【感想・ネタバレ】世界地図を読み直す―協力と均衡の地政学―(新潮選書)のレビュー

価格 1,430円 (税込)
3.5
4件

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年01月12日

この本で著者は、国際協力機構(JICA)の取り組みを通して"他国の国々と協力しあえる信頼関係"と"他国の理不尽な強制を退ける力の必要性"を伝えてくれます。旅行記ではありません。
また日本に馴染みのある近隣諸国をメインにするよりも、他の国々との関係性か...続きを読むら日本の国際的な立ち位置について述べていきます。本書で取り上げた国は、インド・ロシア・ジョージア・アルメニア・ウクライナ・トルコ・フィンランド・ウガンダ・アルジェリア・南スーダン・エジプト・ザンビア・マラウイ・ブラジル・コロンビア・パプアニューギニア・フィージー・サモア・ミャンマー・ベトナム・東ティーモール・タジキスタン。訪れた国の簡単な歴史と周辺国との関わりや日本国の関わり方・国際協力機構(JICA)の関わりを簡潔にまとめてくれています。また「中国の影響力の拡大に対抗して、ODAで相手を親日にしようなどと考えない方がよい。相手には相手の国益がある。援助が相手国が自主独立の国として発展してくれれば良いという考え方が必要。」とい記述はとても大事だと思います。
著者の北岡伸一氏は東京大学名誉教授。国際協力機(JICA)理事長や国連大使、国際大学学長等を歴任した方です。著者は、世界から見た日本の評価をよく伝えてくれています。日本がより評価される立ち位置を示してくれています。ただこの観点の発言は政治的な発言とも捉えられかもしれないため評価は様々だと思います。
特に印象に残ったのは、「日本は、難民を受け入れる事ができないが苦し紛れではあっても難民を受け入れている国への援助として、難民が自活できるように職業訓練を行っている。その取り組みが評価されている」と述べている。外国は目に見えやすい援助を好むが、バックアップの仕方もゆっくりであっても評価されるものだと思いました。
日本が世界の中で国民を守るためには、世界の国々から日本と一緒に協力していきたいと思ってもらえる国になる事が必要がある。日本だけが孤立しない事が必要だと思いました。

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Posted by ブクログ 2019年11月09日

日本政治外交史の研究者でもある著述が、JICA理事長や国連大使として見聞した、国際政治の一幕を解説。
馴染みのない国の意外な日本との繋がりなど、
興味深い。

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Posted by ブクログ 2020年02月07日

尊敬する方々のお一人ですが、この本について言うなら
『諸国漫遊記といったスタイルの品の良い自慢本』
といった類型になるんでしょうか?

但し、ある一つの視座からの世界の歴史という点では勉強になるのは間違いないと感じました。

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Posted by ブクログ 2019年12月29日

北岡伸一氏(1948年~)は、国連次席大使(2004~2006年)、国際大学学長などを歴任し、現在、独立行政法人国際協力機構(JICA) 理事長。東京大学名誉教授、法学博士。専門は日本政治外交史。
本書は、新潮社の有料会員制情報サイト「Foresight」に連載された「日本人のフロンティア」(201...続きを読む7~2019年)と、 防衛省・自衛隊関連のニュースを主とする新聞「朝雲」(朝雲新聞社)連載の「春花秋冬」(2014~2015年)をまとめたもので、大半は著者が過去数年間に訪れた国々について書かれたものである。
私は、藻谷浩介氏の『世界まちかど地政学』シリーズのような、見聞に基づく世界の国々の客観的な分析を予想して購入したのだが、著者の経歴、および現JICA理事長という立場に基づく本書は、世界の国々と日本との関係についての考察であり、日本が二国間関係においてそれらの国とどのように付き合っていくべきかという、部分的にはかなり政治的色彩の強い提言となっている。著者は、最初、書名を『政治学者の世界地図』としようとして、やめにした、と書いているが、そのままの方が内容的にしっくりくる。
取り上げられた国は、ジョージア、アルメニア、ウクライナ、トルコ、フィンランド、バルト三国、ロシア、ウガンダ、アルジェリア、南スーダン、エジプト、ザンビア、マラウイ、ブラジル、コロンビア、パプアニューギニア、フィジー、サモア、ミャンマー、ベトナム、東ティモール、タジキスタン、と、著者のようなミッションでなければなかなか訪問する機会のない国ばかりであり、そうした点では大変興味深い情報も少なくない。
著者は最後に、「日本の場合、非西洋から近代化してきた歴史と、西洋とは異なる途上国へのアプローチが、世界の信頼を集めていることを、本書の中から読み取っていただけると思う。明治以来、多くの日本の知識人や政治家が、日本は東西文明の架け橋になるべきだ、と主張してきた。・・・非西洋から発展した歴史を基礎に、民主主義的な国際協調体制を、それぞれの国の事情に応じて支援していくこと、これが日本の理念に他ならない。それを自覚し、言語化し、発信し、かつ戦略的に行動すること、これが今後の日本外交の大方針ではないだろうか。」と結んでいるが、著者のそのメッセージは十分に受け取ることができる一冊と思う。
(2019年12月了)

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