あらすじ
白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。それを突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!? 鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。感動のクライムサスペンス巨編!
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Posted by ブクログ
10月10日土曜日、いつもと変わらないスクランブル交差点の中央で何も無い空を指さしながら死んでいく老人がいた。老人の名前は正光秀夫。その後、興信所を営んでいる鑓水と修司のもとに元与党の重鎮である磯部満忠の私設秘書、服部裕之が「1000万を支払うので正光が何を指したのかを調べろ」という依頼をされる。ほぼ同時に、警察官を停職中の相馬のもとに警視庁公安部の前島から部下の山波が行方不明になったので探せという命令を受ける。正光と山波を調べるうちに2人は繋がっており、正光は山波の逃亡を手助けしたのではないかという線が浮上する。3人は正光の旧友であると考えられる白狐を追って岡山県の離島、曳舟島へと向かう。
この物語は戦争が絡んでおり、海軍や大本営など戦争の時代には厳しい情報統制が行われていたことがよく分かった。相変わらず相馬・修司・鑓水の掛け合いが面白い。3人とも恋人がいるのが微笑ましい。鑓水の過去についてはこれまであまり触れられて来なかったので、結末と共に下巻でどのような展開になっていくのかが楽しみ。
Posted by ブクログ
犯罪者、幻夏と読み進めてついに三作目の天上の葦。
犯罪者・上とは打って変わって天上の葦・上を読み終えても謎が多すぎてまだまだ繋がらない部分ばかり。犯罪者・上ではドキドキが止まらず、ミステリー・サスペンス特有の楽しさが全面で下を手にしたが、今回は天上の葦・上を読み終えての感想は「?」。ここからどう転がっていくのか。とにかく上だけでも情報量が多くて一回整理しないと…という気持ちもあるがまずは下を手にしてみようと思う。
そして全てがつながった時、再読したい。
犯罪者では繁藤、幻夏では相馬。そして今回は鑓水のバックグラウンドにも触れていて、三作それぞれで登場人物を知れるのもまた良い。