【感想・ネタバレ】国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なるほど。そうかも。
デービッド・アトキンソン氏の主張は、納得できることが多いです。

日本の最低賃金を上げて、生産性を上げ、国力をつけよ!
さもなくば、今後、自然災害などで膨大な被害が出てきた場合、支援という名目で中国が参入してきて、日本を中国の植民地にしてしまう可能性がある。

日本の最低賃金を上げないと、生産力が弱まってしまう。
中小企業を優遇した国策のせいで、バブル崩壊以降の現在の不景気が続いている。
それ以前から、中小企業を優遇し過ぎているために、生産力、国益が向上していない。

中小企業を集約させて、大企業にすることで、人材の育成を企業が担っていくべきである。

中小企業の社長は、最低賃金を上げると倒産する、賃上げに抵抗している。生産性が上がったら、賃金を上げると主張しているが、バブル崩壊以降、生産性が上がっても、内部留保して社長の利益を確保することに注力して、従業員への賃金には還元していないため、現在の生産力低迷が起こっている。なるほど。

下町ロケットなどのドラマがもてはやされ、技術力の高い中小企業を美化する文化が根強いが、それは妄想。そういう話を日本人は好む傾向にある。資金力のある大企業が、中小企業に劣るというのは、ドラマの中の話。

そうかも。怖いです。

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2021年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デービッド・アトキンソンさんの新作。

前作の「日本人の勝算」の未来のある提言に比べて、かなり危機感を煽る側面が強い作品。
しかし、それも読めば納得できる。

地震に関しては、あまり普段の生活で意識してなかった。
昔は「関東はいつか必ず大地震が来る」と言われたものだけど、別エリアの関西や東日本に大地震が起こり、何となく関東に住んでる人は今の生活が永続すると勘違いしている節がある。

自分は東日本大震災のときは関西に住んでて、今は関東に住んでいるが、最近は周期的な地震がなくなってきた。なので、あまり危機感を感じていなかった。

けど、この本読んで、その考えがいかに甘いか、改めて感じた。

自然災害に関しては年々酷くなってる。
今後良くなることはないだろう。さらに大地震が襲ったら・・・・。
この本の最悪のシナリオは、かなり現実になるだろう。というか、場所によってはもう進んでるわけだし。

また、経済学者たちは、日本は永遠に借金しても問題ない、実質借金はゼロだ、国の借金を一般人の家計と一緒にするのは愚かだ、などと言う。
たしかに国の収益を家計と一緒にする必要はないし、国や企業として借金ゼロが素晴らしいわけではない。投資のための借金はむしろ積極的に行うべきだ。しかし、今日本が行なっている借金は将来の投資のための借金なのか?

老人世代を支えるため、その票田を失わないため、つまり政治家のため、つまり若い世代のことなんか考えていないのではないか?だって、若い世代は選挙に行かないから。これを将来への投資と言えるのか?

楽観的なシナリオは、日本に災害がなく今後も人口が変わらないか増え続ける前提での話でしかない。経済学者の楽観論は単にアメリカが今後も人口が増えるからだ。どこの国の話をしてるのやら。。

どちらの前提も意味がない。
だって、日本はこれから人口が減っていくし自然災害も多いのだから。

本当に一刻の猶予もない。本当の本当に。

この本のメインテーマである「人口減少」は待ったなしで進む。人口動態ほどわかりやすい分析はない。ほぼ予測通りに進むので。現実を見ない振りをしようがしまいが、予測通りに生産労働人口は減り続ける。
なのに、現時点で何の手も打てていない。

基本的には「中小企業神話」をさっさと捨てて、最低賃金をあげることで経営者にプレッシャーをかけよう、という提言の本で、趣旨それ自体は前作同様に明快なのだが、何というか、それ以上に日本人のどうしようも無さを感じてしまった。。。
こんな状態なのに、過去の栄光が捨てられないからか、何も変えようとしない。。。直近で関西電力幹部への笑うしかない資金(裏金)供与のニュースを見た影響かもしれんが。。

本気で思うけど、デービッド・アトキンソンさんが日本に居て、日本語を話せて、日本に思い入れを持ってくれて、こういう本を出してくれる幸運を、日本人はもっと喜ぶべきだ。
少なくとも、今の段階で切迫感を持つことができる。

個人的な実感としても、来年2020年のオリンピック後(・・むしろその前から)の日本経済は確実に停滞するだろう。消費税を上げたことでさらに確定となった。

この本で書かれている提言を実現できなければ、日本は間違いなくこのまま沈んでいく。

中小企業の社長の利権を守って一緒に沈んでいくか、今すぐ手を打つか、日本人が主体的に決断すべきだ。本でも書いてくれてる通り、まだ人的リソースはあるのだから。

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2019年10月05日

Posted by ブクログ

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日本のGDPが戦後大きく成長したのは人口が増えていたから。人口減少の今後は中小企業を統合して無駄をなくして効率化し、労働生産性を高めるしかない。さもないと社会保障のために税金を上げれば若者が、税金を上げなければ年金が不足して高齢者が貧困に陥る。
著者は菅政権のブレーンに参画。国会のゴタゴタを見ているとこの政権にも期待できない気もするが、なんとか少しでも良い方向に舵取りをお願いしたい。

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2020年11月03日

Posted by ブクログ

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人口減、生産性の低下、大地震のリスクにより、日本の貧乏化が懸念される。
改善できるところは、生産性の改善。
これは、中小企業が多く、保護されているとこに問題があるという。
最低賃金を上げることが、生産性を上げる要因の一つになる。
もちろん経営者側の方にも問題はあるが、働く方も賃金の良い方に積極的に流れていく姿勢が大切だと思う。
そのためには、スキルを上げることはもちろんなのだが、根本的にその気概があるかどうかが一番大切だが、そもそも働く方にその気がないのではないか。
ゆとり教育が失敗のような気がする。
中国の経済援助による、経済的な植民地化はさすがに避けたい。

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2019年12月20日

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深刻な日本

とてもわかりやすく、一気に読めました。
日本人は、行くところまで行かないと動かないので、最悪な状況になってから、やっと改革に動くことになるでしょう。

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2019年12月07日

Posted by ブクログ

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日本の少子高齢化という事象で、最大の問題は『生産年齢人口の激減』
労働者は減るのに、高齢者が減らない事によって社会保障費が逼迫されます。

つまり課題は、GDPを増やさないといけないということ。
世界の経済分析の世界では、もはや常識と言われていることがあります。

それは、企業の生産性と従業員数(規模)は相関関係がある。
そして企業の生産性と給与も、相関関係がある。

よって、従業員の給与を積極的に上げれない生産性の低い中小企業は、さっさと統廃合をすすめる必要がある。これが、アトキンソンが分析した結果です。

メタ分析の詳細は前作の『日本人の勝算』に書かれていますが、日本の改革はもう待ったなしです。

本当に中小企業の統廃合がすすめば、今まで以上に暮らしの場所の変化があるでしょう。

国運の分岐点とは、そういうことなのです。

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2019年11月10日

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