【感想・ネタバレ】べな 【電子コミック限定特典付き】のレビュー

江戸時代の見世物小屋を舞台に繰り広げられる本作。この世の残酷さや不条理、いなくなった相手への贖罪の念といった仄暗い情念が中心に描かれているように見えますが、その本質は圧倒的救済の物語です。

自分を犠牲にすることでしか弟を守れないと思い込んでいた壱が自分を大切にすることを知り、人の言葉を知らなかった鬼の子・べなは言葉を学ぶことで「愛」という感情を知る――どこかが欠けた者同士が共に成長していく姿が愛おしすぎて、帯の「拝みたくなるボーイズラブ」というキャッチコピーに偽りなし……! 2人の成長は大きな痛みを伴うものですが、その痛みすら尊く感じられます。

そして、べなと壱に次ぐ本作のキーパーソン・ダンゾウについても語らせてください。壱とその双子の弟・二三を見世物小屋でこき使い、病弱な二三の存在を盾に壱を手篭めにした最低最悪の小悪党であると同時に、彼なりのやり方で双子を守り、二三への思いを心の奥底に秘めていたダンゾウ。彼の存在によって、この物語の奥行きがグッと増したといえるでしょう。こふで先生、どうかべなと壱だけでなく、ダンゾウのことも救ってあげてください……!

べなと壱を拾ってくれた美人で男前な髪結屋の妻・お奈緒や、寺子屋の子どもたちなど、個性豊かな脇役たちと過ごす、心穏やかな日常もこの作品の魅力のひとつ。江戸文化が生き生きと描かれていて、思わずにっこりしてしまうような愛おしい情景が楽しめます!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ 購入済み

時代ものいいですな

紙も買っていたのですが、実家に置いてきてしまい、急きょ電子版で購入しました。一美人すぎるし、べなも鬼としての葛藤、一への恋心を抱え、もがく姿に胸打たれます。私は二三の恋をもっと見たい気もします

#泣ける #感動する #深い

0
2024年03月26日

ネタバレ 購入済み

前から気になってたので

割引クーポンが出てたので購入しました。帯が拝みたくなると書いてあってどういうこと?と前々からずっと気にはなっていたのですが、くだらないかもしれませんが個人的に髪型がどうしても気になってしまうのと、単なる殴り合いではないこの時代ならではの生々しい暴力的なシーンが受け入れづらいと言ったのもあり遠ざけていました。実際に購入して読んでみると、読むのが辛いなとも感じましたが、だからこそ時代背景に感じる重みやお話の深さがより出でとても引き込まれました。人間ドラマとしても素晴らしい作品だなと思います。亡くなった双子の弟の二三や因縁あるタンゾウとの本当の決着は2巻で着きますのでぜひまとめて読むのがおすすめです。

#切ない #感動する #深い

0
2021年11月08日

ネタバレ 購入済み

ハピエン( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )

べなと壱が幸せになってくれて私は幸せです( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )

0
2021年03月09日

ネタバレ 購入済み

美しすぎる絵に引き込まれる

最初、TSUTAYAのおすすめの一冊みたいな所で紹介されていて、気になっていたのと、べなって何ぞや、と思って購入。絵が、とにかく素晴らしく美麗。着物の模様とか、髪の結い方とか、江戸の風俗が丁寧に描かれている。人外のべなが、言葉を頑張って覚えようとする所が健気だし、べなの笑顔は無邪気で可愛い。成長するのが早くて、えっもう青年❓と思ってしまった。

0
2021年03月06日

yu

ネタバレ 購入済み

素敵な作品

今まで江戸BLに(言葉遣いなどに違和感があり)抵抗があったのですが、獣人BLに近い要素もあるからかファンタジーとしてすんなり読めました。
べなが小さい頃からお話が始まるので、恋愛というより愛のお話だなと個人的には思います。

