【感想・ネタバレ】ふたつの月の物語のレビュー

あらすじ

養護施設で育った美月と、育ての親を亡くしたばかりの月明は、中学二年生の夏休み、津田節子という富豪の別荘に、養子候補として招かれる。悲しみのにおいに満ちた別荘で、ふたりは手を取りあい、津田節子の思惑を探っていく。十四年前、ダムの底に沈んだ村、その村で行われていた魂呼びの神事、そして大口真神の存在。さまざまな謎を追ううちに、ふたりは、思いもかけない出生の秘密にたどりつく…。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

思いがけず心揺さぶられるラストだった。
津田さんの選択もそれによって得られた心の平安も想像するだけでも涙がこぼれる。
そうなんだよ、人を苦しめるのは「後悔」。過去に戻ってやり直したいと願うほどに。

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2018年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

気になっていた本だけど、夏まで待ってました
ちょうどいい季節 長野や岐阜あたりのダム湖の静かな感じ
駒子さんの雰囲気がまたあってます
そう、狼関連でトラクを思いだしました
あの物語も夏に読んでたんだ

主人公の二人は、うまく再会できたかな
節子さんは、悔やんでいたことを反故にできて本当によかった…

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2017年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

富安さん大好きだー!
しかも表紙が酒井さん!!
雰囲気たっぷりで素敵です♪

身寄りのない少女2人が、とある屋敷へと招かれる。
彼女たちを里子にしようとしている女主人は、しかし、彼女たちと
親しくしようとするつもりはないようで・・・・。
自分たちは何のためにここに呼ばれたのか?
その理由を探る2人は、悲しい過去と、女主人の本当の目的を知る・・・・。

っといった感じのおはなしで、シノダシリーズとはまた違った魅力な一冊でした。
どっちかってゆーとミステリー風味が強いかな。
実は双子だったあかりとみずき。
2人とも夜目がきき、他人にはいえない力を持っていた。
みずきの、においの能力、については、においって・・・・。と
おもしろい能力だなーっと思ったのだけれど、狼の神様系の力だと
分かればなるほど、なっとくでした。
お調子者のにおいがポップコーンってのがなんか楽しい。
そして時の狭間をこえる力。
ちらりちらりと見え隠れする過去と、津田さんの思惑はどうからんで
くるのか、とどきどきしつつ、
贄、とかゆー言葉もでてくるから、まさか、2人を生贄に孫を生き返らそうとでも??なーんて不吉な予感が結構ぎりぎりまでしてた。
結果、本当にただの立会人だったので、ちょっと拍子抜けでしたが。
現れた神様が、意外とひとつの人格(?)でいろいろちゃんと説明してくれたのが、なんか新鮮な感じ。神様って、有無を言わさぬ存在ってイメージで、いちいち説明してくれる、なんて思ってもみなかったので。
津田さんの選択は、悲しいけれど、重い後悔を抱えていきるより、
最後に笑顔で話をしたかったんだろうなあ。

神様、かりにも自分の娘たちに、なにかひとことはないのかしら?っと
ちょっと思ったりもして・・・・。

あのとき、こうしていれば、ああしていれば、
変えたい過去はいくらもあるけど、結局どうあってもここにたどり着くような
気もする。
でも、どうしても受け入れられない哀しみってのは、あるのかもなー。
分かんないけど。

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2013年05月27日

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ネタバレ

よくできた和製ファンタジー。

二人が贄にされるのかと思ったが、節子さんはそこまで腹黒い人ではなかった。それやったらホラーだもんなあ。

オオカミ信仰は関東に多く、『オオカミの護符』なんかも一時期ちょっと話題になったので、民俗学好きの富安さんならそういう本に刺激されて物語ができたのかなと思う。
(参考文献が巻末にあればよかったのに。子どもは読めなくても、オオカミ信仰は富安さんの創作ではなく実際にあるということを知るきっかけになったのでは、と。)

