あらすじ
この30年、日本企業はグローバルでの存在感を徐々に失っていきました。
「GAFA」に代表される米国企業、「BAT」に代表される中国企業。
後塵を拝している日本企業ですが、今、新たに活躍の場が生まれています。
それが、「DeepTech(ディープテック)」です。
東南アジアをはじめとする新興国は、成長の過程で生まれる多くの課題を抱えています。
そして、その課題から目を背けることなく、対峙する起業家たちが次々と生まれています。
先端技術だけでなく、枯れた技術も応用しながら、直面する課題に対し、中長期的な視点に立って解決を目指していく。
Deep Issue(ディープイシュー)をテクノロジーで解決していこうという取り組みを「ディープテック」と呼びます。
日本は戦後、製造業を中心に技術を磨き、世界でも有数の経済大国へと成長しました。
磨いてきた多くの技術はテクノロジーの進化の過程で、過去のものになりつつあります。
しかし、それらの「枯れた技術」が、もし新興国の課題解決につながるとしたら?
新たな市場創造につながるとしたら?
ディープテックの領域では、必然的に投資期間は長くなるものの、解決したときの社会的インパクトはとてつもなく大きいものになります。
しかも、日本企業が本来、得意としてきたすべてが活きてくる世界でもあります。
日本のディープテックの始祖ともいえるリバネス代表取締役グループCEOの丸幸弘氏、『ITビジネスの原理』や『アフターデジタル』などのベストセラー本を通じて日本が進むべき道を照らし続けるフューチャリストの尾原和啓氏が、ディープテックの世界を描きます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
テクノロジーが民主化され、身の回りにある社会課題を解決するテクノロジーのことをディープテックと定義している。科学者のテクノロジーであるハイテクの時代は終わり、新しい時代がきているという見解の様子。
一方で、ディープテックが最も生まれてきたシリコンバレーでのイノベーションは均質化されつつあり、破壊的なものの創出は難しくなりつつある、という見解も併記されている。
Posted by ブクログ
プロジェクトの立ち上げ時は確かにQPMIサイクルの方がしっくりくるかも。実行計画はPDCAサイクルかもしれないけれど。まずはディープイシューの発見が重要なのは色々な事に通じると思う。
以下内容メモ。時々読み返す。
ディープイシューは個人のパッションにより発掘され信頼できる仲間たちとともにミッションへと変えることで解決へ。
QPMIサイクル:質の高い問題に対して、個人が崇高なまでの情熱を傾け、信頼できる仲間たちと共有できる目的に変え、解決する。そして諦めずに試行錯誤を続けていけば、革新や発明を起こすことができる。
ディープイシューに出会う5つの方法:①自分たちの常識を捨てる、②目の前の売上や利益の概念を捨てる、③長期的視点と短期(1年先)の具体的イメージをもつ、④『初めて』を連続してやる、⑤①から④までを持った上で、現場の若いベンチャーと話す
相利共生。サーキュラーエコノミー。
この前に読んだ「プラットフォームレボリューション」への理解も深まった気がする。
Posted by ブクログ
具体例が豊富で非常に読みやすいが、もし「古びた技術」を知っている人ではない自分が当事者としてかかわるとすれば、課題に対してどうやって「古びた技術」を知っている人を見つけるかが課題になるかなと思った。
いずれにせよ、ベンチャーを見る新たな切り口を知ることができたのはとても参考になった。
Posted by ブクログ
未来のビジネス(の潮流)を考える上でのキーワードが散りばめられている
・ソーシャルバリディティ
・外部不経済を起こさない
・バイプロダクト(副産物)
・ディセントライズド:非中央集権的、分散的
・相利共生
・保有の時代から利用の時代へ
・課題解決の為に複数のテクノロジーを掛け合わせる
・リープフロッグ:一気に最先端の技術に到達すること
・インバウンドグローバライゼーション
:日本の町工場×日本企業
→東南アジアに進出→日本でIPO
・変化受容性
・イノベーション類型:問題の状態(課題が分かっている/分かっている)×解決策の在り方(作り方が分かっている/作り方が分からない)
・
Posted by ブクログ
ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」
著:丸 幸弘 尾原和啓
人とテクノロジーの関係に誤解が生じている今、改めてテクノロジーの本質を見つけ直すときが来ている。誰一人取り残さず、持続的に人類が発展を遂げていくためにテクノロジーは存在している、社会の課題をどう解決していくのか、社会にどう貢献していくのか。
この先の30年、日本はどのような新しい日本を創っていけるのか。ディープテックという大きなうねりの中に身を置き、アジアをはじめとする海外の人たちと手を取り合い、直面する喫緊の課題から決して逃げることなく、立ち向かっていく。日本の未来を日本人が創っていく。
本書の構成は以下の4章から成る。
①ディープテックとは何か?
