あらすじ
生に無頓着なのに、死と隣り合わせだったあの頃。あなたと優しい幽霊、古い一軒家、アトリエ、そして玉川上水のほとりの並木道……。あまりにも完璧な、けれどもどこか曖昧な環境で、かけがえのない人さえ守りきれなかった私たちの、歪でつかみどころのない青春群像。受賞作を含む連作短篇集。
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Posted by ブクログ
「蚊の視界は上下が逆さまになっている。我々の目に天と映るものが下にあり地は上にある。蚊にとって上昇とは我々にとっての下降であり、だから飛行も難しくないのだ」という話を読んだ記憶がある…ずいぶん前なので真相は定かではないが。
ものの見方捉え方が全く異なるということもあるらしい。
見たままを克明に捉えれば画は写実的になるはずだが
描く人によって表現が変わるということは、描く人それぞれにとって見え方は違っているのだろう。
川沿いにある美大とそこに携わる人々を描いた短編集。
描く人・見る人の視点だけでなく描かれる側・見られる側の視点からも表現があって、丸いドームの中にいるような立体的な構造という印象を持った。
見えているものだけでなくて見えないものも確かにある
忘れなければ消えることはない、のかも知れない。
Posted by ブクログ
美大を目指す生徒とサポートする先生・亡き妻を求める老画家のアトリエ・迷惑なようで憎めない幽霊達。。。無頓着な人と執着する人や、生と死が重たくい印象で書かれている。
Posted by ブクログ
あれ、存在していないのかも、と思いつつ懐かしい人が来てくれたら受け入れてしまいそう。古い一軒家、アトリエなどの状況がそれに違和感を感じさせない。