0
2020年12月22日

ネタバレ 購入済み

時代物は正直苦手でしたが…

この作品は別です。
兎にも角にも絵が素晴らしく上手い。人物の体格、表情から江戸の家具や雑貨、時代背景まで本当によく描き込まれています。作者様がいかに江戸が好きで勉強しているのか、読んでいるだけで伝わります。
鬼のべなも人間の壱もとてもいい子で、脇のキャラ達も濃さがすごい。お話もお互いの生まれ育った境遇からすれ違いがあったけれど、ハッピーエンドで良かったです。
続編があるそうで、これからの展開にも期待します。

0
2020年01月02日

ネタバレ 購入済み

お江戸BL

とても絵が綺麗で表紙に惹かれて購入しました。鬼×人の人外BLでもあるのですが、すごく良かったです…!ひとりぼっちになってしまった壱と、ひとりぼっちだった鬼。鬼に「べな」と名付けてくれたのは壱でした。壱の優しさに段々心を開いていくべなの笑顔がめちゃくちゃ可愛い!過去に悲しい事があった2人で、胸が痛くなる所もありますが最終的にはハッピーエンド。書き下ろしの甘々な2人がたまらない!切ないけどホッコリなれる1冊です。

0
2019年11月20日

ネタバレ 購入済み

深いお話でした

死んだ人を追いかけても死んだ人は幸せになれるのか、話したいと真っ正面から来てくれる人の貴重さ、思いを伝えるには言葉が必要など、とても深いお話でした。BLのLの部分はもちろんありますが、特に、大事な人を失って残された人はどう生きていけば良いのか、何が救いになるのかという部分がすごく考えさせられました。

また、子どもがウリに出されて搾取される要素は読んでて辛かったですが、最終的には2人が幸せになれて本当に良かったです。

星4にしたのは少し誰が何を話しているかとコマの繋がり方が分かりづらかったためこの評価にしました。でも緩急の付け方や場面場面の緊迫感伝わる描写がすごく上手いなと思ったので次の作品に期待したいです。

0
2021年04月09日

ネタバレ 購入済み

宜し!★2

時代物でもいろいろ ちゃんと辻つまがあっててよかった。おなおさんの女の勘ってのに救われた感が多い気もするけど、鬼の子のべなが一番やさしい。いや違うか。やっぱり気が付かないだけでいろんな人に愛されてるんだよって話しかな。

0
2021年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

見世物小屋で下働きの慰み物になっていた壱の、双子の片割れ・二三が病で死んだ。双子としての名物価値はなくなったが、代わりに鬼の子だという少年の世話を任される。言葉は拙いが力は強い人の子の姿をした鬼×弟への罪悪感と憐れみを抱えてその姿を鬼に重ねながら面倒をみる兄。

一冊で三部構成風な雰囲気が舞台作品のようで、厚みから想定するよりも読みごたえはありましたが、BLながらどこか一般古典芸文ぽい印象というか……三度、四度と読み直して美味しくなっていく作品だと思います。
後ろめたさから最期の話もままならぬまま二三が死んだことで、ダンゾウの様子から推察するより他に最早 弟の胸の内は永遠にわからないまま。互いを(良くも悪くも)思いやる以外の情を知らなかった双子の兄弟と、同じ顔の丈夫な方を代用しながら嫉妬し当たることしか出来なかった男、人のなりに生まれて鬼にも人にもなれなかった子の四角……というよりはW三角関係ものと言えます。
ダンゾウはあれはあれであの立場なりに気を遣い、二人を他の者の手から最低限は守ってやってきていたんだろうけど、二三の心配が壱のことばかりなのと、早世だったことが多少不憫である。が、まあ墓穴なところもあると思うので……見目厳ついのに豆腐メンタルよ、しゃんとしろ。(良い)
べなはショタ期から青年期まで楽しめ、生意気なちびズとの絡みもオイシイのと、お奈緒さんの麗人っぷりがかっこよくも美しく定吉夫婦がとても好きです。いい人たちだな。

アニメイト特典4Pリーフレットは『騒動後のあれから角切りまでの間』。

0
2020年03月30日

「BLマンガ」ランキング