②ディープテックの系譜を知ろう
③海外で沸き起こるディープテック旋風
④日本の潜在力はディープテックで開花する
ディープテックでは、技術によるが、国内だけではなく、海外でも、海外の方がより爆発的に実装される可能性が大きい点がある。時代と共に人口ボーナス期に入るアジア諸国に対して、地理的にも情緒的にも優位性が高い日本、社会的な課題を解決するという持続的可能性の高い、社会的な課題に対して取り組む日本のお家芸的な活躍は大いに期待できる。
シリコンバレーのような爆発的な成長はまだまだ先になるかもしれないが、確実に日本、アジアとしてのエコシステムについては力もつけている。過去から学び、未来に向かう。組み合わせからなる新たなビジネスモデルとディープテックがタッグを組めば、まだまだ日本は世界を引っ張っていける存在にもなれる。自身も学び成長し行動する中でその一部に貢献していきたい。
Posted by ブクログ
読み終えても結局ディープテックってなんだ?となったので色々調べてみたが、「深いところに眠る技術」「社会に深く根ざした問題を解決する技術」というフレーズが簡潔で他のディープテックの定義も連想できるので腑に落ちた。
私自身も製造業の中でも斜陽産業と言われる分野に技術者として携わっているが、本書にあるように内部で眠る技術を社会問題解決に適用できるよう小さなことからコツコツと積み上げていきたい。
Posted by ブクログ
将来、有望な産業について、勉強をしようと思って読みました。
テクノロジー業界では当たり前であろう用語を私が知らないので、理解に苦しみました。ある程度理工系に通じている人は読みやすいのではないかと思います。
海外でのDeep Techの好例が紹介されていて、新しい技術で、社会が地球規模でどのように前進しているのかを知っておかねばならないと感じました。
「既にある技術の組み合わせ」は、真面目で勤勉な人よりも、柔軟な思考力を持つ人や好奇心のある人のほうが、見つけやすいことでしょう。
より長期的で、広範囲な視野を持つことが大事だと思います。物事を見る時や新しいものに出合った時は、クエスチョ
ンを掘り下げる見方をしたいと思います。
Posted by ブクログ
日本の眠れる技術が発展途上国で生きるという。
技術があっても求められる市場がないということはよくあること。これにより消えてしまう技術もある。
技術も活用できなければ意味がないが、東南アジアなどでは有効に使える環境がある。見つけてもらう努力を日本の技術はしていかなければならない。
Posted by ブクログ
サーキュラーエコノミーへ。
クエスチョンから始める。
ローカルサステナビリティが、ローカルスケーラビリティを生む。
枯れた技術の応用
相利共生
Posted by ブクログ
最先端技術だけでなく、枯れた技術も活用して各地域・クラスターで持つ課題を解決する。事例を多数紹介しつつ、ディープテックが分かりやすく紹介されている。
Posted by ブクログ
かつてほどの経済成長も見込めず課題先進国の日本ではあるが、本書ではその日本にこそ希望が持てると説く。活気のあるベンチャーの紹介にはワクワクさせられたし、そんな彼らが東南アジアを目指していることにも大変興味深く感じた。
Posted by ブクログ
「#ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」」日経BP、丸幸弘、尾原和啓著
Day14
ハイテクとローテクを「知」によって新結合し、その集合体をテクノロジーと捉えるという概念(…)が、ディープテック(★必ずしも新しい技術で新しい市場を作る必要はない。古い市場に不便や不自由が存在し、それを新旧技術の組み合わせで解決できるならディープテックと呼んで良い)。
技術の掛け合わせは、段階的でも構わない。あらかじめ計画し、計画通りに進める必要もないし、そのやり方では真のイノベーションは生まれない…★なるほどだ!
