あらすじ
★百年に一度の大きな波、デジタル産業革命(第4次産業革命)が押し寄せてきている。デジタル産業革命の象徴がGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)だ。この米国メガデジタルプラットフォーム・GAFAの影響が、今後すべての日本企業に及んでくる。すべての企業が一刻も早くデジタルシフトしなければ自社存亡の危機なのである。
★進化のスピードの速いデジタル分野の最前線にいる著者が、これらのGAFAの強さを読み解き、日本企業が置かれている状況と今後起きるであろう未来のトレンドを予測し、デジタルシフトの必要性を説く。デジタルシフトに取り組む企業数が増えてはいるが、実際に成功した例は少なく、失敗事例のほうが大半である。
★デジタルシフトの支援をしてきた著者だからこそ、失敗事例を分析し、実体験から現時点での最良の方法と描くことができる。著者は、トップや経営陣の危機感や覚悟といった意識の問題と人と組織の問題が全てだという。デジタルシフトに失敗する理由、そして成功に導く人と組織とはどういうものかを丁寧に解説。まずは、経営者が取り組むべき「デジタル力」向上のための3つの習得法を紹介。また、実務を担う社員たちに必要な「デジタル力」とデジタルシフトを推進する4種の「デジタル人材」についても言及。
★立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と著者との特別対談掲載。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中盤の、デジタル力パーソナルチェックリストを用いて、デジタル力を確認するだけでも面白い。個人的にも組織的にも遅れをとっている中で、GAFAまたはデジタル化した企業が競争優位性を持って成長する今後、気づいた時には時すでに遅しとならないように、デジタルシフト、DXに取り組んでいく必要があるのではないか。
Posted by ブクログ
押し寄せるデジタル産業革命を前に、いかにして「デジタルシフト」を成し遂げるか? 大手企業のデジタル化を支援する著者が、失敗例を分析し、成功させる方法を導き出す書籍。
「デジタルシフト」とは、デジタル技術の活用を前提に企業の在り方すべてを変革させること。GAFAが世界を制覇しつつある中、企業が生き残るにはデジタルシフトが欠かせない。
デジタルシフトに失敗する企業には、5つの共通点がある。
①トップに、デジタルシフトを戦略の中心に据える決意や覚悟がなく、広告予算の一部をデジタルにまわすなど、中途半端なデジタルシフトを行う。
②デジタルのことをわかっていない人が責任者になる
③デジタルシフトのためのプロジェクトは、すぐに利益が出ないため、既存事業を優先する。
④デジタル部門の責任者を要職に就けず、大きな権限を与えていない。
⑤デジタルシフトで自社がどうなるか、どんな未来が待っているか、といったことを経営トップが語らない。
デジタルシフトを成功させるには、まず、上記①~⑤、5つの失敗理由の反対を実行する。それに加え、次の5つを行う。
⑥既存組織の抵抗にあい、デジタル事業のスピードが鈍化しないよう、デジタル部門は既存組織と分ける。
⑦ CDO(最高デジタル責任者)以下、各分野の責任者から成るデジタルシフト経営チームを作る。
⑧実働部隊は、デジタルネイティブ(デジタルを使いこなす世代)など、デジタル人材で固める。
⑨経営者がデジタルを学び、経営への適用を考える。
⑩若手からベテランまで、社員全員をデジタル人材にバージョンアップさせる。
Posted by ブクログ
デジタル時代における企業の戦略と人材育成について述べた本。
自分は、人材育成に興味があったので、
その部分を中心にざっとナナメ読み。
コンパクトで分かりやすくまとまっているように思いました。
後半のデジタルシフトを実現する「デジタル人材」は、
色々なところでも同じようなことが言われていますが、
よくまとまったフレームワークで参考になると思います。
最後の人勢育成方法のところでは、
やや自社の宣伝がメインで、
詳細なプログラムまでは記載がありませんでしたが、
企業のDXとその際の人材育成について考えている人にとっては、
参考になる書籍の一冊化と思います。