば「できる人」と「できない人」に二分されるのではないか。
・「個性の時代」とか「多様性の時代」などと言いながら、一方で「スキルが大切です」というのは、一歩引いて見ればけっこう矛盾を含んだ話なんですよね。
・分析、調査は仕事ができない人にとって吸引力がすごい。
・仕事ができる人の共通項として、もちろん仕事は情熱を持ってやるんですけれども、一方で仕事をしている自分を客観視しているというか、「ま、しょせん仕事だよな」という、ちょっと醒めたところがある気がする。 「ワークライフバランス」。仕事ができる人には、仕事人である以前に一人の人間、生活者であるという意識が伝わってくる人が多いように思います。
・センスに序列をつけてる時点でセンスない。
・「常に機嫌よくしていて挨拶を欠かさない」
・偉い人というのは貸しが多い人。仕事ができる人は気前がいい人が多い。
・「スキルとセンス」についても同様のことが言える。言うまでもなく、「部分」を十全に成立させ、機能させるためには「スキル」は必要だ。逆に言えば「スキル」が必ず具体的な個別活動と紐づく以上、「スキルは部分化する宿命」にある、ということだ。したがって、いくら「部分」の機能を向上させたからといって、それで「全体」がうまく成立し、機能するとは限らない。俯瞰的な視野からシステムの弱点をつかみ取り、時流に合わせてシステムを改変していくには「全体」を大きな枠組みとしてそのままに捉える「センス」が不可欠になる。
学びが多すぎて泣きました。
Posted by ブクログ
「センス」と「スキル」、、、仕事ができる、できないをユニークな切り口で分析している。
野球好きの私としては、個人的に山本昌とイチローの逸話が面白く、わかりやすい例えでした。
Posted by ブクログ
「仕事ができる」とはどうゆうことか?
全部教えてくれる。。。
■役に立つのは「スキル」、意味があるのは「センス」
・役に立つスキルは、ユニクロ
・「意味があるかどうか」はユニクロの10倍の価格のデザイナーファッション
・昔は役に立つことが大事だったが、「意味」は人によって違う。
→問題は解決すればするほど、「量」から「質」へシフトする。
■身の置き場所が非常に重要
・努力すれば成功する、は間違っている。
・野球のプロは1軍登録選手300人、陸上だと300位は評価されない。
・戦うフィールドは非常に重要
■仕事ができるかどうか、自己の評価の必要は一切ない
・どうしても自己評価は甘くなる。だいたいが過大評価になる。
・自己を客観視する事は、顧客の立場で自分を見る事。
→仕事ができる人は、常にこの視点が自分の思考や行動に組み込まれている。
■部分最適化・スキルフルな人にならない
・最終成果を見落として、目先の事に目が行ってしまう。
・会社がもっと業績を上げるためにはが、英語・プログラミング・などスキルに目が行ってしまう。
・組織全体をトップからプロキシの考え方で下へ下へとおろしていくのは、洗練されたマネジメント。
★飛行機のCAがカレーとチキンでカレーが切れる。
→多くの人に謝る。→お詫びのスキルを上げる×【部分最適化】
→チキンとカレーの配分比率を変える。そもそも期内職への期待を考えるとカレー1本でいいのでは?
【全体感】
・みんなが部分最適化になってしまうのは、経営能力の問題
・担当者レベルの仕事では、部分最適化が必要だが、経営者は全体を見なければならない。
■センスと意欲
・センスはあるけど意欲はない
→一番リーダーに向いている。楽して勝とうとするので、全員幸せになる。
・センスがあって意欲もある
→対象を支える参謀が向いている。
・センスはないけど意欲はある。
→一番問題。玉砕覚悟の突撃をさせて部下を殺す。
・センスも意欲もない
→きっちり管理して現場をやらせる。
■プロの仕事・TODOのつながり「順序」が恐ろしく凄い。
・箇条書きにして「これを全部やれ」×
・「まずこれだけやろう」〇→やる事の順番がロジックで出来ている。
・単なる優先順位ではなく、どうゆう戦略で順序だてて動くか。
(原田氏のマックの立て直し)
・従来は作り置き→オーダーを受けてから作るスタイルに大きな投資・負担をかけて変更
→全店一斉に切り替え。→そのタイミングで100円マック。→多くの人が「美味しくなったことを実感」
→そこからメニューをヘビーで単価が高いものに変えていく。→カロリー、オイリー、体に悪いと言われながらも一番売れる。
→うまく利益が回りだしたところで不採算店を閉じる→業績が一気に回復。
■戦略とは
・必殺技ではなく、筋が通った独自の戦略ストーリー
・山本昌投手、イチローの方が球が速い。
「速い球を投げるのがプロではなく、速く見える球を投げられるのがプロ」
・配球の組立で50歳まで現役
■競争がある中で、何故成功するか?