後半の納得感が大きいだけに、前半のリズム不足がもったいない。手にとられた方は、むしろChapter 3あたりから読み始めるたほうが良いかも。帯も含めた表紙デザインもいけてないよな…もっと多くに人の手にとってもらえる装丁を!
Posted by ブクログ
ディープテックというのは「テクノロジーを使い根深い課題を解決していく考え方、もしくはその活動」を指す言葉らしい。必ずしも最新テクノロジーとかハイテクを意味するわけではない。グローバル化の進展は所謂途上国、アジアの国を含めて生活レベルの底上げには大きく貢献しているのだと思う。さらに、そうした国々は人口が増え、新たな社会課題と対峙するようになった。それを解決するのがディープテックであり、それは意外に日本に眠っている技術の応用だったりする。とにかくアジアの熱量が伝わってくる一冊でした。
Posted by ブクログ
deepissueと呼ばれる、社会課題達を解決するには
実際に問題が起きている現場な赴き、
問題を解決したい現地企業と、既存または先進的な技術を持った日本企業が協力することが必要。
それが、アジアとアメリカの間に立ち、ヨーロッパとアメリカの間にたつ日本が生き残るためにできること。
個人的には、
・若者こそ、でぃーぷいしゅーにチャレンジする柔らかい頭を持ち、
・技術を持つ大企業がいかに長期的に全線で戦う若者をサポートできるか
・若者と企業をうまく繋ぐ仕組みがあるかが鍵に感じた。これから盛り上がる面白い分野
Posted by ブクログ
ディープテックとは?
聞きなれない言葉に興味を持ち読んでみた。
古びてしまったと思っている技術、狭い視界でしか可能性を探せていない多くの日本人的ビジネスマインド。
サスティナブルな世の実現という観点を持ち、視座を高く、世界に視野を広げて、目の前で起こっている事象の課題を深く掘り下げて考えてみると、既存技術含めたいろんな掛け算により課題解決が具体化できる。
それを事業目線でとりくんでいくことが日本の未来につながるということ。
大きな社会的課題解決により、我々の世界がより良くなる。
楽しくなる考え方だと思います。
Posted by ブクログ
今後の日本がどのように変化していくべきなのか、記されている。今までの変遷とともに知ることができた。日本で起きているディープテックについても知ることができた。
Posted by ブクログ
日本において、特に地方には、代々から受け継がれている驚くほどの技術がある。ネット環境の整備により、発信して、いろんな人から知っていただくことができるが、日本語国内で収まっている。
間違いなく、世界に通じる技術があるし、汎用できるものばかりだ。
人口減の日本の未来は、これらの技術を海外の人たちから知ってもらい、活用できる道を共に考えていくことが、できれば、伝統工芸などの技術革新にもなるし、活性化も期待できる。
早くウィルス問題が落ち着いてくれたらと願っている。
Posted by ブクログ
◾️概要
今後解くべきイシューと、解を出す手段について知るため、読みました。最も印象的だったのは、「重要なのは、どういった課題を解決するのかを起点とすること」です。解くべき課題は、以下の手順で見つけるそうです。
①自分たちの常識を捨てる
②目の前の売上や利益の概念を捨てる
③長期的視点と短期の具体的イメージを持つ
④初めてを連続してやる
⑤①~④までを持った上で、現場の若いベンチャーと話す
◾️所感
解くべき課題さえ定まれば、用いる技術の新旧は問わない、という考え方は示唆に富むと思います。よく言われるように、イノベーションは新結合により生まれます。灯台下暗し、で身近な所にヒントがあるかもしれないと思えました。
Posted by ブクログ
「我々の手持ちの技術の組み合わせで、解決できるイシューが世界にはたくさん残っているのかもしれない」ということに気付かされた一冊。
イシューを探す上での分類(領域・課題軸とツール・アプローチ軸)も参考になった。
Posted by ブクログ
