あらすじ
2030年の世界を見通すSDGs。これから2030年までに何が起こるのだろう。
未来を予測するためのデータには、様々なものがありますが、ひとついえるのは、これからの社会は今までとは全く違ったルールによって営まれるということ。
現在の世界はどうなっているのか、これから世界はどこに向かっていくのか。
SDGsの枠組みを借りながら、世界の問題点を掘り下げると同時に、今起こりつつある変化について語ります。
●テクノロジー×地政学でみる世界の勢力図
GAFAMによる世界支配を推進するアメリカ、一帯一路で経済圏を拡大しようとする中国、SDGsやパリ協定を通じてイニシアチブを発揮しようとするヨーロッパ、未開拓の市場で独自のイノベーションを生み出すサードウェーブ(インド・アフリカ)。多様化する世界を紐解けば、それぞれの地域に独自の戦略が根づいていることが見えてきます。ニュースをひとつとってみても、まったく違う視点で世界をとらえられるようになるはずです。
●一目で状況がわかる「地図」
全編を通じて「地図」を多用し、世界の状況が一目でわかるようにしています。
また、池上彰先生、大阪大学の安田洋祐先生の対談を交え、最先端の世界の真相に迫ります。
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Posted by ブクログ
グラフが興味深い!今後の経済には下記に投資していくのが吉か!?
・インド 人口1位、圧倒的なGDPの3強の一角に。
・インドネシア GDP世界4位に!人口上位
・ベトナム GDP成長率世界2位。2050年24位
・フィリピン、マレーシア GDP成長率大きい。人口圧倒的では無いので2050年でも30位前後
・アフリカでは ナイジェリア、パキスタンがGDP成長率高く、2050年で20位以内へ
IBMが毎年発表している「5 in 5」要注目
・2035年前後は地価の大暴落 ← 団塊世代死亡。地価相続税払えない
Posted by ブクログ
自分にできることから始めよう。
仕事で取り組んでいるSDGsだが、不意に無力感や疑いを抱くときがある。先日テレビ番組で同年代と知った著者に惹かれてこの本を読んだ。
世界を見るに大切なテクノロジーの動向を、アメリカ、中国、ヨーロッパ、そして第三のイデオロギーという4つのイデオロギーで説明している。SDGsでも取り上げられている課題である貧困と環境についての説明も、年代によって持っているイメージの差を更新することで語っている。『ファクトフルネス』でも指摘されていたが、かつて教科書で見たアフリカやアジアのイメージはすでに古いものなのだ。
アメリカが温暖化対策に背を向ける理由を深く知ることができた。再生可能エネルギーにばかり注目は集まるが、ヨーロッパのルールではなく、シェールガスでの温暖化ガス削減を目指してもいるアメリカ。一方で温暖化ガス削減は言えども原子力エネルギーに頼りがちな面もあるヨーロッパ。法の支配、思想、規制のヨーロッパとイノベーションのアメリカ。
イメージだけで考える危険性と、日本が取れる道の選び方。新しいルールとフェアなゲーム。SDGsの思想的な背景を知ってこそ、日本だったり一個人の自分だったりが取れる行動が考えられる。少し心の整理につながった。
Posted by ブクログ
SDGsは地球にやさしい環境対応のことだと思っていたけど、本書を読んで、SDGsとの付き合い方が変わった。
持続可能性ってどういうこと? 誰かが答えていた(本書ではないけど)、持続可能でないということは、”このままじゃ、暮らせない”ってことだよ、と。翻訳がいけないのかもしれない。子孫に残したい暮らし方の目標・ゴールのことかもしれない。
テクノロジーが、今後進歩を速めていったとき、デジタル対応の仕方が4つあると説く。①アメリカン・デジタル(圧倒的・革新的なイノベーション)、②チャイニーズ・デジタル(国家を後盾にしたイノベーション)、③ヨーロピアン・デジタル(伝統と文化を背景にブランド化&SDGs)、④サードウェーブ・デジタル(BOTなどリバース・イノベーション)。日本が、私たちが目指すのは、絶対無理な①②④を除くと、③しかない。(勿論、⑤ジャパニーズ・デジタルなんて100年経っても無理)そしてその方法がSDGsだと、説く。
私たち日本人は、とかく真面目で、0から1を創り出すのは難しいけど、1から100へのイノベーション力は負けない。しかも、厳格な制限の中でこなしていく術は、きっと世界一だと思う。だから、SDGsのような枠の中で生き残り戦略を立てるのは好都合かもしれない。いや、それしか残された道はないかもしれない。だから、今、SGDs。あらためて、2030年を目指して、SDGsを考え直さなければならない。
(補足)
貧困とは金銭を多く持たないことではない。未来に開かれた可能性(潜在性)を持たないことが「貧困」と定義します。私たちは、貧困ではないと思っていたけど、この定義に、NOと言える日本人がいるでしょうか。結局、私たちは戦後70年かけても、貧困から脱出できなかったのでしょうか?(一瞬のバブルに浮かれていたあの時期を除いて)