・収益の背後にあるストーリー 流れがある。論理でつながっている。
・全てを一度にやるのではなく、「ここだけを徹底的にやる。後はほおっておいていい。ここが何とかなれば、あとは何とかなるから。」
・ストーリーがあるから人がついてくる。数字や目標では人はついてこない。
・ストーリーがある中に、色々な要素が組み込まれる。(同じ情報を取得しても活かし方が変わる)
(DXがいい。ではなく、DXをストーリーのどこに組み込み、どう変わるか)
■話を聞いてもらう行為で、それぞれが意味を形成する。
・パワポを使わずに伝える。(パワポは並列箇条書き思考を促進する)直列が大事。
・パワポはセンスを殺す。
■仕事ができる人の思考はインサイド・アウト
・情報は不完全でも、まずは自分なりのロジックやストーリー、自分なりのハッピーエンドが見えている。
・知らない事もたくさんあるが、後からとりに行けばいい。
■キャリアプラン
・お笑い芸人がひたすら漫才の練習をする。→分かりやすい努力で陥りやすい。
・お笑い芸人としての戦略を考える。→正解がないが自分自身をどうプロデュースするか。
■人間らしさはデータでは見えない矛盾
・松下幸之助
・妾がずっといて一緒に事業を作ってきた奥さんをないがしろに
・儲けに対する異常な執着
・過去の成功パターンに執着して重要な意思決定が出来ない。
・自分の子供に会社を継がせたくて迷走
■一流の人は自分が小さい
・二流:自分が二流だとわかっている。
・三流:そうゆう意識がない
・一流:評価自体がどうでもいいし、気にしない。人間理解は平面的ではない。
■オープンハウス荒井社長
・「いろいろあるけど要するに」というフレーズで結論がすっと出てくる。
・問題を抽象化、論理化してしまう。
・センスのない人は細かい具体的な話を色々する。一向に本質に至らない。
・「これってこうゆうことじゃないか」→「本質はここだからこうやったら解決する」=「要するに」
・センスの優れた経営者は、日常の仕事の中でこの往復運動を呼吸のようにやっている。
→未知の新しい事象が日々起こっても、ディープラーニングで膨大なストックが支える。「いつか来た道」
★センスがある
=具体と抽象の往復運動を物凄い振れ幅とスピードでやっている。
→優れた人はぶれない・意思決定が速い。
■どこが自分の土俵か
・スキルは色々な所で使えるが、「センス」はその場限り。間違えると空回り
・土俵を見つけるのは場数。だんだんわかってくる。
・自分の強みはこれだ×
・色々な事にトライして、結果を直視。
■上手なインプット
・何を知りたいのか、が分かっている。
Posted by ブクログ
「仕事ができる」とはどうゆうことか?