主に、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール等の東南アジアの大学及び企業のスタートアップやここ数年、新興国の台頭で影が薄くなっている日本企業の新たな技術革新への取り組みが紹介されている本です。私の勉強不足なのですが、東南アジアの大学や企業のディープテック(ハイテクとローテクを「知」によって新結合し、その集合体をテクノロジーと捉えるという概念)研究については驚きました。日本もこの流れに取り残されない様にと祈るばかりです。。。
Posted by ブクログ
各種あるXXテックは特定の領域のビジネスをテクノロジーをつかって改革しようという意味合いがあると思っているが、ディープテックとはテクノロジーを使って根深い社会的課題を解決することに焦点をあてており、大変意義があるものと理解した。また、既に数多くの企業が取り組みを行い実績も出している事例も紹介されている。その中で、技術力(枯れた技術含む)や物理的位置による日本のポテンシャルの高さは今後の企業の行動を考えるうえでの重要な指針になるのではないか。
Posted by ブクログ
いつも金融関係の本が多いので、たまには金融から離れてみようということで読んだ。面白い例はいくつか載っていたが残念ながらすごい興味は持てなかった。
Posted by ブクログ
丸幸弘氏の人柄に惹かれ、著作を読んでみようと思い、手に取った一冊。
「何のためにテクノロジーを使うのか」という視点が重要である、という主張には全く同意するところ。
スタートアップやらテクノロジーやらデジタルトランスフォメーションやらと騒いでいる人もいるが、「何のためにするのか」という点が重要であろう。
本の大部分は、「ディープテック」の成功事業例が記載されている。
必ずしも最先端ではない既存の技術であっても、現地課題に適合する形で利用すれば、それはイノベーションであり、商機でもある。
このようにして社会的課題が解決されていく、win-win-winの好循環エコシステムを形成していくことが、極めて重要である。
Posted by ブクログ
これから発展していく、それに伴って課題が生まれてきそうな東南アジアを中心に
貧困や環境問題など、世界にとって深刻な問題を解決するための技術の使い方の具体例を紹介!
『ニュータイプの時代』で紹介されているように
問題設定がいかに大切かがわかる
Posted by ブクログ
centralizedからdecentralizedへ。インフラは都市部に集中、政府に集中するが、逆に地方に移せる技術がディープテックによって解決、生み出される可能性を感じさせる。
重要なのは、どういった課題を解決するかである。ディープテックは、実はCSRにも使える要素として会社には映るはず。
ディープイシューに立ち向かうことで、アクセラレーターによる環境整備で均質化したシリコンバレー、台頭するアジア。
フューチャリスト小原和啓氏の、これからのテックの潮流の読みをディープなつまり、新興国の奥深くで課題を解決するべく立ち上がるスタートアップたちを見るべしと。フューチャリストは未来を語る、でも我々が日々解決すべき課題も、変えることも、すべては今この瞬間に起きている。自由なフューチャリストに惑わされずに、いまを見て、これからを変えられる、それはつまり、本気でいまを変える力を養いたい。
Posted by ブクログ
Deep Techとは何かも知らずに買ってしまった本。
デジタル系テクノロジーの進化版かと勝手に想像していましたが、全然違いました、笑。
しかし、結果オーラ的ではありますが、
このような(著者が有望だと言っている)分野があると知れて、
とても勉強になりました。
やや著者のポジショントーク的なところがあったり、
本の構成や内容が乱暴なような気がしますが(やっつけ感で一気に作ってしまった印象)、
著書の視点や考え方はとても面白くて、ためになります。
特に、あまり詳しく書かれていないのですが、
著者の主張する4D思考というのは、
この本だけではよく理解できませんでしたが、
とてもユニークな視点であるように感じました。
また、ネットの情報はもう価値がなく、
ランダムに現場を見て現実を知る重要性を語る点には、
非常に共感しました。
彼の頭の引き出しの中には、そんな現場で見聞きした色々なネタが転がっていて、
それらを組み合わせて新しいアイデアやビジネスを作るのがとてもうまいのでしょう。
著者特有の思考方法がとても印象的でした。