あらすじ
少年探偵・狩野俊介が
次々に起こる難事件に立ち向かう!
野上探偵と俊介の許を訪れた中垣弁護士が依頼したのは、
街で最古の劇場、銀扇座で二十年ぶりの復帰公演を行なう往年の人気女優、百嶋美也子の警護だった。
一週間前、美也子の許に届いた復帰断念を求める脅迫状、
そこには警告を無視すれば美也子のみならず周囲の者たちも血の裁きを受けることになると告げられていた。
美也子の過去に何かがあると推理した野上と俊介が調査すると、
二十年前にも美也子は銀扇座で、同じ演目を上演していた。そして予告どおりの惨劇が…
周到なトリックで描く書下し長篇全二巻。
※本作品は、「銀扇座事件(上)」を加筆修正した新装版です。
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Posted by ブクログ
狩野俊介くんシリーズです。 これは予断のない状態で読もう。というわけで、まだこの本を読んでいない、なおかつこれから読む可能性があるという方はこの先を読まない方がいいと思います。 それと、もしこのシリーズをまだ一冊も読んでいないのでしたら、先に二冊くらいは読んでおくとさらにいいかも。ああ苦しい。 この本の感想をネタばれにならずに書くのは非常に難しいですね。無理です。
(以下、ネタバレ含む)
上巻を読み終わった瞬間、あれっと首をひねりました。その疑問は下巻の最初の数頁で解消しましたが、やられたーっと思いました。 仕掛けのある事件なのですが、その仕掛けは多分このシリーズを熟知された方により強く働くと思われます。あぁ。しまった。シリーズ順に読んでおけばよかったなあ。と、今頃になって思うわけです。
無駄な説明がないせいもありますが、上巻に比べて下巻の展開がものすごく速く感じました。いや、それも当然か…。だって、ねえ?
この作品は本格推理色が比較的少ないです。上巻では意外すぎてわかりませんでしたが、下巻の事件が起こった時点で珍しいことに犯人もわかっちゃいました。事件そのもののトリックより物語り全体に仕掛けられたトリックの方がメインだったかな、という感じ。
ただ、私は超常的なものが出てくるとちょっとうさんくさくなってしまう方なのですが、真の真相(?)は本当にアレなんでしょうか。(2001-9-29)