■役に立つのは「スキル」、意味があるのは「センス」
・役に立つスキルは、ユニクロ
・「意味があるかどうか」はユニクロの10倍の価格のデザイナーファッション
・昔は役に立つことが大事だったが、「意味」は人によって違う。
→問題は解決すればするほど、「量」から「質」へシフトする。
■身の置き場所が非常に重要
・努力すれば成功する、は間違っている。
・野球のプロは1軍登録選手300人、陸上だと300位は評価されない。
・戦うフィールドは非常に重要
■仕事ができるかどうか、自己の評価の必要は一切ない
・どうしても自己評価は甘くなる。だいたいが過大評価になる。
・自己を客観視する事は、顧客の立場で自分を見る事。
→仕事ができる人は、常にこの視点が自分の思考や行動に組み込まれている。
■部分最適化・スキルフルな人にならない
・最終成果を見落として、目先の事に目が行ってしまう。
・会社がもっと業績を上げるためにはが、英語・プログラミング・などスキルに目が行ってしまう。
・組織全体をトップからプロキシの考え方で下へ下へとおろしていくのは、洗練されたマネジメント。
★飛行機のCAがカレーとチキンでカレーが切れる。
→多くの人に謝る。→お詫びのスキルを上げる×【部分最適化】
→チキンとカレーの配分比率を変える。そもそも期内職への期待を考えるとカレー1本でいいのでは?
【全体感】
・みんなが部分最適化になってしまうのは、経営能力の問題
・担当者レベルの仕事では、部分最適化が必要だが、経営者は全体を見なければならない。
■センスと意欲
・センスはあるけど意欲はない
→一番リーダーに向いている。楽して勝とうとするので、全員幸せになる。
・センスがあって意欲もある
→対象を支える参謀が向いている。
・センスはないけど意欲はある。
→一番問題。玉砕覚悟の突撃をさせて部下を殺す。
・センスも意欲もない
→きっちり管理して現場をやらせる。
■プロの仕事・TODOのつながり「順序」が恐ろしく凄い。
・箇条書きにして「これを全部やれ」×
・「まずこれだけやろう」〇→やる事の順番がロジックで出来ている。
・単なる優先順位ではなく、どうゆう戦略で順序だてて動くか。
(原田氏のマックの立て直し)
・従来は作り置き→オーダーを受けてから作るスタイルに大きな投資・負担をかけて変更
→全店一斉に切り替え。→そのタイミングで100円マック。→多くの人が「美味しくなったことを実感」
→そこからメニューをヘビーで単価が高いものに変えていく。→カロリー、オイリー、体に悪いと言われながらも一番売れる。
→うまく利益が回りだしたところで不採算店を閉じる→業績が一気に回復。
■戦略とは
・必殺技ではなく、筋が通った独自の戦略ストーリー
・山本昌投手、イチローの方が球が速い。
「速い球を投げるのがプロではなく、速く見える球を投げられるのがプロ」
・配球の組立で50歳まで現役
■競争がある中で、何故成功するか?
・収益の背後にあるストーリー 流れがある。論理でつながっている。
・全てを一度にやるのではなく、「ここだけを徹底的にやる。後はほおっておいていい。ここが何とかなれば、あとは何とかなるから。」
・ストーリーがあるから人がついてくる。数字や目標では人はついてこない。
・ストーリーがある中に、色々な要素が組み込まれる。(同じ情報を取得しても活かし方が変わる)
(DXがいい。ではなく、DXをストーリーのどこに組み込み、どう変わるか)
■話を聞いてもらう行為で、それぞれが意味を形成する。
・パワポを使わずに伝える。(パワポは並列箇条書き思考を促進する)直列が大事。
・パワポはセンスを殺す。
■仕事ができる人の思考はインサイド・アウト
・情報は不完全でも、まずは自分なりのロジックやストーリー、自分なりのハッピーエンドが見えている。
・知らない事もたくさんあるが、後からとりに行けばいい。
■キャリアプラン
・お笑い芸人がひたすら漫才の練習をする。→分かりやすい努力で陥りやすい。
・お笑い芸人としての戦略を考える。→正解がないが自分自身をどうプロデュースするか。
■人間らしさはデータでは見えない矛盾
・松下幸之助
・妾がずっといて一緒に事業を作ってきた奥さんをないがしろに
・儲けに対する異常な執着
・過去の成功パターンに執着して重要な意思決定が出来ない。
・自分の子供に会社を継がせたくて迷走
