あらすじ
ふうわり心が温まる畠中恵ワールド。ドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第1弾!
江戸は神田、玄関で揉め事の裁定をする町名主の跡取りに生まれた麻之助。このお気楽ものが、町の難問奇問に立ち向かう。
ある日、女好きの悪友・清十郎が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。嫁入り前の娘にできた子供の父親にされそうだという。本当の父親は一体誰なのか!?
「まんまこと(=真真事・ほんとうのこと)」を麻之助が解き明かす短編連作シリーズ。
解説・吉田伸子
※この電子書籍は2007年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
しゃばけシリーズとは一線を画す、江戸もの物語です。どんな話の展開になるのかと最初は疑問だったんですが、しゃばけに引けをとらない、おもしろいシリーズです!
主人公・麻之助を中心に、個性溢れる仲間が町の問題を解決していきます。しゃばけと中身が被りそうで被らないあたりが著者の腕前。おもしろかったです。次も読みます。
Posted by ブクログ
お江戸の町人、ハートフルミステリー?。
遊び人・お気楽人設定の、でも粋な感じの町名主の息子が主人公。
人情ひっくるめて、「いいところ」で手打ちにする感。
面白かったと思います。
途中散りばめられていた伏線的な話は、行き過ぎた想像をちょっとさせるけど、実際は、主人公イメージと変わらず、そこまでのことはありません(笑)。
Posted by ブクログ
<目次>
略
<内容>
しゃばけシリ-ズの著者の本。江戸は神田の町名主の家の若だんな(高橋麻之助)とその友人たちが、例によって事件に巻き込まれながら、無事に解決していく。しゃばけシリーズと似た点も多いが、「妖」の手は借りないし、主人公の淡いけど恋愛沙汰も関わっていく。江戸風情をしっかりと書き込んだ作品だ。
Posted by ブクログ
畠中さんの作品は初めてでしたが、面白い!マジで。
どれくらい面白いかというと、早速続編を購入したほどです。
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舞台は江戸。お上に訴え出るほどでもなく、長屋の住民同士で解決できる範疇を超えている、そうした「中くらい」のいざこざ・もめごとは、町の名主が裁定していたという。家の玄関前で裁定していたので、そうした名主を「げんか」というとのこと。
主人公は神田界隈の名主の跡取り息子、麻之助。
これがまた、16歳の時まではしっかりした子だったが、突然「真面目さ」をどこかで失くしてきてしまったかのようにチャランポランになってしまった。
この麻之助と、女性に事欠かないイケメン色男清十郎、そして堅物の同心見習の吉五郎。彼ら三人が織りなす、エンタメアクション系+推理系人情系時代小説?
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さて、本作のどこがよいか、というとやはり主人公なのです。
決断が遅いとか、責任を持ちたくないとか(結婚とかいや)、実家住まいながら、我儘言い放題のちょっと面倒な若者笑 ただ、心の奥底ではとても素直で真面目、そして茶化しながらも筋の通った裁定を時に親の代わりに下したり。
何というか、ギャップ萌え的というのでしょうか。
そして、全編通じてじわじわと描かれる、敗れた恋への後悔。そう、きっと麻之助をチャラチャラへらへらに変えたのはその失恋!
そして、その対象がめっちゃ近くにいたりするのです。このあたりも見ものです。
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ちなみに内容は、連篇となっており、少しずつ前後に関係があります。
各話で事件が起こります。「この子はあなたの子よ」とか、堅物の半ボケ老人が昔の恋(架空)を語るうちに本当にその恋人の娘を騙る女性が出てくる、とある植木が誰のものか、親友清十郎の弟が誘拐される、とか。
こうしたトピックが、「まんまこと」「柿の実を半分」「万年、青いやつ」「吾が子か、他の子か、誰の子か」「こけ未練」「静心なく」の六篇構成に散らされ、ある意味テレビドラマのごときの印象でありました。
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ということで、私にとって初の畠中作品でした。
ハマる雰囲気たっぷりです。麻之助とお寿ずの偽装結婚が、本当の恋になるのではと期待しつつ、次の作品は少し時間をおいてから読もうかと思います。