【感想・ネタバレ】Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男のレビュー

あらすじ

彼がいなければ、世界の空は安全に飛べなかった! 科学ジャーナリスト賞受賞のNHK番組『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード 気象学で世界を救った男」』を書籍化。

1975年6月。NYでイースンタ航空機が墜落した。誰も解明できなかった事故の原因を突き止めたのが、日本人科学者・藤田哲也だった。事故原因をダウンバーストという気象現象だと突き止めたのだ。
「気象学の世界にノーベル賞があったら間違いなく受賞していた」と言われた天才科学者は、人類史に偉大な功績を残した。
日本ではほとんど知られていない、「テツヤ・テオドール・フジタ」の数奇な運命をたどる。

解説・元村有希子(毎日新聞記者)

※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

書評サイトで高評価。興味ありのため

藤田哲也、日本ではほぼ無名の気象学者。
シカゴ大学教授、アメリカの気象界、世界の航空業界で名前を知らない人はいないくらいの有名人。

竜巻の規模を示す「Fスケール」の発案者。FスケールのFはFujitaのF。

飛行機が着陸寸前に失速、墜落する事故が相次ぎパイロットのミスとされていたが、これを気象現象の「ダウンバースト(マイクロバースト)」であることを発見し、証明した人。
本書の副題でもある「航空事故を激減させた男」は大げさでも何でもない。

残念なのは本書でも述べているが、気象学にノーベル賞がないことだ。
もし、該当する賞があればとっていてもおかしくない偉人。

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2022年08月19日

Posted by ブクログ

竜巻の強度を示すフジタスケールの事は知っていましたが、それを考案したフジタ博士の事は全く知りませんでした。

この本によれば、フジタは北九州の生まれで、のちにアメリカに渡り、かの地で生涯を閉じている。

その生涯において、フジタスケールのほかに、ダウンバーストの発生を解明し、航空機事故を激減させたと言う事は知りませんでした。

日本よりもアメリカで尊敬されている日本人。

天才は変わった人が多いとも言いますが、フジタもその例に漏れない様です。本書中のエピソードには笑わずにはいられませんでした。

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2020年02月22日

Posted by ブクログ

藤田哲也氏という気象学者をご存知の方は少ないのではないでしょうか。アメリカで多発する竜巻のスケールを表す「Fスケール」という指標があり、そのFは藤田氏の頭文字なのです。竜巻研究で知られる藤田氏ですが、日本ではあまり知られていないもう一つの業績は「ダウンバースト」の解明でした。
1970年代、アメリカでは離発着時の航空機の墜落事故が平均18か月に1度の頻度で発生していました。その多くが「原因不明」とされたり「パイロットの過失」として処理されていました。当時アメリカで竜巻研究で実績のあった藤田氏が事故原因究明に取り組み、「ダウンバースト」という局所的な下降気流が原因であると突き止めたのです。その後、パイロットへの研修、ドップラーレーダーなどの設置により「ダウンバースト」による墜落事故はほとんど無くなりました。
ところが「飛行機による旅を安全にした」という巨大な功績を成し遂げているにも関わらず、アメリカの気象学会では当時は批判的な扱いを受けていました。新しい理論を公表し、それを認めてもらうには「査読」という他の研究者の厳しい目で検証されることが科学会のルールなのですが、藤田氏は「一刻も早く事故をなくさなければならない」との使命感から査読を経ることなく自説を広めようとしたために軋轢を生じていたのです。
そのあたりのプロセスに関わった人達へのインタビューや、なぜこれほどの功績のある日本人科学者が日本ではあまり知られていないのか、藤田氏の生涯を辿りつつ解き明かしてゆくノンフィクションです。
私自身もメソ(中小規模)スケールの気象に学生時代に関わっていたこともあり、身近なトピックスと感じて読んでみました。「予断をもって現象を観ない」、「研究に必要な装置は自ら設計する」など研究者として尊敬に値する数々のエピソード、「気象界のシャーロック・ホームズ」、「気象界のウォルト・ディズニー」、「視覚の科学者」等々の異名を持つ藤田氏の生涯を俯瞰できる1冊です。気象の知識が無くても全く問題なく読み通せます。

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2020年01月07日

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