■一流の人は自分が小さい
・二流:自分が二流だとわかっている。
・三流:そうゆう意識がない
・一流:評価自体がどうでもいいし、気にしない。人間理解は平面的ではない。
■オープンハウス荒井社長
・「いろいろあるけど要するに」というフレーズで結論がすっと出てくる。
・問題を抽象化、論理化してしまう。
・センスのない人は細かい具体的な話を色々する。一向に本質に至らない。
・「これってこうゆうことじゃないか」→「本質はここだからこうやったら解決する」=「要するに」
・センスの優れた経営者は、日常の仕事の中でこの往復運動を呼吸のようにやっている。
→未知の新しい事象が日々起こっても、ディープラーニングで膨大なストックが支える。「いつか来た道」
★センスがある
=具体と抽象の往復運動を物凄い振れ幅とスピードでやっている。
→優れた人はぶれない・意思決定が速い。
■どこが自分の土俵か
・スキルは色々な所で使えるが、「センス」はその場限り。間違えると空回り
・土俵を見つけるのは場数。だんだんわかってくる。
・自分の強みはこれだ×
・色々な事にトライして、結果を直視。
■上手なインプット
・何を知りたいのか、が分かっている。
Posted by ブクログ
野球のプロは一軍登録選手
300人だけど
陸上選手の300位は評価きれない
→戦うフィールドは非常に重要
マック 原田氏
従来は作り置き→多額の投資→注文されてから作るスタイル→全支店で!このタイミングで100円マック→多くの人が美味しくなったと実感
マックは体に悪いとわかりながらも売れる
ストーリーがあるから人がついてくる
数字や目標では人はついてこない
▪︎キャリアプラン
正解がないが自分自身をどうプロデュースするか
優れた人はぶれない
意思決定がはやい
努力していると安心する
自分が生きるポジションを理解して
身を置くこと
Posted by ブクログ
スキルないよりあった方がいいけど、スキルだけではこれからは厳しい時代になるのだろうと、自分の仕事に対する姿勢を考えさせられる本でした。
この本のテーマ「センス」。
センスを磨くためには、自分の頭で考えながら仕事していくことが大切なんだろうなと思った。
例えば、
この仕事の目的は?
どうして上手くいかなかったのか?
今回のケースはあの時の失敗から学んだ、あの考えが応用できるかもしれない。
そうか!これはあの本に書いてあるあのことを抽象化すると同じことが言えるかもしれないぞ
・・・のような。
自分のセンスが発揮できる場所を選ぶことが必要だし、それはモチベーションの高く仕事できるところなのだろう。
具体と抽象。目の前の仕事に真剣に取り組むことも、全体を俯瞰してみることも、両方必要ということだと捉えた。
レゴ、カルロス・ゴーン、お詫びのスキルがひたすら上達する客室乗務員など面白い話が複数あった。
対談形式で時々クスッとなることもあり読みやすく、有意義な読書時間となった。
Posted by ブクログ
結局のところ「どれだけ失敗が許容されるか」がセンスの醸成には必要だということだと思う。
学力はあれどセンスがない人がいる。この本はそれを起点として楠木 建 氏, 山口 周 氏がそれこそセンスを発揮して論じていくという内容である。
この本を読んで気づいたのは、センスとは収集された大量の知識や経験を未来に向かって再構成するチカラだということである。学校教育が知識の高を問うことが多く、それに基づいて会社等の組織は人の優劣を評価している場合があるが、センスが極端に無い人が起こす悲劇は後を立たない。お二人共その悲劇の犠牲者だったり犠牲者の近くにいる立場であることからその構造についてよく考えている。
この書籍では幾人かが紹介されている訳だが、センスがある方々ということで白土謙二氏、原田泳幸氏が紹介されている。結論から言うとおふたりともグラフィックレコーディング(グラレコ)を書いているのだがこの本の内容を知ってから描くのとそうでないのでは相当内容が変わったのではないかと思っている。
白土謙二氏の時代を読むチカラ、原田泳幸氏の会社立て直しのためのシナリオ構成力。それぞれに必要な専門知識はもとよりその周辺に関する肌感覚、そしてそれを時間軸をつかって再構成することができるか。何かを作る・立て直すということに深くコミットし、多くの失敗を通じて学ぶことなのだろうと推察する。