美月と月明のキャラクターをわかりやすく書きわけてあるので、子どもにもとても読みやすい。
しかし、二人の特性が今一つ上手く活かされていないように感じた。もしかしてシリーズ化するつもりだったのかもしれないが。
あと神様が親切すぎませんか。分かりやすいというか。神様の言葉としては。

物語はサクサク進み、面白く、ちょっと不気味で切ない、そしてオチもしっかりある、子どもにすすめやすい本だと思う。

酒井駒子の表紙も、いつもは「内容に合っているのか?単におしゃれっぽくて流行りのイラストレーターだから使っているのでは?」と疑問を持つことも多いのだが、今回はちょっとダークな内容と合っていると思う。月明が顔を隠しているのも想像が膨らんで良い。

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

十五夜読書にて。
謎めいた幕開けから引き込まれました。
不思議な力を持つ2人の少女、湖底に沈んだ村、月読神、大口真神、魂呼び、、、と私の好みのツボを付いてくる作品でした。
民俗学的要素の絡め方も巧くて魅力的に描かれています。
QEDとか好きなので薀蓄てんこ盛りも大好物ですが、くどくならない程度に自然と物語に組み込んでくるこういう作品もとても好きです。
”お調子者=ポップコーンの匂い”とかの表現も面白い。
最後の節子さんの決断は少し哀しさが残りますが、良い幕引きだったと思います。
美月と月明のその後の物語が読みたいな。

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2014年01月18日

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ネタバレ

とても魅力的な物語だった。
表紙は酒井駒子さんの挿画で、主役の二人の少女。夜の雰囲気がある素敵なもの。
夏休みが舞台だけれど、あまり夏の印象がない。全体に満開の桜や、怪しげな夜の雰囲気が漂う。
最後まで読むと、真の主役は二人の少女を引き取った津田さんという女性だとわかる。
あかりとみづきが、自分たちがなぜダム湖に臨む別荘に連れてこられたか、津田という女性の真の目的が何なのか、探り出していく過程はミステリアスであるし、終盤の展開も納得のいくもの。
ただ、真神の娘たちという魅力的な設定がもっと突っ込んで読めると良かった。あかりとみづきの不思議な能力は、確かに自分たちの素性を探るために役立つけれど、みづきの陰のある雰囲気や、あかりのちょっとおばかな向こう見ずさがもっと読みたかった気もする。

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2013年05月20日

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ネタバレ

生まれた時に捨てられ、養護施設で育った美月。容姿は美しいが、人より感覚が鋭く、友達をを作れず、孤立した毎日を送っている。
育て親であったおじいちゃん(寺の住職)が亡くなり、行く宛がなくなった月明。
そんな二人は、津田節子と出会う。14歳の、親のわからない、月の印のある子どもを捜していた津田。お金持ちの津田は、二人を養子候補にし、山奥の別荘へと招く。二人は、はじめて会うも、お互いの不思議な能力を知り、津田の思惑を探ってゆく。
別荘は14年前にダムの底に沈んだ村の近くに建っており、別荘の使用人たちは、その村の神事をとりおこなう役割をもっていた者達だった。美月と月明の知った最後の神事とは。そして、津田の狙いは・・・


酒井駒子の表紙の雰囲気のまんま、
これまでの冨安陽子の作品とは違い、サスペンス仕立て。
(あれ?酒井駒子のマジックにかかってるのかな?伝説に基づく物語、月明のキャラなど、冨安陽子の十八番ですね)


津田が最後に叶えた願い。
そして、
最初と最後の養護施設での会話が効いてます。

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2013年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすく、引き込まれて、ぐんぐん読んで読み切った感じ。
別れ別れで育った双子の女の子。里子として引き取られて出会ったダムに沈んだ村の側の山荘で、過去の出来事と出会う。その村には不思議な伝承と神事があった。14年前、そこで何があったのか?

ただ、ラスト、もっとホラーがかるのかと思ったが、どこか平和でほんわかした展開となった。そこが物足りない、ということもあるだろうし、そこが良い、という人もいるかもしれない。
いずれにせよ、もっと様々な展開も予想させる設定だっただけに、少しもったいない気もする。

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2021年01月30日

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