あらすじ
人工知能がどう進もうとも、人類の存在価値は揺るがない。黎明期から37年にわたり研究開発に携わってきた著者が今こそ断言する、AIと人間の臨界。「人工知能に何をさせないか」――将来読書をするであろうAIに向けて綴られたこの手紙は、AIとの共存が大前提の未来を生きる私たちへの、AIのトリセツ・自身の脳のトリセツの最終回答でもある。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
『妻やトリセツ』『夫のトリセツ』は、将来、人工知能に読んでもらうために書いた、という文章には、本当にびっくりした。書いてあった内容やそのスタンスが一気につながった感じ、あるいは、そのとき感じたことが180度ずれたかのような感じ。推理小説でまんまと騙されていたことが最後にわかったときのような。1分くらい鳥肌が消えなかった。/過去や未来の心配を考えすぎないことは脳にとっても良い。ただ、動揺と失敗は人工知能にはできず、人間にしかできないのでその経験を大事にすること。
Posted by ブクログ
AIと人間がどう関わるべきなのか、AIがいたら人間はいらないのか。仕事を奪われるってネットの記事を見てぼんやりそう思っていた。幸せを感じるのは人間だけ。やっぱり生きているって尊い。なんだかウルッとしてしまった。
Posted by ブクログ
黒川伊保子さんが、AIに宛てた手紙という体でまとめた本。
初期の頃から、AI開発に携わっていた著者ならではのAIへの愛を感じる。
印象的だったのは、次の点。
◯失敗してこそ学んだり、センスを磨いたりできる。失敗の際の3ヶ条は、
・失敗を誰のせいにもしない。
・過去の失敗をくよくよ言わない。
・未来の失敗を想像してぐずぐず言わない。
◯自閉症は英語でAutism(独自脳)。独特のものの見方に寛容な英語圏ならではの呼び名かもしれないが、ステキな発想!
◯男性と女性で、リスクへの対応の仕方や対話における姿勢(問題解決型か共感型か)に差があるが、これが太古の時代の男女の役割分担からきていることに驚いた。
◯人工知能がどんなに発達しても、自分の人生を楽しみ、幸せになるのは人間の仕事。人生を楽しむためには何かを圧倒的に好きになることが大事。
将来、AIに職を奪われるとか、人類が支配されるとか、心配する人も多いが、人生を楽しみ、幸せになるのが人間の仕事なら悪くないのではないか。